とにかく意匠出願。しなけりゃ開業できない。開業するからには公開の必要があり、公開したら登録の権利を失う。公開前に出願しなければならない。出願前にwebで公開してしまった場合、相応の理由があれば、救済策もある。しかしこれが認められるのは日本と米国くらい。他の国では、この出願をしてしまったばかりに出願前の公開が発覚して、藪蛇で外国出願が無効となってしまう。
外国出願を狙うならこれはやめたほうがいい。
しかも日本はハーグ条約に加盟していないので、特許や商標のような国際出願の手続きはなく、パリ条約の優先権が認められるだけである。よってパリ条約優先権期限の6カ月以内に外国出願しないと優先権が認められない。
これから6カ月以内に外国にも出願しなければならないが、そのまえにまず、どの国・地域で商売するのかを決めなければならない。しかしこの製品にどの程度の需要があるのかさえ皆目検討つかない。国内でさえそうなのに、外国でどれだけ売れるか、商売の見込みがたつかを、たった半年で調べて決断しなければならないのである。
まずPay-easyで支払い。その番号を意匠登録願に入れ、htmlを整備し、図面を仕上げ、電子出願ソフトのチェックを通して、何度も確認して出願。20日中に、とも思ったのだが、間に合わず2件目は翌日になってしまう。三菱東京UFJがメンテに入りPay-easy決済できず、2件目はりそなで支払い、出願。あとは運まかせ。

ドイトで固定具と木ねじ調達。
ドリルとドライバーで大工作業。エアコン工事。かたわらで撮影。
特許庁意匠課に電話し、物品名に「写真」と入れたいと伝えると、担当者の見解として、写真とは認められないという。もっともではある。その意向に従うしかあるまい。
いつもながら、省庁職員の口調はたいへんていねいなのだが、内容ははっきりしている。「写真とは認められない、ということですか」と問うと、「はい」と、やわらかい口調ながらも断言される。

エアコンとカメラとアクリル撮影台が一気に届く。撮影台はでかい。でかさは想像していたが、この重さは想像以上。えらいものをこしらえてしまった。使えるんだろうか。
カメラは早速バッテリーを充電。昔は箱から出してすぐに使えたもんだがな。中古の機能性携帯端末をWi-Fiでリモコンがわりにする。しかしWi-Fiと3Gの切り替えが面倒。MNVOに月500円払ってNTT回線につないでるが、ほとんどまったく使ってない。もう解約してリモコン専用機にしちまおうか。だいたい電話嫌いだし。
ありものの三脚と雲台と三脚ねじを使って特殊アングルに対応したカメラ保持法をあみ出す。雲台は逆にして裏にしたいわば対偶用法。通常の三脚ねじは使えないので、ロングプレートについてきた使えないねじのストッパーをはずすと裏から装填できる。センターからは光軸がずれていて、ゲタを履かせることもできるが、強度と軽さを優先してそのまま。
撮影台の台をありものの板から切り出す。弓形鋸だけで木が切れないので百均で買ってくると、まっすぐは切りにくいが12mmの合板なら充分切れる。
カメラは使わず。使えるのはだいたいわかる。
ありあわせのもので工夫して間に合わせる方が、新しい道具を買うよりずっと楽しい。
特許庁意匠課から電話。出願時の物品名がこれでいいか、部分意匠の扱いがOKかを確認したのだが、物品名の希望は認められず、部分意匠の扱いは着色でOKとのこと。後者は意外に寛容、前者は難しい。

デジタル一眼レフカメラ購入。EOS6D。とりたててほしいわけでもないし、さほど使わないと思うのだが、それでも必要だった。それもこの機種が。Wi-fiでの操作が必須だったから。5年物損保障つきで15万台後半。ずっと相場を見ていて、ちょっと上向きだがこちらの機が熟したので決断。キャッシュバックもある。しかし今さらメーカー製のカメラなんかにこれほど出費するとは。
特許庁意匠課に電話して、質問してもいいとの許諾をあらかじめ得た上で、メールフォームから図面と質問事項を送る。答えてもらえるかどうかはわからない。
本丸の特許は流動的。

いろいろ気ぜわしい。商標願の形式については問題ないとINPIT相談部から連絡。4回目だし、当然ではあるが、念のため見てもらった次第。
アクリルの撮影台の製作を発注。3社に見積依頼し、ここが早くて安かった。2005年の個展時に塩ビのフレームを発注した業者。その後引き伸ばし機の改造にアクリル板を使ったり塩ビで写真器をつくったりもしたが、もうプラスティック素材を使うこともあるまいと思っていた。こんなところで使うとは。それも9万。いやいや主材料として使うこともあるかもしれない。こうなったらどう転ぶかわからない。
エアコンを発注。意見書案や明細書を3件分検討して弁理士とやりとり。工作機械屋から連絡。補助金事務局に確認。個人から株式会社への支払先の変更を外注先に連絡。webチェックの指示。
WIPTから国際郵便。WIPT? WIPOにちょっと似たロゴが刷ってある。World Patent Trademarksとある。開けると国際出願中の商標に対し10日以内に登録料2662米ドル払えという。送り主の連絡先はブラティスラヴァの私書箱。調べると詐欺まがい商法らしい本家本元であるところのWIPOも警告している。出願内容は公開されていて、調べていないが住所も出ているはずだし代理人がいないこともわかるだろうから、いいカモに見えるのかもしれない。代理人がいれば直接こんな通知が来るはずはないので怪訝に感じるだろうが、代理人いないと出願人に直接WIPOから通知が来るのになれてくるから、うっかりしてるとつい信用しちゃうかも。ごていねいにもちゃんとオフセットで印刷してあり、郵送費まで払っていろいろ調べてもっともらしい文面もつくって送ってくるわけで、Eメールのスパムよりは頭使ってる感じがする。ごほうびかつ記念にしばらくとっとこう。
そんなこんなで1日使ってしまい、特許庁意匠課には連絡もできず、商標ともども出願もできず。