近所でやっているunseal contemporaryの鴨下容子展はよかった。
独特の空間構造、と呼ぶのが適切なのかわからないが、絵画的奥行きのイリュージョンはあると思えるので、これも空間再現、あるいは空間描出と呼んでいいのではないか。もはや遠近法ではない。遠近法のかすかな残照を残し、またそれを継ぎながらも、まったく別のひろがりを現出させえている。
負けた、と思った。やられた。でも現状の写真でこれを実現できるとはとうてい思えない。やはり突出した絵画にはかなわない。遠近法を問題にする限り、写真でできるのはおそらくここどまり。