カメラバッグ購入。昨日フジヤに出ているのを見つけたFoxfireのフォトレック40チャコール中古。AB-ランク9,800円。フジヤで値切るのは至難。国内のアウトドアメーカーがつくったトレッキング用途の大容量カメラバックパック。2004年2月発売で一つ前の型。定価30,450円。フジヤに新品も並んでいて23,800円。公称40リットルだがそれは外容積のようで、内容積は32リットル。それでも1槽式洗濯機を背負ってるようなもの。自重3.5kg程度。しっかりしている分重い。色はほぼ黒に近い。両脇に小型三脚がつけられるようになっているがこんなのはわれわれには無用の長物。他のいらないバンドもざくざく切っちゃえば少しは軽くなるだろうか。
状態はややスレがあるもののさほど使っていない様子。ベルクロつきの中仕切りの緩衝材が足りないとのことで安くなっているのだが、長い鏡筒の交換レンズを何本も収納するわけではないのでそんなものは必要としない。でも新品とくらべてみるとむしろ多い。謎。ヤフオクでは1万円台半ばで落札されているのでまあ買いと判断
装備が重くなってくるとショルダータイプのカメラバッグでは徒歩での移動に限界がある。キャスターつきのカーゴという手もあるが、機材も傷むし、空港内などの整地されたところだけを歩き、あとは車移動というのならともかく、段差と凹凸だらけの街中を円滑に転がせるものではないらしい。そういうわけで4x5以上で徒歩ならバックパックしかない。Sinarなどのモノレール型ビューカメラを徒歩で使いたかったらボックス型のカメラケースを背負子で背負うわけだが、積載量が少なすぎて旅行には現実的ではない。
ところがカメラバッグの世界でも大判は退潮傾向らしく、大型の品数が以前より少ない。機材をたくさん運びたいという向きもありそうなものだが、デジタル一眼レフカメラは受光素子が小さければその分同じ画角の長焦点レンズが短くてすむので、システム全体が小さくなり、バッグも小型でこと足りるのだろう。かさばるフィルムもいらない。かつてはソフトタイプの大型カメラバッグといえばアメリカのTenbaやTamracだったのだが、今ではろくな製品がない。特にTenbaは見る影もない。Tamrac777は15年使っているが、いちばん肝心な肩ベルトをつなぐDリングが折れて縛って結んであり、その肩ベルトも荷重でぺったんこにつぶれ、ファスナーが壊れてたりでもうどうにもならない。しかしよくもった。というよりよく使った。思えば、これまで「この写真が私だ」と言いきれる写真を撮影したときには、すべてかたわらにこのバッグがあったのだった。これだけ長いこと使っている写真機材は、これの他にはせいぜいSLIKの三脚ベルトくらいしかない。これももうボロボロで交換を検討中。
777という型番の製品は現在でもあるが、小さくなっている気がする。また35mm一眼レフ主体に考えられているので4x5には使いづらい。もっと大型のも同様。KATAなどもそうだが、長いバックパックを横置きにした状態でカメラを収めるようにつくられており、出し入れの時には寝かせてびろーんと缶詰でも開けるように蓋を開く必要がある。これが煩わしい。それに厚さと間仕切りがビューカメラには合わない。正面を開くタイプはみなそう。そうではなく立てたままの状態で上を開閉して出し入れするほうが4x5には使いやすいし、フィルムホルダもすっぽり入る。そうなると登山用リュックのように2部屋に分かれた構造となる。正面を開くタイプは間仕切りを外して雑然と入れるとどうしても重いものが下に来てしまい、重心が下がって、肩の一部の面積だけですべての荷重を受ける格好になり、痛くなる。ところが登山用のように下に軽いものを入れられれば重心が上になり、前傾姿勢をとって背中の広い面で荷重を支えられるのでかなり楽になる。それは米国製であるTenbaにもTamracにもLoweproにもない。日本の山岳関係者はフィルムに執着しているらしいが、アメリカではみなデジタルに移行しているということなのかもしれない。それにアメリカのこの手の製品はわれわれの体格には合わない。それはアーロンチェアでも痛感。
そうすると選択肢は国産のLamdaとFoxfireしかない。Lamdaはつくりがよろしくない。ということで、ふだんはほとんど使ってないもらいもののThinkPadi1620が天蓋にぴったり収まるのを確認しこれに決定。ますます電車で迷惑がられる装備になってしまった。旅行にはこれくらいが必要だが、ふだんの撮影では大がかりすぎるので、もうちょっと小ぶりなのもほしいところ。
さっそく収納してみる。冠布にくるんだ箱と4x5カットフィルムホルダ10枚がちょうどうまく入り、その上にEOS-1n+12-24mm、フラッシュメーター、ブロアで上の部屋はほぼ一杯。上部ポケットにノートパソコン、ポケットにはポラホルダ545と黒パーマセルと水準器、下の部屋には予備のポラホルダ、クイックロード1箱、ポラ2箱、4x5カットフィルム10枚x2箱、ダークバッグ、135フィルム数本、パソコンの電源部、これでほぼ一杯。
着替えなんか入らないじゃないか。もっとでかいのにすべきだったか。しかしすでに不安になる重さ。どうなってしまうのだろうか……
 
個展の予定が消滅した。ギャラリーもろとも。