何をおいてもまずは部屋の片づけ、だったはずが、天気のよさについふらふらと撮影に出る。4x5のEbonyとMamiya7をカメラバッグから追い出しピンホール撮影用の一式をつめたらそのシンプルさと軽さに途惑う。箱とフィルムとホルダと露出計だけ。あれ、写真ってこんなに簡潔に撮れるんだっけ。
未踏の地へ。とはいってもいつも行ってるところから数キロしか離れていない。車中からソリッドスクエアを見て、こんな普通の形状のビルだったかと驚く。あの写真から元がこれだと思い描ける人はまずいないだろう。撮影した当人ですら忘れているのだから。そういえば辰巳国際水泳競技場も元のかたちがまったく思い出せない。
京急川崎大師線にはじめて乗る。でも3年前にすぐ近くを味の素の工場まで何度も通ったのでしばらくは見慣れた風景。終点からまず多摩川側へ行き、元いすゞ自動車工場らしい空き地の脇を歩いて浮島へ。このへんでは珍しくプラントの近くまで寄れる場所。配管そのものは珍しくないが。大同鉄鋼は要塞のようでものものしい。埋立中の地帯にはテーパー状に八の時のパースが元からついた建物。アクアラインの入り口かと思ったが他に2棟あったのでなんだかわからない。脇道にはいるとすぐそばを配管が走っていて、ところどころ蒸気が噴き出している。道からは遠すぎるしたぶん路上であっても撮影させてもらえないだろう。敷地内で撮影したいものだが、許可をとるのはかなり難しそう。正面からでは門前払いか。日没後も照明がついておもしろいが、まともに撮影しても一時期ありふれていたような絵にしかならない。日本石油ガス?では煙突から炎が吹き上がっている。あんな獰猛な工場は今どき袖ヶ浦あたりでしか見たことがない。左足のつけねが痛くなる。いい加減整形外科なりほねつぎに行かないと。さすがに遠いしバスで川崎へ。
ヨドバシでフジの紫外線カット用のSCフィルターを検討。L37とL39、L40があるがL38は在庫がない。L39は390nmで透過率が50%。可視光の短波長側ギリギリの400nmだと透過率72%。青成分に若干影響が出るのでL38にしようかと思っていたが、L39が一般的だしネガなんだからどのみちたいして変わらんだろうとこれにする。75mm角で900円程度。切ってピンホールの前に装着する限り一生持つのではないかという気がする。中野フジヤジャンク館ではFidelityの4x5カットフィルムホルダの旧タイプ、引きぶたの取っ手が金属製のものが150円まで下がっていた。産業写真で使われなくなればそうもなるだろう。当然あそこに集結するジャンクな連中には見向きもされない。