乗車してから全紙の印画紙が残り少ないのを思い出し、戻ることも考えるが、どうにかなるだろうとそのままPLACEMへ。6枚しかない。半裁して1点あたり4枚。テストで追いこめば充分たりるはず。露出がわりあい揃っているので銀座。しかし。印画紙の箱に黒テープで目張りというのか遮光処理した箱はやはりかぶっていた。元箱の袋でかぶっていたのかもしれない。ベース上でははっきりと色には出ない低濃度のカブリも色調に微妙な変化を及ぼす。昔のコダックの多階調モノクロ印画紙みたいなものだ。結局紙切れ。だがそんなことはたいした問題ではない。
ここで焼きはじめてからずっと、色に妙な濁りがあるなとは思っていた。伸ばしレンズが汚れていたので拭いたらある程度は解消された。それでもまだ出る。ネガのせいだろうか。カメラの蛇腹の内面反射もあるし。しかしあまりに汚く、また黒く濁るのでおかしいと思い、今日ようやくレンズをはずしてみたら水滴が乾燥したような跡が残っている。前玉は拭いたのだが、後玉がそんなことになっているとは思いもせず今日に至るまで気づかなかったのだった。これをレンズペンでクリーニングしたところ見ちがえるようにクリアな印画。通常の絵柄で、4X5の打ち抜きネガキャリアを使って周辺光をカットしていればまずこんな問題は起こらないだろうが、今回はブローニーをマスクせずに4X5にかけており、画面周囲に高輝度の領域が幅広くある状態で、これであんなレンズの汚れがあれば盛大にフレアが出るのは必定。しかも空であったためにことさら目だってしまうのだった。これまでの5日に焼いたプリントは、ネガステージの開口部内でネガを置いた位置にもよるが、基本的にはすべてこのフレアで汚染されているわけだ。どうするのだ。焼き直すのか。間に合わない。今度こそ金返してほしい。もちろん今日まで気づかなかったのはこちらの落ち度でもあるし、誰もやっていない特殊なことをやっているわけで、通常ではとるに足りないような瑣事が問題化してしまったのであって、そんな使用法は想定されていないということになるかもしれない。しかしなあ。レンズくらい拭いておくものじゃないのか。つけっぱなしじゃホコリもたまるのは常識だろう。これが金とって貸すような機材の管理だろうか。