早朝快晴。6時前に出発。台場の何とか王の工事があと20日ではじまるので、入梅前に行かないとフジテ*レビの撮影はできなくなってしまう。そこで日曜で催しをやっている可能性もあるが早朝に行くことにする。5回目。幸運にも何もやっていない。しかし西に巻積雲。とにかくやっておこうとセッティングするうちに消える。さすがに日曜の7時には人通りも少ない。風があるので2段だけ伸ばし、中腰になって覗くがやりづらい。ストーンバッグにはやはり近場の水道で水を入れ3kg分。風が吹くと揺れ、かえって振幅が大きくなっているようだが、微振動は少ないのではないか。風で揺れないようにメッシュになっているのもあるらしいが、効果はいかほどやら。このストーンバッグ、よく見ると金具部分でベルクロから脱着できるようになっており、ベルクロを三脚に残したまま手早くとりはずせる。ベルクロも充分な長さがあり、全部を重ねてしっかり巻けばちょっとやそっとでは剥がれそうもない。それに周囲に壁がつけてあり、ただくぼみがつけてあるだけのGitzo製よりもたくさんの重しを乗せられる。これは値段の数倍の価値があるいい買い物だった。
8時頃EV15.5、1m。また覆い露光をやってみる。壁面が広く太陽光を反射しているさまは建築写真でたまに見かけるもので、あのジャンルにはよくある技法なのかもしれず、それをまねてもしょうがないのだが、ちょっとやってみてもいい。ただ、この建物は球体がまさしく目玉なのだろうが、この時期の朝では球に光があたらず沈んでしまうのが残念。10時過ぎには目玉にキャッチライトが入る予定。左前に移動しさらに1枚。水平が出ているという確証がつかめず、また左右の空きがそろわずああでもないこうでもないといじりまくる。誰にも邪魔されず、日が傾くまで時間はたっぷりあり、気になるのは雲と風だけ。こうしてゆったりと迷っていられるのはたいへん気分がいい。などと思いながら、9時半頃雲がかかってきたので一式そのままにしてコンビニに行っている間に守衛の制服の二人組がうろうろしているではないか。荷物は置いてきたし追い出されるまで続けようと、何食わぬ顔で戻って大急ぎで1枚。ところが近づいてきてもゴミを拾っているだけで、つまみだされそうな気配はない。駐車場になるらしく、詰め所で車の対応をしており、放置してもらえてるのかもしれない。そうなるとじっくりやりたくなってくる。やはり中央より右側に行くのが正しかったとあちこち場所を変えて長々調整していたら、自転車が近づいてくる気配。年配の守衛にやんわりと追い出される。こんなことなら。しかし雲も消えないのでどのみち無理とあきらめ路上で昼寝。
西側は雲も消えたので11時頃テレコ*ムセンター、EV15.7、1m。覆い露光。水平出しのコツが多少わかってきたものの依然不安。何度も行っては失敗する手間と時間を考えるなら、ポラホルダを買ってポラで確認することを考えたほうがいいのかもしれない。モノクロならさほど高くはないし。ポラホルダがあればクイックロードも使えてホコリも減らせる。ただ、ポラホルダの抜き差しで角度が狂うことも考えられるので、まず箱の固定がしっかりできるようにしなければならない。テレコ*ムセンター内はほとんど都の研修施設。たまに新興ネット企業。展望室の案内が随所にあるが料金が書いてないので無料かと思い最上階まであがってみたら、ここまで来てはじめて大人600円の表示を突きつけられる。こんな調子だから丸ごと破綻するのだ。株式会社となってるが実際は都の丸抱えで、役人根性でやってるのだろう。当然客などいそうもない。入っているテナントの飲食店も、昼だというのにガラ空き。どうやら台場で唯一らしい郵便局のATMも休み。
帰りしなフジを恨めしく眺めるも、目玉にアイライトは入っているのだが全体が平板に見え、光の効果は早朝のほうがいい。と思うことにする。でもまた失敗かも。うまくいったという手応えがかけらも得られないのがこの箱の弱点だが、信頼性なんてものが必要なのは商売用カメラだけでいい。この梅雨前に朝から晴れていたら迷わずまた行くのだが。
まだ日は高く雲もない。早起きすると一日が長い。新木場から東京辰巳国際水泳場へ。2003年秋、612の初期にEbonyでやっていたころに2回行って以来。その後新木場近辺には何度も行ったのに、ここを忘れていた。しかし前回は煙突しか見ておらず、全体ははじめて見るに等しい。東側は京葉線から見ているが、正面はほとんど記憶にない。ここは造形としてはこみいったつくりなのだが、地上からでは全体が把握しきれず、広さのわりに背が低いこともあっておもしろさがわかりづらい。埼京線でも厳しい。モックアップや図面で、あるいは理念として眺めるべき建築か。なので写真にもなりにくいのだろうか。よく見える二階からでは寄りすぎで特徴がわからないので地上に降り、金網を乗りこえて空き地で店開き。石があるので水に追加してみる。ストーンバッグ本来の用法。推定5.5kg。風も弱まってきたため3段まで伸ばしても振動は抑えこまれている、ような気がする。14時過ぎ、ほぼ完全な順光。EV15.5、1m。下部が緑でむしろ飛ばしたいので覆い露光なし。あまりうまくいきそうもないし1枚で充分。
まだ日があるので新木場を越えて東京スポーツ文化館夢の島熱帯植物館へ。行きすぎて湾岸線を渡れず先で渡ってから戻ると、入場無料の公園なのに2mほどもある金網で囲ってある。これを2回越えて侵入。こればっかり。入館時間を過ぎて入れない。がここはいいんじゃないか。アンリ・ルソーのレプリカがあった気がする。91年にここでNikonで撮影した熱帯植物の葉を印画紙でソラリゼーションし、まもなく製造中止になった中外写真薬品のエルレインボーというCMY色素で自由な色を出せる調色剤で2色に調色して翌年の年賀状にしたのだった。やってることは変わらないというべきか、ずいぶん進歩したというべきか。第五福竜丸展示館は見のがす。帰りも金網越え。
さらに東へ。東京臨海病院は開いた本に柱をはさんだ格好で、よく見てもいいかも。東京都下水道サービス葛西の南、荒川湾岸橋のたもとのセメントサイロ様のタンク3本はいずれ。しかし橋を大型車が通るたびに揺れるので厳しいか。葛西臨海公園へ。行っているはずだが、クリスタルなんとかいうガラスの箱形建築はまったく記憶にない。きっと地面ばかり見ていたのだろう。葛西臨海水族園は覚えている。入って屋上にあがらないとドームは覗けない。球体ではなくフットボールを二つに割った形状。撮影許可は必須で、たぶんとりやすいだろうが、そこまでするほどのものか。駅から帰投。もうくたくた。