朝より特快晴。昨日ほどのヌケはない。しかし起きられん。毎日二毛作はきつい。無理があったか。でも今日は昼前に着けばいい。で11時前にまた浅*草寺。白色人種のおばちゃんが楽しげに常香炉の煙を浴びている。日本のおばちゃんと変わりない。母子地蔵尊がファンキー。人面疽よろしく幼児の顔が肩や足からにょきにょき生えている、ってすみません不謹慎でした。一路影*向堂へ。南中前には右手側の鴟尾の反射のほうが強い。セッティングしてたら清掃員みたいな人に許可はとったかと言われる。湯島天神も撮影許可とかいう雰囲気じゃないし、別法人らしい浅草神社もおおらか、ここもそんな小うるさいこと言わなさそうだしだいたい広くてどこに行けばいいのかもわからないのでほっといたのだった。時間もなかったし、実のところ忘れていた。「私らが怒られるから」というので申し訳ないけどもう店開きしてポラも切っちゃったので今さらたたむわけにもと思っていたら、ほどなくして高校生の制服でもあんなのはないだろうという今どき見かけない安っぽい「背広」を着用した、絵に描いたような「係員」がからんできて、こりゃさっきのが上にちくったに違いない。道の真ん中なので分が悪い。とにかく謝っとけとすみません連発し、すぐ終わりますからと追っ払おうとするが、「趣味なら謝らなくても別にいいんだけどね」とかいいながらもつきまとってくる。ところがちょうどこいつがからんできたのがポラの現像待ちのタイミングだったのだ。ここで開けたら見せざるをえず面倒になると思って18℃60sの現像時間を大幅に超過。やっと失せてから開いたらきちんと像が出ていた。しかしお堂の前で似たようなのとながなが立ち話している。嫌がらせか。警戒しているのか。よっぽど暇なのか。全部だろう。あんたが邪魔してるから撮影できなくて長居せざるをえなくなってるんだけどね。浅*草寺には好感を持っていたのだが、こんな小役人まがいのを飼ってるようではやはり既得権益にあぐらをかいた欲ボケ仏教かとがっかり。
そこで影*向堂なんだが、構えてみるとあんまりおもしろくない。屋根の鴟尾は光ってるのだが西新井大師八角大師堂の擬宝珠のようにはいかない。あれほどうまくはいかないだろうと思いながらも続行。それにしても水平が出ない。ポラの平面性の悪さで同じ位置でも傾き方向が変わる。ポラも当てにならず、ピントグラスでは見えず、水準器ではy軸方向を軸とした傾きは出せてもz軸方向は無理で、いずれにしても頼りにならず、ではあてずっぽうしかない。もっとも水準器は昨日落としたら逆に狂ったらしくひっくり返しても前ほど差が出なくなった。あてずっぽうで160VCで1、2枚露光してから、太陽が正面に来るのを待つ。待つと動かないもの。その間ポラをかぶらせたり。お堂に座っている老人に、写っちゃうからと動いてもらう。こんなのはじめて。声をかけた瞬間はいぶかしげな表情だったが、すんなり動いてくれた。国立天文台発表の本日の南中時は11時32分だが、とっくに過ぎているのに正面に来ない。やや西向きということだ。太陽が正面の軸上から微妙に傾いているだけで左右の鴟尾の反射の度合が違うのだ。影*向堂とはいいながらも光照に対峙している。だが太陽が正面に位置すること、正しくは太陽は背後にあり、太陽と建物の中心と写真器が直線上に並ぶこと、の指標となるのは光ではなく影。三脚の影。なかなか影が動かず、ここでまた邪魔が入ったらどうしよう、ここまでやって撮影が続行できなくなったらと怯え、今のうちにやっちゃっておいたほうがいいんじゃないかとの小心の囁きと戦いながらとにかく待つ。55分頃になってようやくほぼセンターに。ここでPRO160NCカットフィルム、QLNCを1枚かぶらせて1枚たてつづけに。フレーム調整してもう一枚、と思ったら客がとぎれなくなる。ずっと待って5分以上たってしまい、今度は左手側の鴟尾の反射が強くなる。ともかく露光。本日すべて50s。ポラは4枚、フィルム5枚。あとで見ると、これ以上お堂に近づくと反射の輝度が下がり、離れると建物が小さくなりすぎてしまう、絶妙の位置に写真器を置いていたのだった。さすがにこれだけやっていると、無造作に置いただけでも相応の条件を満たした場所を選べるようになってきたようだ。まったく意識していないのだが。12時10分頃撤退。影*向堂で合掌。様式の異なる仏像が並んでいて、よく見るとおもしろそう。本堂にもお参り。このごろ五円玉を使わずためこんでいるのでごえんが潤沢にある。明日は起きられるのか。