10時頃快晴。次第に雲が出てくるがこの夏の日照不足の中でこの晴れを逃す手はない。出発したものの途中で545ホルダを持っていないような気がして荷物をあらためると案の定入っていない。戻って探すが出てこない。きれいなほうはあるのだが、削っていないしジャンクでないと意味がない。探せど探せど見あたらず、時間は無為に過ぎていき、台なしになったネガやらなんやら身から出た惨状にも打ちのめされてまたぞろドロドロになってくる。雲が広がってきていったん投げ出しかかるも、撮影にでも出ないことにはドロドロが嵩じて血行障害になる一方なので、打開の期待もこめてとにかく出直し。
もう雲だらけだが、夕方晴れるかもしれないのでそれまでのつなぎにしばらく行っていなかったさいたま新都心へ。以前来たときには工事中だった東口の再開発街coco*on新都心はすっかりできあがっている。駐車場4Fからまたも見渡してみるが、見下ろし視点からすると特に興味をそそられない。柵も手前すぎて、乗り越えは可能だがそこまでするほどのものは微塵もない。線路の下をくぐる地下道に構えるが、東側は午後には自分が立っている架橋の影ができて好ましくない。西側に移るとカーヴしていてちょっとどうかと思うのだがテストと思ってAcros1枚、EV14.4、2m。14時過ぎにしては暗いが、巻層雲とか高層雲のためか。これ、そこらの並み居るエスタブリュッシュ面子がしきりに量産しているようなコンセプト倒れのこけおどしと一緒かもという疑念が抑えがたく湧いてくる。何しろ見るからにつまらなそうなのだ。ある程度の数を撮影した上でネガ現なりプリントなりしてみなければはっきりしたところは判断できないわけだが、この段階ですでにつまらなそうだというのはどうにも見込みがないという可能性も大いにある。まあ勘とか先読みとかいったみずからのこの手の能力についてはまるきりあてにしていないので明瞭な結果が出てからの話。そして目当てのさいたまスーパーアリーナをぐるっと回ってみるが、別の機材背負って3回、それぞれの機材に応じた見方で見てきているが、これは使いものにならないようだ。でもいちいちそのつどじかに行って見てみないとわからないもの。
16時に上野行きに乗り飯田橋で降りるとほぼ無雲。武道館へ向かっていくと、九段下で大量のお嬢さんがたに飲み込まれる。しまった。東京武道館に行くときは当日の催しを確認していたのだが、何かあってもせいぜい数人がじゃまになる程度で、日本武道館となると別物だというのを忘れていた。とにかく行ってみることにし公園内に入るとそこらじゅうお嬢さんが座り込んでいて、警備もうじゃうじゃ。しかも「環境大臣の許可なく撮影目的での公園立ち入りを禁ずる」とかいう看板。こりゃ無理だ。せっかく雲もなく日ざしの具合もよくてひさびさにいい条件なのだが、この連中と戦う気は起こらずあっさり撤退。しかしひさびさの快晴がもったいないのでテスト以来ほったらかしてあった都立工芸高校を思いつき、歩きついた頃には17時半で日ももはや沈みかかっている。とにかく組み立て、PETを忘れたのでカメラバッグで加重。EV11.7、4m、覆い露光。それでもアンダーだろう。二枚目は8m、露光後に計るとEV9とか。すでに日は射していない。一枚目の時点では時代を感じさせる赤いオブジェがゆっくり回転していて、以前のテストでは写っていたのだが、4分となると飛んでいるに違いない。しかし二枚目の時点では止まっていた。ピンホールではこれだけの長時間露光はやっていないと思うので、それと覆い露光のテストくらいに考えておこう。