3日目。今日も曇。小ぶりの雨か雪。荷物から着替えと食品を出したら現実的な重さになったか。
永観*堂禅*林寺は門の先からいきなり拝観料。案内図によるとお堂のありそうなほうを外から見てもお堂は見えない。さして大きくないということだ。しかもクレーンが立っており、トラス状の網のようなものが張ってあって工事中らしいのだが、受付にはそんな表示はない。行くに値せずと判断。ポスターを見るとお堂は新しそうで、そっぽを向いてる阿弥陀像だか観音像が珍しいらしいがどのみち撮影などできっこない。
*禅寺。重文の三門が巨大。京都三大門だとか。門に上がれば有料だが下から見る限りはタダ。知恩院方式。こうやって引き寄せといてオプションで金を落とさせるほうが商売上手なんじゃないだろうか。永*観堂の有料表示を見て戻ってきたとおぼしき人とすれ違ったけど、あんなえさもなく金払えじゃ。本堂は明治の再建。こちらも三門も屋根が2層、しかも木が張り出していて撮影には不向き。山中の深閑としたたたずまいは悪くないのだけれど。何とか庵とか国宝だか重文の何とかは有料。国宝だか重文のほうは外から見ても正面に絵があり、金払って見る価値ありそう。撮影対象にはなりそうもないので行かないけど。
途中で雪が降り出す。ほとんど吹雪。バスに退避。
**神社。舞殿などあるが、あまりぱっとしない。これで世界遺産?という感じ。だったら名古屋の熱田*神宮とかを世界遺産にしたほうがいいんじゃないの。京都ブランドだろうか。伊勢神宮はたぶん違うので、むしろいろんな制約を嫌って避けたのかもしれない。ここはきっと上賀茂神社世界遺産ならうちも、と駆けずり回ったのだろう。建物だけだと基準に足りないからまわりの杜も一緒にして文化・自然遺産ということにしたのだろうが、裏で政治的立ち回りがあったろうと推測される。所詮社会的な格付なんてそんなもの。古いことは古いので、狛犬などはない。境内に小川があり、橋がかかっている。境内の改修費用が40億だそうだ。いったいどんな利権がからんでいるのか。
バスを把握しておらずうろうろ。来たバスが金*閣寺を通るので、三脚不可なのはわかっていたが行ってみる。予想通り、撮影は自由だが三脚はご法度。まったく無理っぽい様子。まああれほどの来客がいたら三脚に起因するトラブルを避ける必要があるのはわかる。どうせプロじゃないんでしょといった調子。プロとは何か。車で乗りつけてカメアシを従えて先生然とふるまうという見た目のことか。JPSなりAPAといった職能団体に所属している、ないししかるべき筋から身元保証が与えられているということか。それとも、来た人間本人の身分が云々というよりも、出版なり広告なり使途のはっきりした案件がまず明示されていて、そこから派遣されてきたという体裁が必要ということなのか。さらにそれに伴って肖像権使用に対する対価を支払うということか。いずれにしても現状では見込みゼロ。趣旨をはっきりさせなければならないのであれば、雇われ仕事ではなく山崎博が言っていたところの「自己発注」でこうこうこうしたことをやりたいのだと率直に説明したところで許可されるとは考えられない。熱意や努力でどうこうなるものとは思えない。ハッタリが通用する見込みもない。何しろマイクロソフトが管理するビジネスになってしまっているのだから、われわれ風情がどうこうできるものではなかろう。現状では不可能。
鹿*苑寺というのは仏教の寺院としてどれほどの格式があるのだろうか。高台寺も本堂に人を通らせていて宗教施設として機能するのだろうかと疑問だが、ここもあんなに見物客がいてしかるべき儀式を執行できるとは思えない。鎌倉大仏と同様、仏教施設というより観光施設なのではないか。それにあの形状がこの箱で効果的かというと疑問。結局、撮影したいと考える理由は、国際的に有名な日本建築であるということしかないのだが、だったらそれほど執着するほどのものだろうか。と考えてあきらめることにする。イソップ童話の、手が届かなかったブドウはすっぱいとあきらめるキツネの話は、日本では負け惜しみの戒めととられているが、あちらでは現実的な判断をする賢さのすすめと解釈されていると誰かが書いていた。その真偽は知らないが、現実に手が届かないものはどうしようもない。うすうす勘づいてはいたことを確認した次第。
ただ、形が向いていないということまで確認するためだけにでも拝観料払って行っておく必要はあるかもしれない。
それにしても、表向きにこやかだが内心は観光客を見下して舌を出しているという、観光産業の裏側を垣間見た思い。だからといって罵倒するつもりはなく、観光地というのはどこでもそういうもので、それを承知でだまされに行くものだろう。
ついでにその先の龍*安寺。600円だったか。もう一面雪だらけで視界がないし門前で引き返す。枯山水の庭以外は三脚OKというのが意外だった。あんまり気合い込んで撮影する人がいないのだろう。こちらもその気はない。
さらに雪の中上*賀茂*神社。ここも狛犬なし。下鴨神社よりは世界遺産らしく見えなくもないか。川を導いて橋を架けるつくりは似ている。16時閉門で中を覗くだけだが、茅葺の屋根で起伏のない造作。もう行かずともよろし。
明日も天気悪いらしい。しかし東京は快晴だという。なんてこった。しかしこんなもの。
吉田寮にいられるのは1週間までと判明。駒場寮で就活したときには3カ月以上いたと思うが、そういうのはいかんということでしょう。