この日も朝から特快晴。もったいないがこの条件下では活かしきれない。ポツダムではサンスーシ地区しか見られなかったので、再度ポツダムに向かい、バーベルスベルクへ。坂をしばらく上がって公園。バーベルスベルク宮殿とその周辺の建造物はあちこち壊れておりさびれた雰囲気。だがルネサンス以来のドイツ様式といった趣。レンガ造りの2階建ての建物があったのだが、2階への階段などが一切ない。2階も窓だけで出入り口がない。あれは幽閉施設なのだろうか。看板はドイツ語のみで読めない。昼に南からでも可能だが木がかかるので朝に東からのほうがいいが、いずれにせよフィルム1枚の条件下で撮影するほどの物件ではない。ベルリン市街に戻ってフィルムを確保する余地も含みつつ回る。堀に囲まれた小さな城もある。あとは川沿いの元工場のような倉庫のようなうち捨てられた建物、ポツダム大学など。
川を渡ってベルリンに入り、教会などを過ぎてさらにベルリンを出る。かつては壁があったあたり。史跡の橋。そして新庭園地区。ポツダム会談が開かれたツェツィーリエンホーフ宮殿。宮殿というよりは名門校の寄宿舎。今ではホテルになっている。ここもドイツならではのつくり。オランジェリー。大理石宮殿は改修中。そして芝生を突っ切りしばらく西へ歩いて丘を登り、プフィングストベルクのベルヴェデーレ。これがすばらしい。さほど巨大というわけではないが、思い描いている壮麗さを具現化したような建物。しかもちょうど正中時。しまったフィルムがあればなあ。でもここで手持ちの1枚を使ってもあとで入手できる可能性は低い。残り1枚をここで使うわけにはいかない。天気もよく、復活祭あけのヴァカンスでたくさん客がきていて上階で展望する人々が写り込みそうだし、後日出直すこととする。また来りゃいいじゃないか。
ザークロー地区やグリーニケ宮殿、孔雀島には行けず。サンスーシをもう一度確認するつもりだったがそんな時間もなくなり、ベルリン中央駅へ戻ってバーゼル行きのナイトシティライナーを予約。3日前までに予約すれば1万円安くなったらしい。ただ変更やキャンセルはできない。あとドイツバーンがやっている長距離バスではベルリンからパリまで5,000円くらいで行けるらしい。今回はそういったことを知らず無駄が多すぎた。
ベルリン大聖堂へ。着いたら16時ぎりぎり。あわててセットし露光。正中時に間に合った。手持ち最後の1枚を慎重に露光。ところが、もっと前に出ればさらにスケール感が出るし左右のじゃまな写り込みも追い出せるのではないかと思ってポラ切ってみたらその通りだった。しまった。たぶん成功はしたけどそれ以上があった。でもフィルムがない。
ベルリン北駅近辺でフィルムのありそうな店を探すがまったくわからない。フリードリヒ通りに小さなラボは数件。しかし復活祭で休業中。大規模写真用品店が見つかったとしても、クイックロードのカラーネガを扱っているとは限らない。あったとしても、ヴァカンスシーズンの日曜に営業している見込は薄い。切符をキャンセルしてもう1日ベルリンに滞在することも考えたが、ネットで探してもわからず、断念。明日も確実に晴れて、いれば必ずや成功できるんだが。この通りには画廊も点在。
新国立ギャラリーに行ってみたら終わっていた。ドイツグッゲンハイムは一応行った。狭い。こんなんで本家グッゲンハイムはOKなんだろうか。ウンター・デン・リンデン沿いの1階で場所はいいけれど。駅中にでかい掲示があったりで宣伝には金かけている様子。フォトリアリズムの特集展示。ほとんどは当時の流行に乗ったお追従。十把ひとからげで扱われ、このように、おりにふれて「一時期そんな流行もあったな」と回想される程度の、一過性の一様式。
ベルクグリューン美術館は行ったら閉まっていた。これもヴァカンスだろうか。でも扉は閉じていたが、押せばあいていて入れたのかもしれない。あそこは見ておきたかったんだが。他にも行くべき美術館がたくさんあって、特集展示はみなつまらなそうだがこのクラスの美術館はコレクションを見るべきところ。でも、また行けばいいじゃないか。
そして21時過ぎの夜行列車に乗る。行きと違って混んでいるのはヴァカンスだから。途中カールスルーエやフランクフルトは暗くてわからない。フライブルクは田舎。あえて行く必要なさそう。