また曇。これ以上このへんをうろうろしててもまったく無駄。午前中晴れの予報ではあるがこのありさまだし、見限って西へ。Go Westってやつですよ。むろんいつも通り地図も情報もなくなりゆきまかせ。四条河原町まで歩き阪急で西へ。兵庫に入るころには晴れだす。とはいっても東には厚い雲。右側には山からの斜面に広がった街並。富士宮とかもこういうつくり。そこに雲の影が落ちているのだが、ただの山肌だと距離が掴めないのであんまりピント合わないのだが、人工建造物があるとスケールと距離がわかりやすいので雲も含めた距離関係が把握できる。これちょっとおもしろい。
こんなに大阪から近いの、というくらいすぐに三宮着。この界隈は半年前にお仕事で案内図をつくったりしたので大雑把なところはわかる。と思ったら作成した地図は山側だった。でもそっち側は興味なし。山を背にした生田神社はつまらん芸人と元ミスなんちゃらタレントの婚礼で有名になったけど旧官幣中社だしどってことなし。ただ人出は多い。そこを見たあとはもっぱら海側。山の斜面にできた街。三宮駅周辺は電線がなく並木道できれいに整えられている。見た限りではこれだけこぎれいな街並は他にはないのではないか。NTTドコモの電波塔も赤白ではなくグレーになっており、夜には青のライトアップ。ここまでの景観配慮は珍しい。市街地からすぐに海に出られるのも珍しい。
全体に活気がある。ネットカフェが異常に安い。30分170円とか160円とか、大阪京橋のコミックカフェの1時間200円にはりあえる安さ。パック料金も安い。想像するに、利用者人口に対してたくさん開店しすぎてしまい、競合しあって値崩れが激しいのではないか。
京橋なる地名がある。国内至る所に青山ありなのだが、京橋もあちこちにある。長い橋を渡ってポートアイランドへ。埋立地の悪口をさんざん言ってるわりには好んで行っている。ここは広い。北埠頭へ歩いてみるが、東京湾にごちゃごちゃある人工島とは規模が違い、なかなか端まで行きつけない。東京にしろ千葉にしろ、あるいは大阪にしろ、たくさんの埋立地が並んでいて運河で隔てられ橋でつながっているが、これは水運の便のため、埋立地を細かく割って沿岸周を稼ぎ、貨物船が接岸できる場所を増やしているのだと思っていた。ところがそうではなかったのではないか。神戸ポートアイランドはでかい埋立地一つでまかなえているのだから。東京都品川区の昭和島界隈とか、中央区あたりの新川の先の人工島は、単に都市計画が行き当たりばったりで、先の見通しもないまま次々に埋め立てていったから細切れになっている、というだけなのではないか。まあ、神戸港が震災の影響やらで国際ハブ港にはなれず接岸長を増やす必要がなかったとかあるのかもしれないけど。
午後にはだいぶ晴れてくる。とはいえ全天中の雲の比率は6、7割だが。大阪もそうだが、京都より海沿いのほうが晴れやすいのではないか。京都は内陸で晴れが少ないのだろうか。あとで気象庁データで要調査。岡山が国内ではもっとも晴れの日が多いらしいのだが、ならばこのへんもそう遠くないのだからよく晴れてもおかしくない。京都で特快晴の条件を狙うというのがそもそも無理だったのだろうか。京都在住歴の長い人に聞くと、だいたいいつもぱっとしない天気が多いという。
とにかく広い。1、2時間では到底回りきれない。しかしぐるっとまわってもとりたててどうというほどでもない。ここにもでかいIKEAが。北欧とかを売りにする家具屋が海沿いに店を出すのはどうなんだろう。そんなこといちいち気にする奴はいないのか。理化学研究所もあるらしい。先端医療の施設も集積している。北のほうの埠頭ではクレーンのすぐ下まで行ける。クレーンにはさすがに立入禁止の表示。もちろん埠頭の海岸線にも出られて釣り人もいる。かなり寛容。これは回りきれないと諦め途中で折り返す。ポートアイランドスポーツセンターはどうにもならなそう。となりの新興宗教施設のようなポートアイランドホールも。ここで15時。戻るのには徒歩で充分なのだが、神戸新交通とかいうモノレールに乗れば路線が通っているところは回りきれるし、高架なので上から見下ろせていいので乗車。先のほうはまだ造成中。誘致できていないだけかもしれないが。ただメディカル関係を集めるという誘致は成功している模様。「オフィス・研究施設用地分譲中」とある。ファッション関係も含め、有名企業の社屋が多い。仙台あたりにくらべてずっと経済規模が大きいのがよくわかる。やっぱ東北は貧しいのか。千葉より大きそう。ガラス張りの温室に「花鳥園」とあり。ここも埋め立て地に鳥を誘致してるのか。公園の噴水に5枚羽根スクリュー。平置きでちょっとやりようがない。橋をこえた別の埋立地神戸空港。徒歩でも渡れる模様。ここもだだっ広い中に閑散。戻って一周し貿易センター駅からポートタワー方面へ。震災メモリアルパークなるものがあり、日曜のせいもあってか結構人が見ている。カマボコ状のオリエンタルホテルなどを通過。神戸は横浜になぞらえられることが多くて、山の斜面に造成された港町で歴史的建造物も多く残っており中華街もあり、と共通点も多いのだけど、お子様向けの遊興施設がないのが違う、と思っていたのだが、飾り立てた嘘くさい婚礼施設が密集しておりやっぱり一緒だと思った次第。ただ外国人観光客には魅力がないし、日本人でも遠くからわざわざ来る理由としては神戸牛くらいしか思い当たらず、どうして観光地として成り立っているのかよくわからない。それは横浜も一緒か。
南京町は中華街というより通りに近い。路面店はラーメン250円とか安いけど量はわずか。普通の店は横浜と変わらず安くない。自作中華の調味料として欠かせないウェイパーのおっさんが笑っている絵の店あり。そうだ神戸の商社が輸入してるんだった。よくそのへんを車が走ってる。目星をつけていた、観光客向けでなさそうな地味なたこ焼き屋が19時閉店で入れず、阪急ガード下の立ち飲み屋が日祝日中生ビール290円とのことで入るが串焼きはぱっとせず。神戸あたりまでは東日本と食生活は大差なさそう。観光客向けのよそゆきの食事は別として、定食屋で供されるような日常の食事では出てくるものはほぼ一緒。それだけ食生活の標準化が行き渡っているということだろう。南九州とか沖縄くらいまで行かなければあんまり変わらないのかもしれない。むしろ名古屋圏のほうが、店にもよるけど甘くて濃くて独自性が高いような。ともあれ撮影対象としてはこのあたりはもう行かなくていいかな。
四条河原町に戻り、寝カフェに忘れたことにして預けっぱはしだったブリーフケースを回収。徒歩で吉田寮へ。飽きもせず揃って大騒ぎしながらゲームやってるよ。
そういえば定地点の時期だった。すっかり忘れていた。