4日目。朝雪が積もっている。しかも降り続いている。その後やや晴れたりもするが、じきまた降りだす。日が出ているのに雪が舞う。冬型の気圧配置なら東京では快晴なのだが、こちらではそうでもないらしい。
*恩院へ。三門は西向き。覗いてみるがかんばしくない。御影堂は屋根に雪が積もってこれはこれで悪くはないのだが、手前に白いテントがいくつも立っており、その上日射がなくてはどうにもならない。薄日が差した条件でさえEV12.5、8m程度。眠くなるだけ。
霊山*護国*神社は全国にある護国*神社と一緒。狛犬が二対いて、ここでも左側の狛犬は一角獣。
*観寺は五重塔だけ。
京都にも仲見世のようなものはあった。清水坂。高校の時ここで土産を買った記憶がある。そして清水*寺。ここも典型的な観光寺院。仁王門はいい。西向き。夕方に。門の前での団体撮影旅行は禁止とあり、撮影申し込み受付というボックスがあって、その脇で三脚に冠布がかけてある。そこの人物に聞くと、三脚使用はご自由にとのこと。アマチュアならいいと。個展に出すのもかまわない。もっとも彼が個展と聞いてどんなものを思い浮かべたのか知らないけれど。ただ、ここはプロにはうるさいんだという。そのプロというのが、一昔前ならフジの69を構えた観光客相手の記念撮影業者のことか、印刷なり放送なりに画像を提供する商売の人のことかも定かではない。先に進んで本堂の前から有料。300円。このへんにしては安い。しかし三脚使用は禁止ですよねと聞くと、広げなければOKという。ところが入り口で三脚は使えない、一脚だけと言われ、問いただすと三脚は本来は禁止なのだがたたんだ状態で伸ばして一脚状にして使うのならお目こぼしするという。写真やってるのにそんなことも知らないのと言われる。知るわけないよそんな意味のない使いかた。来客も多いだろうしやむをえない措置だろうとは思うが、それなら三脚使用原則不可とすべきだろう。まぎらわしい。境内にみやげ物売り。観光寺院そのもの。本堂は茅葺で屋根は傾斜が浅い。もとから本堂には期待していない。出た頃大雪。雪が降るととたんに客が消える。
東京だとごつい三脚を持っているとプロですかと声をかけられるのだが、こちらではそんなのがうようよいるせいか完全にアマチュア扱い。おもしろいものだ。
その後大谷**廟。西*本願*寺派の親鸞上人の遺骨を納める。東*本願*寺のほうより本堂が大きそうだが改修中。墓まで分けさせるとは。西*本願*寺は「西」とつけなかったり「本」廟と名乗ったり、こちらが本家だという主張が強いよう。まさに宗家争い。
****寺は本堂拝観自由。本格的にお参りする参拝客が多い。一部特別拝観。六****寺はしょっぱなから有料。ここで完全に電池切れ。
*積院は何とか派の総本山。特別公開で一部拝観有料だが金堂などだいたいの敷地は参拝自由。金堂は明治に焼失し昭和後期に再建された鉄筋コンクリ。そうなると俄然参拝者が少なくなる。正月の装いだろうが三色ストライプの垂れをめぐらしてある。幕雪のせいもあろうが閑散。でも広くて安らぐいいお寺。ここは入り口両脇に獅子像らしきものがある。
豊国*神社は近隣に二つある。三十**間堂の東、京都女子大に近いほうは目尻が避けんばかりに目を見開いて威嚇するすさまじい形相の狛犬が笑わせる。その先にはサルがいる。これはめずらしい。
三十**間堂は着いたら閉門。15時半まで。しかし出直す気はしない。入り口で職員に忘れ物をしたことにして入り込む。事務所で申請後正面から見ると、予想通りただ横に長いだけで今回の目的にはまったく向かない。中には興味ないのでこれで充分。ここもいまや宗教的機能は失われているのだろう。向かいには血天井とか。三十**間堂のついでに修学旅行で見た記憶がある。まあ趣味のいいものではない。親鸞がソバを食す像までが商売になる。その先の門は重文だが軒先ほんの数cmまで隣の住居が迫っている。
もう一つの豊国*神社、京博の隣のほうは狛犬関係なし。拝門は立派。隣の方広寺だったかは鐘が知**院なみに巨大なのに、寺としては見るからに落ちぶれている。血まみれの天井一つあれば末代まで困らないのだが、結局は運となりゆき次第。後代の評価なんてそんなもの。
*塚。こんもりした土盛の上に梵字の刻まれた5枚重ねの鏡餅のような石刻。鉄柵と鎖で囲われている。モニュメントはおもしろい形なのだが、塚の上に乗って三脚を構えないと撮影はできない。銘板を読めば、秀吉の朝鮮出兵の折、将兵に殺戮した相手の首でなく鼻や耳を切って持参させ、おのおのの戦果を証明させたらしいのだが、その耳を埋めて供養したのがここだという。ずかずかあがりこんでのんきに三脚を構えられるようなものではない。道義的にもそうだし、仮に気がとがめなかったとしても通報ものだろう。それは、かつては一部の者しか入ることを許されなかった場所に、表向きの許可を得ているとはいえ入り込んで、その場所への配慮などお構いなしに見境なく撮影しまくるのとどこが違うのだろう。
夜大阪。大阪のほうがやっぱりしっくりくる。話しかけてくるおっさんからしてそう。京阪電車はあれだけ乗って390円とは。