リンホフジナーアダプターボード到着。これでようやくジナーが使える。送料込で9,400円。状態は中古並程度。ボードの接触部分の表面加工がはげており、厳密には精度は怪しい。ジナー純正ではなく、さりとてジナー互換のホースマン製でもなく、ジナー純正ボードを他業者が加工した製品。前二社製ならリンホフボードに合わせてオフセットしてあるのでリンホフの#0と#1を装着した状態でセンターが出るのだが、これはセンターホールなのでカメラがニュートラルだとセンターより14mmフォールされた状態になる。高いとは思うが、ホースマン製が出品されたときすぐに入札せずに結局1回流してしまってまた出品されたら高値落札されたのが先月、次にいつ出るかわからないし、天候条件がいいこの時期にすぐカメラを使えるよう時間を買ったと考えることにする。
昼にはほぼ快晴。夕刻にはやや雲。ずいぶん久しぶりに解放された時間を持てたという気分。やはり青空の下が自分の場所だ。この15年ずっとそうだったし、10代のころもそうだった。f2は前後板を40°ほどスイングするとどうにかtamrac777カメラバッグに収まった。しかしモノレールが入りきらず外に露出しているし、どうにも収まりが悪い。レンズやアクセサリー類はすべて外側のポケットに放り込んであるので、重心が後方になり荷重バランスが悪いし、間仕切がないため機材どうしがむきだしでぶつかるのでいたむ。サイズを大きくすればいいということではなく、ソフトバッグでモノレールタイプのビューカメラを運ぶことにそもそも無理がある。今日は現物を当ててみるために暫定的にこれで運んだが、やはりレールに荷重がかかるかたちでなんらかのハードボックスに収納するしかないだろう。
原宿から国立代々木競技場へ。第二体育館は改装中。およそひとの手になる造形物について傑作などという評価をすることは滅多にないのだが、この建物は傑作なのだろうと思う。以前から青い空の写真や動画には懐かしさを感じていて、60年代から70年代の風景を思い起こすという個人的な事情だろうと了解していた。そこでは公園にあったタコのような遊具が空を背景にした風景のようなものを漠然と思い浮かべていたのだが、代々木競技場やNHK渋谷放送局も投影されているのかもしれない。今回の個展でも何かしらの懐かしさを覚えていて、私的な感慨と見なしていたのだが、あるひとから懐かく見えるという反応を得た。青空と、それを背景にした高い構造物が、希望を託され建てられた高度成長期の建築を思わせるからだというような、しかしもっと説得的な話だった。彼女は一世代上なのにそのような感慨を懐くということは、多少の共通了解に結びつくものなのかもしれない。いつも無歴史性を標榜してはいるが、歴史性から完全に独立することはできない。
代々木競技場はちょっとした高台になっているので、まわりをぐるっと眺めてみる。47mmをつけると画面の左と右とでイメージサークルの切れる位置が違う。もちろんスイングもシフトもセンター。イメージサークル境界の色ズレの出かたも違う。レンズのエレメントの偏芯かとも思うが、Ebonyで撮影したサークル中心付近のポジでは問題は認められなかったし、あらためて15倍ルーペで空中像を覗いてもなかなかシャープに見える。110mmに変えてみる。やはり左右で広がり幅が違う。レンズボードが左右に1、2mmぐらつくということもあるが、それよりもっと大きい。これはカメラのセンターが出ていないと見ていいだろう。レーザアライメントツールで調べることにする。水準器の精度は低い。だいたい前後の水準器が手の触れやすい位置にあり、さわるたびにどんどん狂っているような気もする。袋蛇腹は足りない局面が考えられる。47mmではそのまま使えるのでばらすには惜しい。やはり新しく作ろう。
東急ハンズ渋谷店に配線ダクトレール用の口金アダプタを返品。あとは借りているスポットライト12灯を返却すれば、個展の対外的な後処理は完了する。この店舗にはクーラーボックスがほとんどない。釣り用品もない。自転車以外のスポーツ関連用品では専門店と競合するつもりはないのだろう。袋蛇腹自作用の部材を物色。フレームとの接合部分のプラ部品については、型どりを考えたがコストと手間が見あわず、削るなり貼るなりしたほうが得策と判断しアクリルやABS樹脂で検討。