新宿クリエイトで昭和記念公園と本郷給水所公苑のネガ引き取り。まあ思ったほど悪くなく、使えないでもない。でもホコリ。立川はどのみちまた行くしやりなおすか。カットフィルムホルダではどうしてもホコリがついてしまう。素手で装填すれば必ず皮膚のかけらがフィルム上に落ちる。これは避けられない。といって手袋をはめたら、手術用の薄手の手袋であってもフィルムの感触がわからずまともに装填できないだろう。プリント時のホコリなら白くなるのでスポッティングできるが、撮影時にネガについたホコリはプリントで黒く出るので処理が非常に難しい。ネガ上でスポッティングしてつぶせばプリントでは白く出るからそこをさらにスポッティングするか、あるいは、プリントに黒く出たホコリを、乳剤を薄くそぎ取って消すか。どっちにしろ超絶技巧。やったことはない。基本QLに切り替えよう。
ヨドバシに行ってみたらポイント還元率が3%増しとのことで買いあさる。富士CG六切100枚、クイックロードのNC160PROを2箱。フィルムを正価で買ったのは何年ぶりか。QLはこれまでにネットでたぶん10箱197枚買ってきたが、店で買うのははじめて。上述の通りカットフィルムホルダではどうしてもホコリを回避できないので、特に平面性の悪さが目立つ、画面上部の左右一杯に水平線が伸びている条件以外では基本的にQLを使う方針なのだが、あと1箱しかなく、このところヤフオクでもあまり出なくなったので、この機会に思い切って購入。ったって考えてみりゃ店で正価で買うのはあたりまえのことだが、8,470円もするので還元率アップでもなければなかなか踏ん切れない。ポ***イド*フィルムは半額以下でしか買ったことがないが、これはもうしばらく踏んばるつもり。せっかくだから1回も定価で買わないままで生産終了を迎えたいもの。でもあと2箱。足りるかどうか。
それにPrint File archival preserversの4x5フィルムのネガ袋ごと入るファイルスリーブ2袋200枚に、1,900円のボックス型のファイル2箱。数年前にはボックス型のがイギリス製ハンドメイドとかいう8,000円くらいのしかなくてやむなくそれを買い続けてたのだが、そんな余裕もないし安くてアーカイヴァル仕様のがあれば充分。強度は低そうだがそんなに重ねない。とにかくこのところネガをファイルに整理する習慣がなくなってしまったのだが、ちゃんと密閉して、水没なんていう惨事は2度と引き起こさないようにしないと。富士の防カビ剤もひさびさに購入。前の買い物がポイント使って2万9千円とかだったのに、この会計で3,700ポイント充当と言われしばし考え込む。13ポイント還元を理由に買ったというのに。健忘症に一歩近づいたか。さらにLPL4x5伸ばし機用のハロゲンランプ6千円。やっぱりスペアがないと。ヨドでは消耗品以外買わなくなってしまった。
レンズ改造のための部品届く。一回現物合わせで製作してもらった部品が、公差とクリアランスの按配をこちらがよく理解していなかったせいもあって目的のレンズに適合せず、追加工してもらったのだった。1個は内径を浚ってOK、もう1個はクリアランスの不足に加えややバリが残っていたこともあって入らなかったのだが追加工は難しいとのことで新たにつくりなおしてくれた。しかもそれは最初の加工にも原因があったということでお代はいらず。恐縮至極。追加工費1,000円。最初の加工費10,000円。製作してくださったのはその名も「切削.com」という永井鉄工所。2年くらい前の時点では個人相手に金属加工をしてくれる工場がだんだん増えてきて、ネットで調べて見積とった中では一番安くてメールの返信も早く、素人にも親切なのだった。何しろ土曜日の午後にメールを送るとその日の夜に返事が返ってきたりする。それも年中そんな調子らしい。「log-labo」というblogの冒頭に「laboの意味は”labor”」とある。そうそう。研究所なんてかっこつけてるけど本来ラボとは労働の場なのだ。機械部品を供給することで日本の根幹たる製造業を支えている、製造業の中の製造業なのだが、こんなに働いているのかと頭が下がる。
これをベニヤで組みあげとにかくテスト。うまくいったら東京がまた撮れる。レンズ改造とそれにともなうSinar改造は今の箱の前、2年前の冬から手をつけていて、図面製作と部品加工まで進んでいたのだが、ピンホールを先にやるべきと気が変わってずっと中座したままなのだった。その判断は結果としては正しかった。インスタントフィルムがいつなくなるかわからない現状ではできるうちにやっておいたほうがいい。でもこちらのほうが機械をいじっている実感はあるだろうし、ピントグラスでまともに結像を確認できてアオリの自由度もある、まともなビューカメラになるはずだ。それにピングラでフレームの確認もできるからポ*ラいらず。うまくいけばだが。
レンズのマウントアダプタを製作したりマウント部を切削加工したりして別のマウントのボディに装着できるよう加工するなんていうのは改造のうちに入らない。そんなのはせいぜい改装、あるいは改変だ。改竄とまでは言わないが、むしろ改竄ですらないのである。本体はまったく手つかず。デバイスに元から備わる性能をつくりかえるわけではない。組み合わせを変更するだけである。ほんとうに新しいものは何一つ出てこない。デバイスを換骨奪胎するのでなければ改造とは認めない。
またも変なアイディアが降りてきた。実現できるのか。それより時間はあるのか。着想は一瞬、いや数秒かかっているのかもしれず、天啓のごとくぱっとひらめくのか、もやもやしたものが次第に析出していくのか、あとからはわからないのだが、思いつくのはあっという間なのに、その具現化には数年かかる。バカスカとバカな思いつきだけはやってくる。これがあるかぎり、とにかく続けることはできる。
で、そのアイディアなんだが。写真とは一般に結像の再現である。これまでは「再現」のほうばかりを問題にしてきた。これは「結像」が常軌を逸する。これもうまくいけばだが。常軌を逸してうまくいくとは形容矛盾だが、この営為の全体がそんなものだ。
今日はしばらくぶりで空が青かった。明日は晴れるか。