2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

展示にお越しいただいた、鑑賞対象としての写真の文脈とは無縁の人物から、あの写真群について、「どこか一点から見ると普通に見えるんですよね」という指摘をいただく。 鋭い。文字通り視点を180°回転させた的確な洞察。まったく思いもよらなかった。しかし…

お買いあげいただいたプリントを引き渡し。照明光が白色蛍光灯とのことで、やや青みが強いプリントを選ぶ。展示したものには三日月クラックがあるがこれはほぼ無傷。 写真や美術の外の立場のかたから、プリント購入という最大の肯定を受けたことには大きな意…

ピンホールカメラによる写真であると説明すると、たびたびカメラ・オブスキュラに話がおよぶ。 カメラ・オブスキュラの原型とは、部屋全体を暗くした仕掛であったとされている。遮光した箱をつくってその一面をすりガラスにしたのではなく、真っ暗な部屋の壁…

午前中から特快晴。天気がいいと撮影に行かねばならぬとの思いからいまだ解放されない。一昨日も好天なのに撮影に出ず気が咎めてしかたなかった。撮影に出たいのに天気に恵まれず、快晴となると何を措いても繰り出すという、去年の個展後からこないだの個展…

このブログのハイテンションもそう長くは続かないだろう。 写真についてのネタはいずれ切れる。そのつど新しく考えついているネタだけではこんなに毎日埋められるわけもなく、10何年か考えてきたストックから小出しにしているわけだが、そんなものはいずれ使…

昼頃ほぼ無雲。代々木公園駅から国立オリンピック記念青少年総合センターへ。公園の一角。着いたころには巻雲が広がりだし、そのうち層積雲や高積雲も出てくる。 守衛がいるので歩き回っていいかと聞いたところ何もないという。撮影には別途許可がいるのかと…

何をおいてもまずは部屋の片づけ、だったはずが、天気のよさについふらふらと撮影に出る。4x5のEbonyとMamiya7をカメラバッグから追い出しピンホール撮影用の一式をつめたらそのシンプルさと軽さに途惑う。箱とフィルムとホルダと露出計だけ。あれ、写真って…

出がけに降りだす。片手にブリーフケース、片手に未露光の印画紙。浅草橋のAの業務用冷蔵庫に保管してもらうため。両手がふさがっていてカサを持たずに出たので、大全紙の印画紙を頭の上にかざしてカサがわりに。こんなことするかね。ずぼらにもほどがある。…

会場撮影。日中は外光が入ってきて色温度が狂うので、日没後のほうが外光の影響を受けずに撮影できる。しかし、外に対して開かれている空間の記録として、さらには外の景色に恵まれた安寧の時間の反映として、むしろ日中に撮影すべきと判断。Mamiya7+43mm。I…

昨日の考察は見誤っていた。 今回の写真は透視図法的な線遠近法に全面的に則っている。いわゆるパースというもの、超広角レンズを使った写真をさして「パースがきつい」と称したり、上すぼまりになっている建築写真について「パースがついている」といわれる…

特快晴、だが透明度はやや低い。日曜に1カットだけ使って、残りはT64に入れかえるために撮影せず巻きとったRDPIII120を全暗中で巻き直し。イージーローディングフィルムは便利なのだが、一回挿入したベロを抜こうとすると外れずに破けてしまう。巻き直すには…

つづき。 考えてみれば今回の写真も、写真における線遠近法という規範ないし文脈に依存していたのだった。それらを離れてはほとんどなりたちそうもない。そのあたりを探るために、写真をまったく見たことのない人がいて、彼らが最初に目にした写真が今回の写…

一点売れた、らしい。これから出廊。 本日も午後から快晴。売れたのは東京武道館。納得。これはプリントもうまくいっているので焼きなおす必要もないし、これを買ってもらえるのは意図が伝わっていると思える。あいかわらず来客は少ない。ただつらつらと眼前…

展示期間になったら俄然晴れるのだろうとの予想を裏切りずっとさえない天気が続いていたが、今日の午後からようやく晴れ渡る。もうじき冬となる澄んだ空。展示室に腰かけながらふと見やると避雷針が空に刺さっている。風が強い。会期は2/3が終了。はや次の撮…

昨日の続き。 制約や規範を必要とするのは眼高手低の人が陥りがちな傾向ではないだろうか。批評眼の人、なんらかの先行するテキストや文脈があってはじめて何ごとかがなせる人。既存の文脈などお構いなしに、勢いと旺盛な生命力で走り続けられる猪突猛進型の…

規範について。 そもそもピアノというものが好きではない。もともと音が嫌い。しかしグレン・グールドはとりわけ苦手。グールドの音楽そのものよりも、グールドを聞いてれば頭よさそうに見える的な風潮に昔から反感があった。しかるにずっと前からブランドで…

昨日来廊いただいた写真家S氏とずいぶん長いこと話して、いろいろヒントをもらった。まず実際の撮影方法について。S氏はかつてピンホールカメラを駆使し、しばらくデジタル一辺倒だったがまた銀塩に回帰するという。ピンホールカメラに関してはずっと経験の…

府中市美。135と67でパフォーマンスの撮影。三脚をてっぺんまで上げて脚立と一緒にあっち行ったり戻ったりせわしない。あれだけ露出バラして撮ればなんとかなってるでしょ。その後会場撮影。 展示風景の撮影というのはパースとの格闘そのものだ。なぜなら空…

明日の撮影のため新宿ヨドバシでエアレリーズを購入。1,837円。前回の府中市美の撮影でレリーズの長さが足りず写り込みがあったため。さすがにケーブルレリーズより反応が鈍い。しかし「バルブ」撮影では歴史的にこれを使うのが正しい。この先使う機会がある…

空が見える展示空間はいい。2001年の神田は外光が入ってきたし、翌年の吉祥寺、去年の佐倉市美も外に通じてはいたが、展示を見通せる位置から、わずかではあれ空が見えるような空間はこれまでなかった。展示が外に向かって開かれていると思えるからだろうか…

レンズクリーナーのブラシで、なかなかとれなかった印画紙上のホコリを除去。スポッティングは見送りの気配。撮影時とプリント時に起きていた出来事をそのまま提示するべきで、撮影時はもちろんプリント時にネガに付着していたホコリを糊塗してしまうのは本…

今日も昼過ぎに来たらハロゲンランプがついている。蛍光灯だけだって言ったのに伝わってなかったようだ。3年前の個展でもそんなことがあったし、ギャラリーのスタッフには概して照明が重要な展示条件であるとの認識がないらしい。 カラープリント用のスポッ…

平面的に見える、といった反応をしばしば受ける。イラスト的であるとか、マンガチックで笑えるとか、奥行きがないとか、みな平面的であるというところに集約されるのではないかと思う。否定的な評価ではないようだが、どういうことを意味しているのかがよく…