id:mannin氏にご教示いただく

先日ちょっとコメント欄が賑わったノーリツの新型プリンタの話題。今回の高解像度なエンジンによって恩恵を受けるのはL判プリントでしょうなあ。小さくて鑑賞距離が近いし。いわゆる「デジタルプリント臭さ」が減るかもしれないという期待も若干。

ただしid:hatenoさんのコメントにあるところの「露光間の溝」は今度のエンジンになっても解決はしない気がしています。これって「ライン状の露光部分」+「ペーパー駆動」という構造をどうにかしない限りずっとついて回る問題じゃないかな、と*1。

鑑賞距離の影響は大きくて、Lambda出力程度の品質でも、大判プリントだと問題にされない、あるいは評価者の目のスペックが低くて単に気がついていないことが多い。しかしLambdaでキャビネサイズ以下で出すと到底われわれの使用に耐えない。やむなく同じデータを近所のミニラボで出すと、溝はそんなに目立たないのだが、同じデータなのに色が毎回狂うので補正のしようがなくて困りはてる。店員がいうには、内部はブラックボックスなのでどう調整しているかわからず、毎回違う結果になっても手が加えられないというが、ケミカルの不安定さのせいなのかもしれないし、店員の技術の問題かもしれない。ただ、近所の3件では同様の対応だった。
ならば、Lambdaでも巨大出力を引いて見るならライン間の溝が見えないからいいかというとそうでもない。Lambdaの場合、調整具合にもよるのだろうが、露光部分の間が白く抜けていることが多く、その白い部分は発色せずに間引かれた状態になっているわけだから、印画紙本来の濃度が出ておらず、最大彩度も本来の飽和値より低くなっていると考えられる。近所のミニラボプリントは、よくよく見ればざらついてはいるけれど、そんな中抜けのようなことはない。露光方式がライン状であることで発生するノイズ要素にも許容できるものとできないものがあって、この白い筋だけはどうにもいただけない。これはレーザのビーム幅と副走査方向のピッチが一致していないところに起因するのだろう。LambdaにしろLightJetにしろ、最大出力幅が広すぎるために、構造上ミニラボ機よりも精度が出せないのではないか。しかも、基本的には10年前の機械で、今の要求水準に応えるには古すぎるのだろう。Lambdaには70万はつぎこんできたが、もうとっくに見切りをつけた。id:mannin氏の指摘のようにライン式銀塩プリンタの溝の問題は根本的には解決できないのかもしれないが、レーザビームのライン間を空けないで埋めてあれば、解像度がさらに上がっていくことで品質向上の余地はまだあるように思う。