11日目。曇。ときどき雪。
松尾大社は茅葺屋根。月読神社は小さい
鈴虫寺は本堂まで無料で入れる。本堂は古いが小さい。
苔寺は鉄柵に門番がいて、脇にある看板によると、観光客が集まりすぎて近隣住民の苦情が増えたため、少人数の許可制にしたとのこと。見るだけでなく写経や聞法の道場なのだという。しかも希望日の7日前までに往復はがきで申し込めとのこと。まあ禅宗だし修行の場であればやむなしだろう。むしろ鈴虫で客寄せするのよりは筋が通っている気がする。と思ったらお代が3,000円から。あらら。境内は三脚いっさい不可。苔が売りならそうなるだろう。本堂を遠目に見ると大きくて風格があり、板屋根に緑青が吹いているのか緑色に見える。惹かれるがどうにもならない。でも本堂は40年前の再建とのこと。ならいいか。塔もある。世界遺産だけあって外国人がちらほら、というより参拝者は外国人ばかり。苔だらけの庭だなんて彼らの異国趣味には訴えそうだ。その先の道をしばらく進むとここから入れとばかりに鉄の扉があって、竹やぶの中に道ができている。行ってみると波状の鉄板で境内を囲って鉄条網までつけてある。これがずっと続き、進入できないようになっており、また視野も狭めてある。念の入ったことで。その囲いの周りに道ができているのは同類が少なからずいるからに相違ない。向かいの坂から覗こうとしても木にはばまれ見えない。
竹の寺だという、いかにも上記2件の後追いのような地蔵院は庭園型。たしかに竹に囲まれてはいる。脇から見ると本堂は小さい。見るまでもなかろう。しかも三脚禁止。
ゆるい傾斜の石段と両隣の木々に導かれて浄住院へ。ゆったりとした気分になる。伽藍は小さく、あまり見てくれに気を使っているふうでもないが、拝観料などとらないし、母親に連れられた子どもを和尚がかわいがるらしい。このへんではいちばん寺らしい寺。
梅宮神社の楼門の2階部分には酒樽が17本並んでいる。よく上げたものだ、と思ったが、鏡開きで飲んじゃった空の樽かも。本殿屋根工事中。狛犬なし。
長福寺は16時前なのに閉門。仏殿2層で古そう。ここも昔は寺勢を誇ったらしい。でも長福寺道というバス停をつくっておきながらバス路線図に長福寺を載せてないのはどうなんだろう。
広隆寺は17時閉門に間に合った。仁王門には電線がかかる。講堂は木がさえぎる。前面が網で保護されている。本堂は黒く光るシンプルな屋根。檜皮葺きとのことだが漆塗りの銅板吹きではないだろうか。いい質感だが横に長くこれも前に木。ものになる可能性は低いだろう。その先は拝観料700円。多くの国宝や重文が修められているらしいお堂は寄棟造のようで、両肩がなだらかに傾斜している。東側の道路から見たら鉄筋コンクリだった。拝観料払わずともよし。有料地帯は三脚禁止だったか。短時間ならいいということだったか。ただし、展示などする場合には許可が必要とのこと。どのみち用はなかろう。
妙心寺に着いた頃には日も沈んでいる。でも門は開いていて高校生たちが境内を走ったり近隣の人が自転車で通過したりしている。大本山だが開かれた寺。山門は赤く2層。ハトよけの網が張られ木がさえぎる。悪くないのだが。仏殿も2層で木。その先の法堂は仏殿からの通路に屋根がかかっていて正面中心からは無理。塔頭を多く従える。暗くてよくわからなかったのでもう一度行ってもいい。法金剛寺、五智山蓮華寺三宝寺にも行っていないので。でも、これで均一区間内の主要な寺はほぼ回った。
ネットが使えるので気象庁気象データを検索してみる。1971年から2000年までの各月雲量の平均。
     京都   東京
1月   6.2   4.2
2月   6.7   5.2
3月   6.7   6.3
4月   6.4   6.7
5月   6.8   7.1
6月   8.0   8.3
7月   7.5   7.7
8月   6.6   6.9
9月   7.2   7.8
10月   6.0   6.8
11月   5.7   5.6
12月   5.7   4.1
年    6.6   6.4

たしかに東京の12月と1月は少ない。これは経験とも一致する。だが京都の冬がとりたてて雲が多いわけでもない。11月12月は少ないが、12月の末でもなければこの時期に京都で寺の撮影などまともにできるとは思えない。京都暮らしが長い人に聞くと、今年は例年になく寒いという。冬に来たのは判断の誤りではなかったが、今年やったのはうまくはなかったようだ。詳細データからはもう少し分析できるのだが、イレギュラーとなるとそんなことをやってもあまり意味がない。京都は平年でも東京ほど特快晴の日が多くはないのは確かなようだ。ならば、とにかく待つしかない。
前夜、汗だくになったので脱いでバッグにくくりつけていた着替え2枚がなくなった。店に忘れたと思うのだがないという。寺町で歩かされたとき落としたのか。荷物が軽くなってよかったと思うことにする。