快晴。西の山脈で雲が発生しているが、この地らしい空。
昼食も食べずあわてて出発。昨日の1日パスがまだ有効なのでバスで空港へ向かう。ところが、1回乗り換えたら空港に着くと思っていたのに、着いたのは乗り換えターミナルだった。もう1本のバスに乗らなければならない。しかもたいへんな遠回り。ケチらずタクシーにしときゃよかった、せめてちゃんと調べておくんだった、出がけにホステルのおっさんが親切に教えてくれたのをよく聞けばタクシーに切りかえたのに、と後悔。いつもこうだ。これで遅れたら残りの航空券が丸ごと切られてしまう。Greyhoundのチケットを無駄にして思い知ったはずなのに。
でもどうにか間に合って搭乗手続き。機内持ち込み荷物検査で、写真フィルムだ、と言っただけで手検査になった。国によってずいぶん違う。きっとアメリカのX線スキャナは照射がかなり強力で、がっちりかぶるのだろう。さすがパワーの国。手検査はかなり厳しい。日本では1つずつ子細に見て調べるが、こちらでは目での確認はおざなりで、そのかわり穴のあいた白い紙のようなものでフィルムの箱の開口部をこすって、それを検査機にかけている。日本では危険物に神経をとがらせ、こちらでは違法薬物を問題視しているようだ。どちらが進んでいるとかではなく、国情と犯罪内容の差だろう。引っかかったものはX線にかける、それでいいか、と聞かれるが、OKと答えるしかない。結果、すべてパスした。ただ、カメラバッグのほうにTMXの120が1本残っていて、2回スキャナに通されたし、パトローネに入っておらず裸同然だから、ひとたまりもなくかぶったろう。
みな靴まで脱いでいるので脱ぐ。隠しそう。麻薬犬はお払い箱か。
ここの空港では、搭乗ゲートのすぐ手前にまでスロットマシンが置いてある。時間を余らせている金づるを放っておいてなるものか、とばかりに。
アメリカ国内便の手荷物のサイズ制限については、2001年以降厳しいという話もあり、ゆるゆるだとも聞く。デルタに関してはうるさく言わないようだ。保管スペースの高さを超えている荷物を、上の板がゆがむまで強引に押し込んでいる奴もいる。あと、預け入れ荷物のうち三脚バッグのほうは、荷物を詰め込んだため先を折り曲げられなくなり、3辺合わせて270cmだかのサイズ制限を越えているが、文句はなかった。でも重量には厳しい。
Grand Canyonの上を飛んだが積雲が多くてよく見えなかった。どうでもよさそう。
他に地形ではっきりわかるのはフーバー・ダムの湖だかとコロラド川五大湖といったところ。
そしてJFK国際空港。乗り合いタクシーが道を知らず、延々とManhattanを回る。とうとう降り立った、これがNew Yorkか。とにかくすごいと言ってる人がいたが、無数の窓に灯がともる高層ビルが続くさまは、確かに今まで見たことのない光景でちょっと圧倒される。Las Vegasなぞ比較にならない。
投宿先はChelsea Hostel。これまで泊まったホステル、にとどまらず寝カフェや釜ヶ崎ドヤを含めても、もっともぼろくて不衛生。妙なにおいがする。なのにぶっちぎりの1泊44ドル。場所がいいからだ。Manhattanの真ん中。夜でもひとがたくさんいて店もやっており、危険はなさそう。これじゃしかたないか。他にここに比肩する地点を思いつかない。ないだろう。物価も高い。LAの倍くらい。行った店が悪いのかもしれないけれど。勝手がわからないはじめのうちはともかく、こんな場所に長居はできないので、逗留できる3日の間に他を探そう。でもほとんどのホステルは空室なし。危険そうな場所ならあいているのだが、身の危険は気をつけられても、部屋に置いた荷物の盗難は防ぎようがないので、よく考えたほうがいい。
もうひとりの宿泊客の荷物があるが、24時になっても戻ってこない。上下どちらのベッドで寝ればいいのかわからず、カートや三脚の置き場所がなくてベッドの下に置いてあることもあり、下段で寝ることにする。もうひとりが深夜に帰ってきたので、ここで寝ていいか、と聞くがどうも要領を得ない。挨拶しようと思ったがどうもそういう雰囲気でもないのでそのまま寝る。