池袋*ビッ**カメラにて4x5のネオ*パン*オルソフ*ィルム3箱確保。これは去年製造中止と知ってあわてて探したが見つからなかったのだった。まぎらわしくもAcrosの上に置いてあった。青色域と緑色域にのみ感色性を有し、赤い光にほとんど感じないモノクロフィルム。人物を撮影するとパンクロマティックな通常のモノクロフィルムよりも顔が黒っぽくなる。他にこのようなオルソクロマティック特性を持つ医用以外の感光性フィルムとしては、グラビアフィルムとオルソリスフィルムがある。いや、あった。グラビアフィルムは94年に、当時フジ製はすでになくコダック製も入手難で、コニカ製を遠くまでわざわざ買いに行って使っていたが、その後ほどなく製造中止。これはまだ箱があるので、中に数枚残っているかもしれない。グラビア印刷などという印刷方式が、レジ袋などでは現役で使われているらしいが、紙媒体への印刷用途では20年も前にほぼ消滅していたのであるから、このフィルムがなくなるのも当然の話。リスフィルムは、まだオフセット印刷用の製版フィルム出力機が印刷業界で多数稼働しているので製造はされているのだろうが、量販店ではほとんど見ない。小サイズはもう出していないかもしれないし、もしかすると在庫だけかもしれない。こちらは基本的に線画用であり、連続階調現像もできなくはないがやはり消滅したTechnicalPan同様露光域が狭く階調特性に癖がある。グラビアフィルムもリスフィルムも印画紙並の感度なので一般撮影には感度が低すぎる。オルソフ*ィルムはタングステン光下でISO20相当であり、低感度とはいえどうにか撮影用に使える範囲内である。
これの用途としてはここの卓抜な考察で指摘されているような使いかたもあるだろうが、一般には暗室作業の便宜から用いられることが多いだろう。赤い光に感光しないので、オルソタイプの一般の印画紙と同様、完全暗室にする必要がなく、赤色のセーフライトを点灯して暗室作業ができるのである。印画紙より感度が高いためセーフライトを暗くする必要はあるが。このフィルムを使うまたぞろへんちくりんなアイディアを思いついてしまったわけだ。思いついた構想を実現するために何が必要かと考えてオルソフィルムに行きついたのか、オルソフィルムが製造中止だと知って、この写真感材を使えるうちに使うため、どこかに用途はないかと逆算して使い途を強引にひねりだしたのか、まあそんなのはこの際問わないことにする。