次世代写真器を三脚に固定するための方策を思案。つかむものは万力でもなんでもいいのだが、三脚ないし雲台とインターフェイスが確保されている固定具となると限定される。所詮1/4とか3/8のUNFネジなんぞというのはカメラ業界のみで通用するマイナーな規格であって、ホームセンターあたりで流通している商品との互換性は乏しい。少なくとも日本ではそうだ。メートルネジなどに統一せずインチ規格を踏襲してきたのは、いったん流布した規格は途中で変更しにくいASCII配列キーボードのようにということもむろんあろうが、他業界からの参入を阻止して高価格を維持するために機材メーカーが設定した業界固有の障壁ではないかとも思える。
そんなことはともかく、現実にどうにかしなければならない。ManfrottoのSuperClipを使うのが、強度や汎用性から考えても妥当。ものをつかんで、三脚穴で雲台に固定できる製品となると、他にはKenkoのクリップくらいしか代替品はない。しかしこちらは5cm以上の幅のものはグリップできない。ManfrottoのSuperClipはスタジオ用品であり、強度も耐久性も申し分ない。しかしヨドバシで5,500円。ゴミくず同然の写真器を固定するだけの部材のためにそんなに払って新品をあつらえるなんぞばかばかしい。
そこでヤフオクで探すわけだが、中古で2個一組8,000円台で落札されている。2個もいらないし中古でそれは高すぎ。大判機材と違って、スタジオで常時必要とされているものなので値崩れしないのだろう。沖縄から5,200円とかで新品を出品している奴がいるが、買う人間がいるのだろうか。送料で1,000円近くかかるわけで、通販でもヨドバシあたりのほうが安いと思うのだが。
いろいろ吟味。結果、別に万力型の締めつけ機構がなくても、単純なバネ式の事務用クリップのでかいもので充分なのではとの結論に達する。これを三脚に固定できるかどうかが問題で、クリップの穴に雲台側の小ネジを通してグリグリと固定するためのネジ受け穴があればいい。店員にも訊いてEtsumiの「止ネジ(短)」で解決できると判明。商品のラベルには「工夫しだいでいろいろな用途に」とある。こんなこと書かれて使わずにどうする。われわれのためにあるような部材ではないか。メーカー希望小売価格250円、ヨドバシで189円の10%還元。クリップも430円でごついのがあったのだが、クリップなんぞ事務用なら百均にいくらでもありそうなのでヨドでは買わずに他もあたってみることに。
「最高のものしか使わない」と語る写真家がいた。その手合いはいくらでもいる。そっち方面はなみいる大先生がたに任せっきりでよい。第一その線で争っても勝ち目はない。だが、最安のものでどうやりくりするかとなればこちとら年季が入っている。ちょっとやそっとでは負ける気がしない。