5時、もやっていて晴れるかどうかもわからない時分に出発。6時半川崎着。それでも遅い。これは泊まらないと無理か。でも、もうここは主目的ではない。多摩川へガラガラとカートを引いていく。1時間かけようやく到着。第二京浜の橋。北側に雲が出ているので橋を渡る必要があるかと思ったが、遠くはかすんでいるものの雲は消えたので川崎側にする。それに、このあたりは川の蛇行が大きく、この場所では渡っても光線条件が合わない。橋のたもとに欄干があって台にちょうどいい。これはいい場所に行きあたった。さっそくブツを乗せる。あちこち欠けていて、破片がカートの中に転がっている。鼻さえ欠けてなければいい。
8時頃から露光開始。クロスライトでポートレイト向けの光線条件。それにしてもまたトチ狂ったことをおっぱじめたもんだ。いつにもまして通行人がしげしげと眺めていくので、気が散ってしょうがない。でも何やってるんだと思うだろう。日射しが強い。露出も計らず40sでフレーム調整して4枚。いつのまにか10時頃。だいぶ順光寄りになってきていた。光線条件が変わってきたのに気がつかないのは、フレーム調整で手一杯だったというのもあるだろうが、特殊すぎて光が変わってもさほど影響がないということだろう。さらに寄ってみるが、ポラ見る限りつまらなそう。でも焼いてみると何か出てくるかもしれないし、やり直しの時間はないので1枚撮影。この箱でここまで寄ったのははじめて。あとで露出計るとEV15.6。カロリー補給にと現地で買ったピーナツ入りチョコレートがどろどろに溶けていた。
ひとしきり終わって帰ろうかと思うのだが、せっかくいい天気なのにみすみすフイにするなんて、とうしろめたさがつきまとう。冬になればいくらでも晴れるんだからと考えるも、後ろ髪引かれるような思い。最後のほう光が正面からに近かったので、15時過ぎまで待って逆側からのクロスライトで、とも考えるが、その頃には雲が出ないとも限らないし、こう暑いと午後は空が濁る。だいたいそんな悠長なことやってる余裕はない。帰る。徒歩でガラガラ川崎駅までやってったら1時間以上かかった。通りをバスがしょっちゅう走っていた。何か間違っている気もするが、別段今に始まったことでもない。一日で腕が赤く焼けた。
戻ってきて15時頃には雲が広がってきた。川崎もそのよう。正しい判断だった。
でもやっぱり晴れた日に外で撮影するのはいい。今日のも、ずっと天気がさえないので、スタジオを借りたり、そこらでバック紙を張って撮影しようかと考えていたのだったが、室内でしつらえてもうまくいかなかっただろう。外のほうが向いているし、ずっとフィールドでやってきたのだが、それだけでなく、この箱では空間の広がりが必要なのだと思える。
品川埠頭のネガはまずまず。