日東にてLPL4x5伸ばし機用のガラスキャリア中古を2,500円にて購入。LPL製品は去年11月に価格改定があり、定価10,000だか12,000円だったのが現在は14,700円になっている。元箱とビニール袋入り、ややスレはあるがほとんど使われていない様子。ガラスもきれい。もともと日東で2001年頃7453中古を10万で買ったとき、同じキャリアがついてきたのだった。2004年の個展のモノクロプリントはそれで露光。でも、フィルムの上側がアンチニュートンガラスで下側が通常の光学ガラスのため、カラーネガだと膜面側でニュートンリングが発生してしまう。そこで2005年のグループ展と個展のために上下ともアンチニュートンガラスにすべく、中古のフジのキャリアを改造したが、ガラスを切ろうとして傷を入れてしてしまい、その年使っただけでつくりなおさざるをえなくなった。純正のガラスキャリアのどちらかのガラスも外しておいたら割ってつぶしてしまった。結局アルミ板でフレームごとつくって新しいガラスを切らずにはめたのが今使っているもの。しかし膜面の下側がアンチニュートンガラスだと結像に影響が出る。モノクロでは下は通常のガラスにしたい。35mmのプリントをどうするか考えていたところだったのでちょうどよかった。替えのガラスを新品で買うよりも安い。しかしこれでは4x5を黒フチつきでは焼けない。6x12どまり。モノクロの4x5プリントのためにより大きな光学ガラスを確保する必要があるのだが、そこらのジャンクのフラットベッドスキャナからとろうとしてもキズがあったりでなかなかいいものがない。
実はモノクロネガでも板ガラスを使えばニュートンリングは発生しているのである。光にかざせばわかる。肉厚の乳剤のフィルムを使い、細かく入り組んでいてなおかつコントラストが高い絵柄であれば、膜面の凹凸が干渉縞をキャンセルして出にくくなるかもしれないが、雲のない空であれば出ると思って間違いない。ただ色がないのでプリントにはさほど影響しないというだけ。でも仔細に観察すれば、レギュラー感色性の印画紙であればニュートンリングの青の部分はそのまま透過されるが、黄の部分は透過率が下がり薄くなって、年輪状に濃度が変化しているはずだ。またオルソ特性の多階調紙なら高コントラスト乳剤層と低コントラスト乳剤層にそれぞれ反応し、同心円状にコントラストが変化して見えるに違いない。一般の条件ではそれほど極端な影響はないだろうが、かなり高コントラストなモノクロプリントでニュートンリングが出ているのを見た記憶がある。ついでながら、アンチニュートンガラスはDurstのが知る限り写真用としては最高の品質だが、もう製造しておらずシイベルの在庫も欠番が多い。しかもべらぼうに高い。LPLでもわけてくれるがえらくでかい。それに両面がアンチニュートン加工なので拡散率が大きい。アンチニュートンガラスというよりナングレアガラスなのではないか。フィルム上面なら問題ないが下側に置くのは影響が大きいかもしれない。アンチニュートンの検索から来るお客さんが多いので情報提供をば。
それにしてもLPLの値上げ幅は大きい。予備のランプやレンズボードを買っとくんだった。たかがハロゲンランプ1個が実売6,000円もする。ネガキャリアは35mmとガラスキャリアがあればあとはいらない。
フジヤのRB電動バックは一部不完全な個体を除ききれいになくなっていた。そのうちヤフオクに出るのだろう。
この1、2年、中古もヤフオクもずっと不漁。大判製品も暗室用品もおもしろい品が出ない。もう出つくしたのか、みな中国に買われていったのか。ebayならときどき出物があるけど、アメリカ人が使ったビューカメラや暗室用品を彼らに梱包させて海を渡らせるなんてとてもとても。
この冬はカキーンと晴れわたる日が少なすぎる。秋からずっとこう。気温も下がらないがこれはここ数年の傾向。