自作フィルム乾燥ハンガー

昨日こしらえたフィルム乾燥ハンガーが思いのほか上出来なので大公開。
まず百均でフックを探す。洗濯用、台所用、S字型、J字型で壁にひっつけるタイプ、吸盤つき、木ねじタイプ、いろいろあるんだが、4x5ネガの2Φ程度の穴に差せる細いものがない。必要なものがないならつくるしかない。ゼムクリップはどうか。デザインクリップというのが売られていて、ハト型とワニ型がある。ワニ口クリップは知っていたが、ワニ型クリップとは。40個入り。先端がひっかかりにくいようになっていて、子供が使うにもよさそう。はらわたが人間の大腸のように丸まっているが、紙を挟むと隠れる。

 
ワニを開きにする。悪く思うな。ワニ肉はたいへん美味らしい。

 
曲げたりひねったりする箇所をずらしていって、1箇所に応力をかけすぎないようにするのがこつ。

 
でないとねじれとひずみが集中して、ワニの尻尾切り。成仏してくれ。
ハリー・キャラハンみたい。ダーティハリーじゃないほうの。昔の齋木克裕にも似てるか。

 
阿鼻叫喚の図。隣でとぐろを巻いているのは、百均で電線の結束用として売られている両面型の面ファスナー。

 
同じく百均で買った折りたたみ式のバスタオルハンガー。面ファスナーを切って、

 
堅く巻いて固定。ハンガーがポリプロピレン製なので接着はできないし、クリップはニッケルメッキされたスチールで、水場ではいずれ錆びるから交換できるように面ファスナーを使用。

 
できあがり。

吊してしまえばフィルムはまず落ちない。既製品のクリップより安全。クリップ痕もつかない。ヒモに吊したクリップのように動いたりしないので、フィルム同士が近づきすぎて傷つくこともない。また、必然的に斜めに吊すようになるので、下の角から水がしたたって乾燥ムラの防止にもなる。これを10個つくれば狭い浴室でも4x5なら100枚干せる。1回で100枚も処理するなんてそうそうなかろうが。ただしフィルムに穴が開いていないと使えない。富士のネガのシートフィルムを自家現像しているひとにはぜひお勧めしたい。原価315円。ハンガー本来の目的にも使えなくはないし、面ファスナーの残りは三脚の結束とかいろいろ使える。生きのびたワニもきっと誰かに喜んでもらえる。
こしらえるなら各自工夫を凝らしてほしい。同じ部材は手に入らないかもしれないけど工夫で乗り切れ。工夫こそがわれわれの味方。
2000年の夏、WORKSではじめてカラープリントをしたのだった。爾来10年、こんなところまできたか。同じ頃、4x5ネガをフラットベッドスキャナにオイル貼りして2400dpi16bitでスキャンした700MB超の画像ファイルを、16bitモードでできることがほとんどなかったAdobe Photoshop5.5でマスクをいくつもこしらえ悪戦苦闘してレタッチし、Durst Lambda130で50インチロールにプリントしていた。今のほうがはるかに楽しい。はるかに。
器を軽く改造。ノッチを刻んだだけだが精度が上がるはず。