H-5.1F-3.3今日はいけるかと思ったんだが。
また光路追跡。合板とカッターとヤスリでは工作精度が低すぎて入念に設計しても反映しきれず、結局は文字通りカットしてトライしての繰りかえしでやらざるをえない。しかしテスト結果を帰納的に整理してその意味を理解するうえでも数値上の定式化は必要。すべてを直観的に理解できるならそのほうがよほど早いのだが、それだけの能力は残念ながら持ちあわせていない。アインシュタイン級の天才であれば、この程度のことはテストの必要さえなく事前に見通せてしまうのだろうか。だとすれば、対象の再現を旨とし再現された対象の意義でその価値が測られるような写真ならいざ知らず、対象の再現のされかた自体を問題にするこのような写真などわざわざやってみるにも及ばず、対象を見ただけで結果が予見できるのか。そうした人にとっては、つまるところ理論以外に為すに値するものはないであろう。凡人は地道に計算を積みあげて仮説を組みたて、愚直に実験と失敗を反復しながら仮説を検証していくしかない。これまで受けた教育で写真に役立っているのはなんと言っても物理と数学。あと中学の技術科、図工美術といった実技科目。それくらいのもの。これは身幅に合った道を選んできたということでもある。化学が得意だったら薬品の調合や古典印画法といった方面に展開したのだろうが、興味のないほうには進まなかったということだ。だから暗室作業も露光まではいいのだが、それ以降のウエットプロセスは進んでやりたいというほうではない。穴を貼ったりはがしたりしているうちついに裂けたのでまたつくるがバリだらけ。.3φ程度。
朝東にやや雲。昼前には特快晴。遠方の空の透明度もまずまず。
12時、飯田橋ガーデンエアタワーに西側から。EV15.6、1m、3m。13時前また都立工芸高校。EV15.7、90s。3mと90sは丸一年ホルダに詰めっぱなしだったネガ。水道橋クリエイトで月曜なので5.5時間。出版健保ロビーで昼寝。リーマン時代の少なからぬ時間をその上で過ごすことに投下したリクライニングチェア。御茶ノ水水道橋飯田橋と歩いて引取。去年開封したネガはかなりかぶっている。しかし開けたばかりのネガの内面反射によるカブリもかなり目につく。ネガをひと目見ればわかるヌケの悪さ。試しにネガをスキャンして反転してみるとシャドウ部にまったくしまりがない。余計な入射光が内部の仮どめテープで反射して悪影響をおよぼしているのかと思っていて、それならば内部に遮光板を配置するなり外部にフードをつければ遮断できるのだが、むしろフィルム面からの反射光が散乱しているらしい。これは基本的には防ぎようがない。現状の構造のままであれば内面反射対策を施し壁面でなるべく吸収させるようにして反射を減らすしかないが、それも限界があるだろうし、もっと箱全体を大きく作りなおすしかないかもしれない。それでも今あるこの暗箱に対してできるかぎりのことはやってみようと、底面に蛇腹状の溝を切る。20数年ぶりに彫刻刀を使おうかとも考えたが、刃が厚いため合板が割れる懸念もあるのでより薄いカッターで地味に刻む。あとは低反射布を隙間なくはりめぐらすくらいしか、この暗箱でできることはない。しかしネットで注文した低反射布がまだ来ない。こうして日々は無為に過ぎていく。