画質などどうでもいいと言いつつも、つい気にしてしまう。あまりの欠陥品だと癪なので。いまだ「写真」やその関連業界のルールに縛られているということか。
レンズテストの結果だが、近接撮影、遠景ともf11前後が最高で、絞ると画質が低下していくのはいいのだが、開放でもかなり落ちる。1段絞ったf4でさえまだ甘い。画面周辺ならともかく、画面中央のフォーカスエリア真ん中でそうなので、これは変だと思いよくよく見てみると、ピント位置より手前にある対象が開放の周辺部でもわりあいシャープでf11と比較してさほど劣らない。どうやらいわゆる「前ピン」というやつらしい。f11で本来のピント位置にピントが来ているようなのは、前ピンのままなのだが被写界深度が広がるのでピントが合っていないにもかかわらずシャープに見えるということか、それともこのレンズはもともと絞り込むと焦点移動が発生し、それを見込んでf11で合うようにずらしてあるということか。
前者の場合、カメラとレンズのいずれに原因があるか、現状ではよくわからない。3月の地震でカメラを身長以上の高さから落下させてしまったので、その時にAFセンサに衝撃が加わったり本体が変形して精度が下がった可能性はおおいにある。
後者の場合、メーカーの設計通りということになる。だが、Can*onというメーカーの製品はカメラもレンズもAF精度が悪いという報告が以前から多く、高級機では調整できるようになっているが、それでも解決しないらしい。サービスセンターで調整してもらっても、カメラとレンズの組合せごとに不具合が発生したりでキリがなくなるとのこと。その程度の精度なのだから、思惑通りきっちり合わせてあるとは考えにくい。
つまり、前者、絞るとピントが来ているように見えるのは見かけだけ、と考えたほうがよさそう。ひょっとして落下のせいではなく、カメラもレンズも工場出荷時のまま、もともとこの程度だったのかもしれない。
どうするか。無視するのが最良の手だ。たぶんないと思うがもし支障が出た場合、修理できないか修理代を払いたくなければ、カメラのミラーボックス内の調整部分に6角レンチを突っ込んで回すとピント位置を調整できるらしい。レンズのほうはおそらく修理対応可能期間は終了しており、調整もしてくれるかどうか微妙。このキヤ*ノンという会社は、法定の補修用性能部品の最低保有期間が過ぎると、容赦なく修理不能で突き返すらしい。買い替え促進策とのことだ。超音波モーターには寿命があるそうで、いずれ故障すると、マニュアルでのフォーカシングすらできなくなるとか。レンズが一生モノだなんて昔の話。ここに限らず日本の大手カメラメーカーなど信用していないので、そういうものと思って使い捨てていくだけ。使わずにすむならなおいい。
あとは、EOS-1nでは無理だが、EOS Kiss X2で三脚使用なら、「カスタム機能」の「ライブビュー撮影時のAF」を「2:ライブモード」にすることにより、ライブビュー時にコントラストAFでフォーカシングできるので、ボディ側のAF精度もレンズとの相性も関係なく、光学的なフォーカス位置すら関係なく、最もシャープに結像した状態での撮影ができる。もっとも、開放状態でしかライブビューできないので、絞り込みによる焦点移動があったら無意味だけれど。
でも、実際にはたぶんf22くらいまで絞って回折による画像劣化バリバリの状態で撮影するだろうから、そんな微妙なピントのズレはほとんど影響しない予定。すっかり4x5になじんでしまって、おおざっぱな撮影スタイルで長いことやってきたので、厳密なピントなんて縁遠い。まだ「写真」から足を洗うには手遅れじゃない。