富士のサポートに問い合わせ。アメリカで流通しているFujifilm Fujicolor Crystal Archive Super CおよびFujifilm Fujicolor Crystal Archive Super PはFuji Photo Film U.S.A.のアメリカ工場で製造されているのではないかとのこと。CはCommercialで硬調高彩度、PはPortraitでそれより軟調。日本製のFujicolor Professional Paper Type II CLPPRO2 CG-Pとの違いは、おもにネガとのマッチングということらしい。アメリカではKodakのC-41処方によるネガ現像が主流で、比較的軟調なネガになっているので、アメリカ製の印画紙はバランスさせるため硬調になっているだろうとのこと。かたや日本では富士系のラボが強いのでC-41のコピー規格であるCN-16で処理されるネガが多くてC-41より硬調なので、印画紙のほうは軟調であるらしい。アメリカのはCGよりさらに硬調なのか……。それにアメリカではシャドウバランスがクールトーンのほうが好まれるとのことでシャドウ部が青寄りになっているだろうとのこと。ただむろんニュートラルバランスは大筋では出せて、一部領域で転んでいる部分があるかも、という話。またシャドウのコントラストも立っているだろうと。しかし特性曲線が手に入らないとのことでデータに基づいているわけではないし、まして実際に検証しての見解でもない。あてになるかどうか疑問。また、ベースの色が国産とUSで違うだろうという。ラスターの面種は、エンボス加工でありエンボスの型次第なので工場が変われば当然変わる。それから、Fujifilm Fujicolor Crystal Archive Super Cは各種デジタル出力に最適化されているとなっているが、デジタル機器用の印画紙は最大濃度が高くて高コントラストとのこと。レーザ露光機はフレアが多く文字がにじみがちなのでその対策だという。これはUSサイトにも記載がある。ただ、デジタル同様に伝統的引き伸ばしにも対応しているともある。KodakのSupraEnduraにも似たようなことが書かれているから、条件としては同等だろう。しかし、Lambdaなどのレーザ露光機では出力機のカラーテーブルでコントラストや彩度の調整はできるし、データ側でもいくらでもいじれるわけだから、硬調で高彩度の紙と軟調で低彩度の紙の2種類を供給する必要に乏しい。せいぜい、人像紙で肌色の発色を改善する程度。FujiUSAにしろKodakにしろ、そこをあえてわざわざ別個に用意しているからには、引き伸ばし用途を充分意識しているはずだ。Fujifilm Fujicolor Crystal Archive Super CとPは比類のない画像の耐久性などとしきりに強調されており、データシートでも200年間で0.2D程度の濃度低下と示されていて、Kodakよりこの方面の技術水準が高いことをうかがわせる。何しろ商品名からしてArchiveと謳っているのだから、よっぽど耐久性に自信があるのだろう。
国産のCGのほうは635x915mmとかいうでかい規格が残っているらしく、最大のがあるから大全紙が消えても文句は言うなということらしい。大全紙は2006年6月に販売終了とのこと。10月に買ったわけなんだが……。
考えた末、富士の逆輸入で行くことにする。まったく素性の知れない印画紙を買いつけて、今さら後戻りはできないわけで、イチかバチかのバクチである。だが、Kodakに切り替えるにしても冒険であり、だったら安く上がるほうがいい。逆輸入のほうが割安。そのうえ紙は白くてきりっとコントラストが高くて発色も派手。ついでにマットやラスターや人像用の六切も買い、Manfrotto#400のスペアのクイックリリースプレートなんかもつけて、送料込みで10万円近くになる。Marshallのレタッチ用品もついでに買おうと思ったがほとんど在庫なし。Tamracのカメラバッグもつけようかと思ったが、何もこの円安時期に買わなくても。大散財。ちゃんと期日に届くんだろうか。