RicohCaplio G3をYahoo!オークションにて落札。オークション出品商品の撮影用。KodakDC-120ではもう限界。ビューファインダーの視差が大きくあてにならない、露出不安定、測光位置も不明、コンパクトフラッシュへの書き込みが遅く、容量が15MBしかないのでどうにか使える最高解像度だと18枚しか入らない、シリアル転送も遅くMacOSXは不対応、Kodakの独自フォーマットKDCに対応しているソフトがほとんどなく変換が面倒、色もシャープネスも悪く一点ずつ調整必須。ここまでは効率の悪さを我慢すればどうにかなる。分解能が低すぎて文字がろくに読めないのも耐えられる。しかし寄りがきかず小物類を大きく撮影できないのは現状ではいかんともしがたい。カメラを替えるかクローズアップレンズでも買うしかない。そこで近接撮影性能を最優先に考えてRicohにする。マクロでワイド側の最短撮影距離がなんと1cm。そこそこ写る。テレ側でも15cmまで寄れる。レンズの上に窓が3つあり、ビューファインダーとフラッシュにはさまれている窓が測光か測距か兼用かと思ったのだが、ここを塞ぎながらでも撮影できるので、ライブビュー画像から露出を判断し、同時にコントラストを検出してピントを合わせているのだろう。シンクロソケットがなく外部ストロボやリングフラッシュはつなげないが、てきとーなライティングで手軽に近接撮影をするにはたいへん便利。現状手持ちの写真撮影用レンズは20本、うちマクロレンズおよび製版用アポレンズが9本。引き伸ばしレンズも含めると25本中14本となる。こんな人はあんまりいないと思うが、またマクロ狙いで買ってしまった。もっともそれらのレンズのうち4、5本を売り飛ばすためにこのカメラを買ったわけだが。写真そのものが目的であるような写真にかける手間は厭わないが、オークション用の画像なんぞにいちいち手間暇かけていられない。省力化してなすべきことにあてる時間を作る、そのために購入したわけだ。
結局、省力化とコストがデジタルカメラを買った理由である。他人はどうだか知らないが。webに上げたかったりレタッチしたければフィルムカメラにスキャナでもこと足りる。その労力とフィルム代や現像代が惜しいから買う。それだけのこと。
でも、オークション写真以外の目的で使ってみたら、何か発見があるかもしれない。もともとフィルムのコンパクトカメラもまったく必要としなかったのだから、体力がある間はそうそう変わらないような気もするけれど。DC-120を外に持ちだすなど考えもしなかったが、これなら気軽に携行できる。4X5フィルムホルダ並。
説明書はないが一通りの操作はすぐに把握。SDカードも付属しないので、もらったものの最近はほとんど使っていないpalmから16MBのSDを引っこ抜いて差す。640X480で90枚。DC-120と違ってこのサイズのままで実用になるので、これだけ撮れれば充分。SDと8MBの内蔵メモリで合計24MBになるのかと思っていたらそうはいかず、SDを差すと内蔵メモリが眠ってしまうのは不満。SDが一杯になったら抜けばいいわけだが。カードリーダなど持っていないのでUSBでつなぐことにし、ダ*イソーにminiUSBケーブルがあったので買いに行くも4接点のみで5接点のmini-Bはなし。中野のダ*イソーまで歩くがない。フジヤにこれのメモ機能つきとかいう中古が15,000円くらいで出ていた。約3倍。新宿までさらに歩きがてら、カメラの動作チェックも兼ねて何か撮ってみようとも思うのだが、天気が悪いせいもあろうがまったく撮影する気が起こらない。構えるのさえ億劫。なんというか現に目の前に見えているのに、あえてわざわざ画像化する必要を感じない。液晶画面を見ながら歩くというのも思いついたのでやってみるがたちまち飽きる。ビューファインダーは小さくアイポイントが低くて覗きづらく、周辺部に色ズレが出ており樽型の歪みもあり、まったく無用の長物。ズームに連動しているのでただの逆ガリレオファインダーではなくある程度コストをかけてあるようだが、夜景か動体撮影時、あとは電源off時にちょっと覗きたいときくらいしか必要な局面が思い浮かばず、わざわざつけるほどのものか疑問。しかし街中をスナップする意欲がさっぱり湧かないのはファインダーのせいだけではあるまい。スナップショットは「写真の王道」なのだそうだが、ワタクシごときにゃ王道なんて畏れ多くてできやしませんて。最近はその禁を解いて35mmの手持ち撮影もやるようになったものの、邪道とのそしりを真っ先に喰らうような代物。
もともと枚数を撮らない、というよりまず、撮影目的で出かけていながらカメラをとりだすことのきわめて少ない人間にとっては、フィルムカメラデジタルカメラもあまり違いはない。35mmフィルムカメラとコンパクトデジタルカメラの差よりも、35mmカメラと4X5判ビューカメラの差のほうがはるかに大きい。小型カメラとビューカメラの差には機能や撮影スタイルや撮影に要する時間の違いもあるが、装備の量、端的に言うなら移動中に肩にかかる荷重の差、撮影中の大半の時間を歩いて過ごす人間にとってはなんといってもこれがいちばん影響する。それらの差のほうが、アナログとデジタルでの後工程の差よりもずっと大きい。カメラがデジタルかアナログかというのは写真撮影のうえではたいした問題だとは思えない。しかし写真というメディウムを考えるためには、少しばかり検討しておいてもいい問題かもしれない。
意地でも安く上げようと、ヨ*ドバシ、ビ*ック、ソフマ*ップと探し、結局さくらやで1.8m714円のminiUSBケーブル購入。さく*らやポイントが期限間近だったのでちょうどよかった。同型機中古が12,000円前後。ゴミ箱から拾ったという第4世代ipodの本体だけをもらったので、ついでにヨドバシに戻ってFireWireのシンクロチャージアダプター1,280円。しかし音量が小さい。捨てられてただけのことはある。
帰ってきて画像を見ると画素欠けが数カ所。結構目立つ。USBケーブルにつなぎっぱなしで、撮ったはしからパソコンに転送という図を考えていたのだが、接続中は撮影ができず、いちいちケーブルを抜く必要がある。これは誤算だった。サイズは長辺が2048、1280、640、前二者についてはファインとノーマルの2種の画質、計5種類の画像モードから選択できるが、画質というのはJPEGの圧縮率の違いなのだろうか。これ以外に圧縮率のオプションはない。測光はマルチと中央とスポット。スポット精度は期待できないが立派。シャープネスはシャープと標準とソフト。あまり変わらないように見え、ソフトでもシャープネスはかかっていて解除はできない模様。ホワイトバランスはオートだと青カブリすることがあるのでデイライトが基本らしい。商品撮影ならマニュアルで一度セットすればそのまま使えるだろう。それも含め焦点距離以外のほとんどの設定が電源再投入後も復帰せず再現されるのは助かる。これだけいろいろついているのに長秒時以外のマニュアル露出ができない。マニュアルフォーカスまでできるというのに。「SCENE」の選択項目から「遠景」や開放よりの「ポートレート」などいくつかのモードから絞りとシャッタースピードアルゴリズムを大まかに選べるだけ。外部測光素子がなく露出表示ができないためだろうか。また、ヒストグラム表示ができない。ヒストグラムを出せると露出計がわりになって輝度差もすぐわかるので便利らしく、買うときはヒストグラム機能つきにしようと思っていたのだが、うっかり忘れていた。でもよく考えたらネガしか使わないし露出もいい加減だしやってることが変すぎて役に立つとは思えないしで別になくてもいいとの結論。