午後からほぼ快晴。透明度は低いが長いことおあずけ食らっていたので賃労働をやっつけ午後から。しばらくぶりでさいたま新都心を見てみたくなったが、埼京線が止まっていたので鶴見線をめざし京浜東北に乗ったら前々からうっすら気にかかっていた川崎西口の再開発が進んでいてここだと下車。川崎は赤羽と並んで去年の個展に2セット出したホットスポット。2年半前はずいぶん来た場所だ。報われなかったが。去年の個展でもっとも痛感させられたのは、自分の写真になど世間のほとんど誰も関心をもってはいないということだった。まさしく「痛」感だった。いやそんなのは今さらあらためて確認するほどのことでもないのだが、それにしても唖然とするほど観客が少なく、撮影もプリントも可能な限りのことはおこない、ある程度期するものがあっただけに落胆も大きかった。これまでの6回の個展のなかでもとりわけこたえた。展示という形態で提示する者にとって、見に来ないということは、人がその展示に対して与えうるもっとも強いネガティヴな評価である。どれほどこきおろされたにせよ、わざわざ時間を割き交通費を負担して見に来てもらえたのであれば、そのこと自体がなんらかの関心の表明であるから、これほどの不遜な人間であっても感謝の念を抱く。かつて奈良原一高の個展会場で本人と少し話したとき、帰り際に「ありがとう」と言われ、むしろ自分のような若輩者が相手していただいたのに大家からそのような言葉をかけられ戸惑ったことがある。話したことに対してではなく、どこか遠い会場だったそこまで見に行ったことに対しての言葉だったのだと、展示をするようになって考えるにいたった。展示で期待するのはとにかくまず見てもらうということだ。われわれにとって見てもらえない展示ほどつらいものはない。人にはそれぞれ事情はあるのだろうが、見に来ないというのはそれだけのことでしかなかったと判断せざるをえない。期間が終わってしまえばそれまで。あとはどうしようもない。展示とはそうしたものだ。それでも展示をしていくしかない。必ずしも進んでやりたいというわけでもないのだが、かろうじて社会との接点を保つためには、これ以外に手段がないのだ。それはともかく。川崎も赤羽も古くからある大きな駅で庶民的な店が多く好きな街。精悍で日に焼けた、いや酒焼けかもしれんが、働く男の顔をした関東労務層が多い。駅前でぼーっとしてたらそうした一人に「ひまか」と声をかけられ、「ちょっと休んでるとこ」と答えたら、そうか、という表情で背を向けられる。手配師か。まあ誰が見ても真っ当な勤め人ではなかろうて。
SW150で一度断念したものの、川崎を通るたびに気になっていたソリッドス*クエア。スクエアかどうかは疑問の余地があるもののソリッドなのは確か。展開すると悪くない。通りしなに何度も見てきたはずなのになぜこれまでやらなかったか不思議。15時だと左からのクロスライトで、これもこれで悪くないが正午頃がたぶん最良。巻層雲が薄く出ていて、風もあり重し用のPETを調達できなかったので見送るが、ここは筋向かいの角が建設中なので早めにおさえておくべき。透明度が上がってきて日ざしも鋭くなってくる。
これも以前から遠目に見ていたドコ*モ3塔ビルへ、線路をはさんで西側から。これもまずまず。しかし近すぎ。いい場所がない。もう少し早ければ、とも思うが今のうちに、と思ったほうがよい。この辺一体が再開発中なので早くすまさないと。東口の対向マンションはオートロックでまず無理。扇島まで歩いていこうと思ったがちょっと時間が足りず引き返し帰投。