6日目。またも朝から降雪。吉田寮の与えられた部屋で一晩中酒盛りをやっていて、とても寝つけず廃屋寸前の食堂に泊まる。朝からカゼっぽい。
8時過ぎ、箱と冠布だけ持って出る。近所の吉田*神社。狛犬を撮影2回。そのまま徒歩で銀**寺。三脚不可だがパンフレットを渡され交渉の余地はありそう。もっともそのパンフを見ても撮影の必要は感じない。銀*閣は茅葺で浅いピラミッド状の屋根、頂上から鳥の像が伸びている。前は池か枯山水風の銀沙灘。三脚が立てられるわけがない。木も多い模様。600円とか払ってまで見る気はしない。
法然*院は単立寺院とのことで、開放されているが拝観料はとらない。講話なども盛んに行なわれており、住職は寺院の連絡会などの理事も勤めているらしく、仏教を振興させたいとの意欲を感じる。お堂には本が置いてある。仏教関係のみならず広く人生論など。女性参拝客が相田みつをらしきものをめくっている。中年女性が展示のDMを掲示板に貼っていて、展示スペースとして開放されているらしい。2007年の表示のある現代彫刻が道に設置されていて、美術方面に理解があることがうかがえる。京都だとお寺で展示するという選択肢があるのか。庭に砂を盛った彫刻のようなものがある。山本某とかはこういうののパクリなんだろうけど、こっちのほうがずっといい。何しろ場の力がおよそ比較にならない。合理的に説明しようとすると長くなるのでさしあたり「場の力」という不明瞭な言い回しですませておく。せっかくだからデジタルカメラで撮影しようと思ったら動かない。法然*院の柱を1点撮影してあとは動かなくなる。新品電池が640x480で3カットだけなんて。寒いからかと思ったら電池はあったかくなってる。古い電池をつかまされたか。金返せダイソー
**寺霊**寺は印象にない。大豊神社だったと思うが、狛ネズミがいる。ちゃんと阿吽になっていて、阿のほうはネズミ男のように前歯が2本。狛サルと狛トンビまでいる。なんでもあり。若*王子*神社は印象にない。
哲学の道は人が多いが日曜日のためでもあろう。老若とも地味で内省的な雰囲気の人が多い。名前だけのことはある。
**堂は雪が降らない状態で見ると間違いなく工事中。屋根が覆われている。そこで受付の女性にただすと、御影堂も阿弥陀堂も改修中だと答えづらそうに言う。御影堂は今年一杯、阿弥陀堂は5年くらいかかるとのこと。ろくに見るものないだろう。それで黙って拝観料払わせるんじゃ、騙されたと誰もが思うんじゃないか。思わない経済観念の人もいるって? そういう手合いはわざわざこんなとこまで来ないよ。
**堂は市街地の中の山に広い寺領の古刹が突然現れる。でも本堂の前に木の枝。同じ山の黒何とか教とかいうよくわからないが19世紀の新興宗教神道社の最初の狛犬が逆立ち自転車こぎというかひっくり返っているというか逆海老反りの腹ばいで足を頭上に上げているというかきわめて珍しい姿勢。しかも朱色の陶製。あちこち割れている。そうは古くなさそう。さらに同じ山で近くの浄土宗*黒谷***光明*寺は御影堂が焼失し明治期の再建。屋根1層でまさに堂々としたお堂。車さえなけりゃなあ。平日は車が少ないかもしれないし、近いのでまた覗いてみる。南西向き、13時ごろに。阿弥陀堂はもっと古いがこの写真には向かない。三重の塔の四隅の鬼瓦がすごい形相でいい味。山門はこれも立派。しかし覗いてもうまくいかない。墓地にはものっすごいアフロの大仏。ものっすごいんだがいかんせん全高1m足らず。むしろ小仏。あれ絶対受け狙ってる。やってみるか。
岡崎*神社になんかあった気がするが忘れた。神社はみんな一緒に見える。稲荷*神社やもっと土着的なのは別だが。
浄土*寺と一*乗寺は地名に残っているだけなのだろうか。栄枯盛衰。
京都*造形*芸術大学をちら見して金**寺、と思ったら東本願寺*北山*別院で、金**寺は別だった。曼***門跡は書院か。坂道をながなが歩かせるわりに建物が小さい。山で土地があるんだからでかくすりゃいいだろうに。って余計なお世話か。いきなり拝観料をとられ500円とか。順路は室内と庭だけとのこと。興味なし。修****宮はもと学校らしいが大きい建物がなさそう。森にしか見えない。となりは宮***庁管理の畑。鷺**神社は修*学院から移してきた小さな石橋くらいしか覚えていない。うすら怖かったのはここだったか。本殿のうしろに回ると何もないのが妙に空恐ろしい。まさしく。暗いとなお怖い。あの得体の知れない寒々しさが仏教とはまったく違うところ。円**寺もたぶん見た。17時で詩仙*堂は閉じるところ。狭い庵。興味なし。宮本武蔵ゆかりという八大*神社?は砂が整えられていて近づけない。お参りできないでしょ。しないけど。金**寺を見過ごしたので行ってみるがとっくに終わっている。このへんはみな所蔵品が見世物で建物は小さい。赤山**院と狸**不動院は行かなかったがもうよかろう。念のためあとで調べること。
荷物がなければ徒歩で充分まわれる。京都*造形芸大から先は一日乗車券の範囲外だが、修学院まで行ってもたいした距離ではない。京都は小さくまとまっている。仙台と同じくらい。密集しているため一日でまとめて回れるのがいい。しかしバス移動は何かと時間がかかる。
交通ルールは土地による差が明確に現れるように思う。ルール化されやすい、あるいは、ルールに従わないとその行為の不適切さが如実に衆目の面前で示されてしまうため、行為者に反発が集中するしくみがわかりやすく、みなが従う結果ルールが顕在化しやすいということだろう。頭が悪くて明示的なものしか理解できなくてもはっきりとわかる。
エスカレータで立っている人と歩く人の列の左右が関西では関東の逆と聞いていたが、京都ではそうでもなさそう。大阪は立つ人が右で逆。
東京では車が歩行者に対して強気。歩行者は止まるものとして、強引に先を行こうとする。歩行者優先の場面でも、だ。こちらが臆せず進むとあわてて止める。特に近年その傾向が強まったように感じられる。一方京都ではもっと紳士的、というより遠慮がち。車はみな止まってくれるし、信号のないところで道を横断しようとするとずいぶん控えめに徐行し、通過するものと思っていたこちらの読みが狂ってしまう。
いちばん違うのは、バスが混んでいると、乗ろうとしてもドアも開けないまま走り去ってしまうこと。客のほうも、ある程度混雑していたら無理に乗ろうとしない。つめりゃ乗れるのに、とは思うのだが、おとなしいというか奥ゆかしいというか。まあこっちがあたりまえで東京が異常なのは認めざるをえないが。しかし前に乗った人が先に進むのを待っていたらドアが閉まって出発されちゃったのにはあきれた。しかもこっちのほうが乗った人より前から待っていたというのに。
カゼの前兆。顔がほてっている。危険。あったまって早く寝よう。京都には銭湯が多いようだ。京大近辺だけでなくあちこちで見かける。やはり空襲がなく焼け残ったため、昔の狭い土地のまま建て替えたからだろう。大規模建築も制限されているし。
関西は喫煙者率が高い。気がする。