朝より特快晴。午後から徐々に高積雲増えるも日没前には消える。
ピンホール製作。といっても家庭用アルミ箔にプッシュピンでぽちっと穴をあけて黒のカッティングシートの切れ端でリンホフ1番ボードの穴に貼りつけただけ。所要時間10分足らず。φは0.5mmとかそんなもん。
四谷。さっそくセットしてピングラを覗くとおぼろげながらも像が映っているではないか。こんな間に合わせの穴でも立派に見えるとは。といった原初的な驚きなんてのはじきにしぼむもの。そういえば小学校時分にピンホールカメラを作ったことがあった。紙ネガで反転してポジ像を得るのだが、クロロブロマイド系だった記憶がある。もう残っていないだろうが。焼きだし印画紙、いわゆる日光写真はそれまでに何回もやっているだろうが、あの時は現像・停止・定着の正規のモノクロプロセスだったはずで、だとすれば最初のシルバーゼラチンのプリントだったことになる。しかしそれ以降写真のほうには行かなかったのだった。むしろ写真は絵画より一段、あるいは数段劣るものと考えるようになり、それは今なお続いている。
永田町。国会議事堂裏でプル*デンシャルタワーへ展開。新首相官邸は初の実見。慣れないせいもあるだろうが、さすがにこのへんは繁華街はむろんのこと大手町や霞ヶ関とも緊張感が違う。景観の格が別物。溜池から赤坂を経て六本木。あちこちで展開し森タ*ワーも覗いてみるがどうにもキレがない。エッジがない。ていうか実際のところ角がない。西麻布から青山一丁目で帰投。
さすがに暗く、冠布周囲からの外光を遮断しないとほとんど見えない。しかし4X5のシリーズで実絞りまで絞ったときと似たようなもの。ルーペでも見える。はじめは像の範囲にとまどったが、すぐにフランジバックと像範囲の関係を把握。レンズの焦点距離と像倍率が体感上もほぼ一致。しかしピントは悪い。いや、ピンホールカメラではピントという概念はなりたたないような気がする。シャープではない。径が大きすぎるのだろうか。しかしこれより小さくして暗くなると画面の確認も困難になってくる。ノーファインダーに近い。それでも撮影はできるだろうけれど。そもそも結像なのか。像という語も光学用語としては「光学系において、物点に対する共役点」となっており、フォーカスがあっている一点についてのみ像と考えられる。日常語としては、奥行きのある対象をレンズで結ばせた光の分布に関して、フォーカスが合っている部分も合っていない部分もひっくるめて結像と見なしているわけだが、フォーカスなるものとは無縁のピンホールカメラでは像や結像といった呼称が適切なのかどうかわからない。ともあれいろいろ限界あり。やはり専用機を自作せざるをえないようだ。さすれば木工か。もうすっかり工作派。でもこの無精な俺様がワザワザ作るからには真っ当で健全なピンホールカメラなんぞになるわけがない。