早朝東から西にかけ遠く雲。でもせっかく早起きしたんだから行かない手はない。香取*神宮と鹿島*神宮の一網打尽ルート。どちらも武道の神様らしいのでほぼ無縁。当時の朝廷に従わなかった勢力を武力制圧して忠誠を示した一味の頭目がその地の統治者として取り立てられたという程度のことだろう。今となっては不便な場所だが、かつては利根川という交通の大動脈上の要所にあって栄えた様子。地図で見ると鹿島*神宮は西向きで香取*神宮は南向きなので香取*神宮から。6時発表のLivedoor天気予報では一日晴れだが、千葉の予報を見なかったことにパソコンのシステム終了を選択した途端に気づく。よくあること。まあいい。そういえば千葉ポートタワーライブカメラはすっかりご臨終。
7時に出て錦糸町で乗り換える頃には雲が広がっている。ここまで来たのだからと行くことに。船橋を通る時双塔を見たらアンテナがない。あそこも終わりか。以前通った時には変わりなかったはずだが、夏だったか。2005年の個展はここと赤羽の塔に尽きていたと今では思う。いずれもネガは去年水没。どちらも当初から再撮影するはずだったのだが、150mmクラスのスーパーワイドのレンズが入手できないことにはどうしようもない。そうして、もうここはたぶん無理だろう。10時過ぎ香取着。無人駅。一面雲。瓦屋根の一軒家が多い。日本全体では今でも珍しくないのかもしれないが、都内にいると奇異に映る。利根川に出てから南へ。
香取*神宮の門前町は数件程度だが、参道が長い。さすがにこのへんは土地の使い方が都内とは違う。楼門はこの時間でも左からの光だが木の影がかかっている。これなら氷川神社でいいか。奥には標縄を円にしたものが拝殿の正面に立ててある。中西夏之かと思った。はじめて見た、との声が聞こえる。でも金払ってくぐるとか書いてあるので脇を通る。拝殿は茅葺き屋根のたいへん風情のある建物。菊の紋がある。撮影しようかと迷うが、かたちとしてはうまくいきそうもなく、左右の木が入りこんでいて影もかかる。北の空は晴れ間ものぞくが日照が不安定。輪っかの前に構えたらつまみだされそう。さんざ迷ったあげく見合わせる。本殿の裏まで回りこめる。このクラスでは珍しい。うしろ中央でひときわ高いのが神木か。本殿の裏にも賽銭箱。さらに奥には廃墟のような茶屋。でも人がいる。どちらさまも遠慮なくお上がりくださいというので屋根に上がる。遠くが見晴らせるが特にどうということもない。別宮は伊勢神宮遷宮時の廃材。香取駅まで歩いて戻るつもりで進み出すが、駅回りに何もなく、食事もできず、発車まで待つようだとつらいと考えているうちに佐原行きのバスが来たので搭乗。佐原は降りたことがないので一度行ってみてもいい。電車から見ると河がコンクリでなく石で護岸してあって、町並全体に風情がある。途中に観音像とかの石彫りがたくさん置いてあって気になるが降りられない。地方の鉄道によくあるが、ここも町のはずれに駅をつくったようで中心街から離れている。チェーンのパン屋くらいしかない。コンビニすらない。物産館みたいなのがあって、ひょっとしてあれが知り合いの父君がつくったという町おこし施設なのだろうか。食事するがなんともわびしい雰囲気。佐原は醤油で有名だと思っていたのだが、置いてある醤油は香川産。もう地元に醤油屋はないという。佐原市もすでにないのだった。ここは香取市
利根川霞ヶ浦を渡って茨城県。この橋はいい。鹿島*神宮駅には2004年10月7日に来ている。35mmでやっていた頃。また来るとは思わなかった。しかも駅名になっている神宮を見るためとは。35mmも持参している。香取*神宮とはうってかわって参道が短い。重文だかの楼門はすすけている。門にかかっている鹿島*神宮と書かれた銘板が香取*神宮の楼門にあったのとそっくり。楼門も似ている。門の中には弓矢とか持った公家風の人。しかしこの手のはだいたいどこも話にならない。仁王像とは次元が違う。見ると日展審査員の作とのこと。さもありなん。裏には狛犬。木彫りなので屋根つき。すぐに本宮。ここも茅葺き。拝殿の前に鳥居。ここは撮影する気も起こらない。紫ののれんみたいなのも下がっている。本殿の裏側には回れない。本殿は拝殿より装飾的で色鮮やか。本殿には糸すだれのようなものが張り巡らしてある。瀟洒な鳥よけだろうか。全体に、香取*神宮よりつくりが劣って見える。鹿島*神宮のほうが格上らしいのだが。森は霊気がありそうで悪くない。鹿が檻に囲われてきゅうきゅうとしきりに啼いている。その脇に「さざれ石」なるものが祀ってある。小石が溶けた石灰石で凝結したものというのだが、それ違うだろう。いわゆるさざれ石とはくっつく前の小石のはず。あれは巌のほうだ。件の元歌からはそうとしかとれない。国語オンチですか。近くに伊勢神社というのもある。護国院というのがあるので行ってみる。途中にまたも石彫りの観音がたくさんある。石材店の宣伝らしく、佐原店もあるようなのでさっきのはそれか。大理石の七福神もあるが、遠目にもこりゃだめだとわかる。やるなら恵比寿か。でも東向きでどのみち厳しい。護国院は護国寺とも護国神社とも関係ない。ただもとは鹿島*神宮ゆかりの寺だったらしい。現在はなんということもないありふれた寺。
14時40分、佐原行きと鹿島*臨海*鉄道*大洗*鹿島**水戸行きが両方止まっており、佐原行きが直前に出てしまったので鹿島*臨海*鉄道に乗る。途中からワンマン。適当なところで降りて引き返すつもりが降りられず、この際終点まで行くことにする。平凡な田畑のつづく風景。臨海*鉄道とあるので臨海工業地帯を走るのかと思っていたら、高架を走るのに海なんぞ見えやしない。寝ていた時に見えたのだろうか。そういえばサッカースタジアム近くから見た限りでは、工業地帯は南だけで北にはなかったっけ、と乗ってから思い出す。霞ヶ浦の北側はちょっとよかった。2時間乗って水戸から常磐線。終点ホームは向かいが特急で出口に改札あり。もう乗ることはなかろう。水戸側からならともかく。鹿島から乗る必要はまるでない。
19時過ぎ中野に着き、島忠でゴムロール用の接着剤を物色。ボンドG17でよさそうだが、天然ゴムかどうかわからないので確証がない。しかしスーパーX使うほどでもない。スーパーXはしばらく見ないうちに進化していて、スーパーX2やらスーパーXGやらなんだかいろいろ増えている。透明だったり即乾だったり。もう独走。パチもんもあるけど寄せつけない。三脚パーン棒に残っているスーパーXの接着力が強くてはがせない。強すぎるのも考えものか。液状のゴムというのを見つける。塗るとゴムをコーティングしたようになるらしい。水性なので薄くもできる。これは使えそうだ。