早めに目が覚めてしまう。あいにく朝から巻雲と巻層雲だらけ。7時過ぎ出発。まずは覚王山日泰寺。タイ国王から釈迦の遺骨を贈られ、名古屋総出で誘致し超宗派で建造したという国内に類例のない寺院。住職も持ち回りだとか。相乗りの統一会派みたいだけど100年続いてるんだから本物。広い。しかし何もなくだだっ広い。他同様戦災で消失して鉄筋コンクリ。築地本願寺のような異国情緒あふれる寺院建築かというとそうでもない。五重塔もあるが日本の仏閣の典型的な様式。でも山門を守っているのは金剛力士のような下腹部の出っ張った日本の典型的中年男性ではなく団体展系彫刻家による南方風の細身の人物だし、タイ国王から贈られたという千年前の金のご本尊がでかい本堂の奥に鎮座しているのが見える。寺にも非公開というのはときどきある。しかしそれは保存性などを優先しているのであろうし、おりにふれ特別公開されるものであり、元来衆目に触れるのが忌避されているとおぼしい神社関連とは意味合いがまるで違う気がする。ところがここではそんなことは関係なく朝っぱらから開けっぴろげでたいへん気分がよろしい。むしろ自慢しているようですらある。金というのが名古屋人の気質に訴えるのかもしれず、なんだか愉しい。しかし残念ながら建築としては迫力に欠け、魅力に乏しい。雲が広がっているので撮影はしないが、ここはまあよかろう。デジタルカメラで記念に撮影して、感謝のしるしにお参り。
ちょっと離れて仏舎利を安置する泰安塔などがある一角。泰安塔が非公開なのはしょうがないでしょう。充分盗難の対象になりうるのだから、監視もなくあんなほったらかしでいいんだろうかというくらい。タイ国王陛下とかタイ皇太子殿下の列席記念碑が建っているが、皇*族関連はなさそう。インターナソナル。納骨堂は入場できるらしいが9時からなので見送り。
名大方面へ行き桃厳寺の名古屋大仏。これはびっくり。ネット上の画像では緑青の湧いたよくありそうな大仏だったのだが、実物を見てみると緑色にペイントされている。目や口は金色。そのままにしておけば古色蒼然とした枯れた味のある仏像になるものを、べったりとグリーンに塗っていんちきなパブリックアートのようにしてしまうとは。築後わずか20年とはいえ思い切ったことをしてくれる。リアルな象や鹿や仏僧に囲まれ妙にポップ。しかも年配の参拝客が絶えない。これはここに限らず、名古屋は東京より信心深い土地柄なのだろうか。巻雲と巻層雲が出ているが、せっかくここまで来てこれだけのものを見せられたのに撮影しないで帰る手はない。10時くらいに、EV15程度だったか、ポラ切ってQL、1mか80s、上余白とって同秒時でもう1枚。お参り。遠からず特快晴の日にまた。
名古屋港駅から名古屋港水族館先の名古屋政府サイロ跡。11時頃、巻層雲あるがEV15.5、ポラ切ってQL、50sくらい。橋を渡ってポートタワー。東側正面からだと椰子の木が邪魔。西側正面は橋の上からだが、歩行者で橋が揺れる。東斜めから1枚。50sか。ぱっとしない。612でもさえない。やるなら長焦点で夕方西から。
12時過ぎ、ポートビルの影が去るのを待って、南極観測船「ふじ」の4枚羽根スクリュー。1m程度で2枚。雲は晴れない。ポートハウスは流す。
栄で昼食だがやはりこんなものだろうかという印象。特に味噌汁は濃すぎて飲めない。東別院で許可とって2枚。ここは2階建てででかいにはでかいがコンクリだし造作に趣がない。徐々に晴れてきたのであわてて名古屋城へ。西側に出られなくて焦る。西側に正対してと思っていたのだが、側面からでは建築的特徴である金のしゃちほこが屋根に隠れてまったく見えないし、木の枝がかかってくる。南東の角から、15時半ごろ、EV12.7程度、2m。しゃちほこが片方しか見えないので場所かえて両方見えるところで3m。しかし木が邪魔。その上気がついたらすぐ上の空にうっすら巻層雲がかかっている。もういいや。内周の堀には水がなく、鹿が数頭。こっちをちらちら見ている。カラスが鹿にまとわりつき、背中をつついていて、おびえているようだが動こうとしない。客が鹿にエサをやるものだから物欲しそうに寄ってきて、そのおこぼれにあずかり、あわよくば強奪しようとカラスも集結するわけだ。阿武隈川でも白鳥とカラスがそんなことをやっていて、白鳥の幼鳥が食われると騒いでいるのだが、なんだかなあという話。16時過ぎ名古屋城内部の展示を見て市役所駅から名城線で金山に出て東海道線新快速に乗り換え、最後はあっさりと帰還。