特許庁への納付書を持って朝出発。駅に向かう道すがら、書面に押印してなかったのを思い出す。しかし急ぐのでそのまま乗車。納付書の様式見本を見ると印とは書かれてない。そこで特許庁に問い合わせると、納付書に限っては印鑑不要とのこと。そりゃそうだ。金払うのにまで本人証明は必要なかろう。
特許庁に一回書面で出願すると、その時の印影が登録されて、次回以降書面での提出の際には同じ印鑑を押さないと本人とは認められなくなる。電子出願でない限りは、印鑑のみが本人証明の手段となる。だから、印鑑を忘れたからといって、そこらで適当な三文判を買って押して提出、ということはできない。元が三文判であっても。そこらの役所の形式的な押印とは重要度が違う。
でも、特許庁からの確認書類は書留で送られてきて、他人がなりすまして名義変更を申請したりしてもバレるんだから、この印鑑による本人確認は必要性が乏しい。かといって印鑑証明並の本人確認を要求するのならこれじゃ甘すぎ。いずれにしても中途半端で意味がないと思うんだがなあ。
霞が関の高層ビル内の郵便局で現金を引き出し、そのまま特許印紙を37,600円分買って納付書に貼付。特許庁内の売店で買ってもいいのだが、控えのコピーをとれるか定かでないので。それで同じビルに入ってるカメラ屋で納付書を10円コピー。リーマンの証明写真を撮影してて、しかも結果を画面上で選んでたりしてて待たされる。うわーこんな商売まだあったんだ。35mmタイプデジタル一眼レフ(でいいのか? もうさっぱりわからん)を三脚に乗っけてバイトっぽい若い女性が撮影してるが、自動証明写真撮影機より表情がよくなるのだろうか。かつて写真館主に聞いたところでは、証明写真ボックスはライティングがよくできてて、最新技術を投入した画像補正も完璧、生産性を考えると勝ち目ないとのことだった。撮影ブースの奥は見えなかったがたぶん1畳もなく、たいした照明機材があるとは思えない。とにかくあんな地代高そうな官庁街のビルで、この時代になお写真撮影業をやってるのは応援したくなる。
特許庁は出願の電子化を推進しており、電子出願率が約94%と謳っているが、納付ではいまだに銀行振込ができない。特許印紙を添付した納付書を書留で郵送するか直接持参しなければならない。しかも特許印紙を売っている郵便局は限られる。印紙を買うために遠出して書留で出すくらいなら、特許庁まで行っちゃったほうがてっとりばやい。口座引落もあるにはあるが、専用の口座を開設して承認を受けなければならず、弁理士でもない小規模事業者の卵にとっては現実的ではない。
きっとこれも、印紙販売関連の雇用や利権がからんでなくすになくせないとかそんなところだろう。
特許庁、持ち物検査され身分証を忘れたのでキャッシュカードを見せて一時入館証を交付されてゲートを通り、納付書を提出してコピーに受け取りの判を押してもらい、入館証を戻してゲートを出ようとしたら閉められ、荷物をあとから通せと言われてゲートを出る。所要時間10分足らず。受付が閑散としていて窓口がひとつしかなく、年配の女性が長々居座っている。特許庁1階の奥にコピーサービスがあって1枚30円とのこと。納得のぼったくり相場。そのやりとりを待ってたのが所要時間の半分以上。