Gitzoの4型三脚が重くて、暑くなるともてあまし気味。しかもでかくて狂暴ではた迷惑。ところがそれだけの思いをして運んでも、このところやっている用途に対してはどれもみな過剰性能。こんな重さと頑丈さは現行器にもEbony23にも次世代器にも不要。なのでもっと軽い手頃な三脚がほしいなと思っていた。
一方で、2003年から翌年にかけて使っていたHu*sky Qui*ckSe*tがじゃまなのでネットオークションででもジャンク扱いで処分しなければと考えていた。これは撮影中にSinarを載せたまま雲台が突然割れたのだった。まあ理由もなく鋳型が割れるわけはないのであって、何度もぶつけたり倒したりしたせいだろうが。Qui*ckSe*tには三脚と雲台が別の型もあるが、これは一体型なので、雲台部分を捨てちゃうと汎用のネジでは留められず、修理に出すしかない。1万数千円かかるというので、そんなに払うくらいならManfrottoの小型三脚を買ったほうがいい。
Hu*skyは昔から評判がいいのだけれど、使いやすいと思ったことはない。雲台はGitzoや国産を使い慣れているからかもしれないが造作に違和感がある。止めネジとかパーン棒の形状にどうにも慣れない。脚も疑問だらけ。エレヴェータ部は華奢。開脚角度が1つだけで低位置撮影ができない。開脚の関節部分も拍子抜けする工作。全体にアメリカ製品らしいおおざっぱなつくりで、しかも設計が古いのだ。最近の製品は店頭でちょっとさわっただけだが、ほぼ同じという印象だった。Manfrottoは機能としてはかなり進んでいるし、国産のSlikやVelbonも細かな部分の使い勝手を向上させているのに、数十年前の設計のまま止まっている様子。それでもあれだけ評価が高くて新品も中古相場も高値安定しているからには、よほど制振性が高くてぶれにくいのだろうが、そういうことが顕在化する種類の写真を長らくやっていないのでよくわからない。Gitzoもそうなのだが、ブランドイメージでもってるところが大きいのではないか。もっとも、Gitzoの場合には、この10数年のコストダウンと被買収のせいで往時に較べ品質が悪化したというのが世評なので、まったく変えていないHus*kyはそれよりはだいぶましかもしれない。
ところが、軽い三脚を買ったうえにHus*kyを処分するくらいなら、Hus*kyをどうにかしてこの用途に使えないか、と思いついた。そういえば大ネジの代用になるM8ネジとナットを3年くらい前に買ったまま、現行器の接続部は板つきナットにしたのでお蔵入りしていたのだった。これを引っぱりだし、Hu*skyの雲台を抜き去ったあとの鋼管に差せないかと検討。ナットを削れば管内径に収まる。そこでしこしこヤスリで削ること4時間。実用写真の嫌いな者には珍しく撮影してアップしたくなるほど、ヤスリ1本で鉄を削ったにしてはなかなかのできばえに仕上げ、管にすっぽり収まるサイズに研ぎあげたのだが、ここでふと、Hus*kyが壊れてからGitzoを買うまでの数カ月間どうしていたのだろうと疑問を抱く。そこでこの日誌で調べてみる。ここはただのガス抜きとか哀れな遠吠えとか痛いぶつぶつ独り言とはた目からは見なされているのだろうけど、このように撮影メモとしてあとあと当人の役に立っているのである。そして当時、雲台がつけられないHus*kyのエレヴェータシャフトをとっぱらい、かたや脚のネジがばかになっていたSlikからエレヴェータシャフトを引っこ抜き、これにすげかえて使っていたのだったと思い出した。Gitzo入手後元に戻し、Slikはとっくに処分したけれど、同じ規格のSlikのローアングル雲台受けがある。あれがシャフトとして使えるはず。引っぱりだした。差しこんだら使えた。ロックも締め上げれば完璧。固定に関しては、ちっちゃなボルトとナットの組み合わせを接着剤でくっつけたようなものよりよほど信頼できる。こんなヤワなエレヴェータなんてモトから使う気ないから昇降量が減っても問題なし。できた。ナット削りの時間は無駄になってしまい、せっかくの会心の成果を活用できないのは残念だけれど、これでいきましょう。これなら軽量級のビューカメラも乗っけられる。Gitzo4型3段をずっと振り回してきた人間がQui*ckSe*tを持ちあげると、ずいぶん軽くてこんなんで平気なのかと不安になるけれど、軽い箱なら充分だろう。新たに三脚を買う必要は当面なくなった。
昨日は日光は昼まで濃霧が出ていた。今日は見てないけど好天とは思えない。今年は梅雨らしい梅雨。