朝から雨。予報も同様。これくらいはっきりしていれば思い切って遠出できる。阪急で新開地、さらに山陽本線。はじめて淡路島を見る。ここはもう瀬戸内海と言っていいのだろうか。車窓から見える街並は平凡な地方。海寄りに煙突がしばしば立っていて噴煙、まあ水蒸気だろうが、をもくもく吐いている。明石はややさびれた地方都市。ここが日本標準時の拠点か。これが結構日本の中枢みたいに思えて、神戸あたりよりも格上な気がするのだが、ただの関東人の偏見か。SEIKOの時計を頂いた市立の博物館が見える程度。セイコーは諏訪だし、あんなに大書するのはどんなもんなんだろう。とにかく素通り。須磨寺とか気になるが素通り。そしてやってきました姫路。11時前着。河原町から3時間かかった。ここもモノレールの残骸らしい橋桁が並んでいたり、30年くらい前にピークを過ぎたさびれた風情なのだが、それがなかなかいい味になっている。アーケード商店街もちょっとくたびれているけれど、シャッター街にはなっておらず、平日昼なのにそこそこ人も通っていて、街として機能している。エスニック料理屋が目につく。トルコ、スペイン、タイ、もちろんインドも。外国人旅行者が気に入ってそのまま住み着いてしまうのかも。ネカフェあり。いざとなったらここで泊まれる。
そしてそして姫路城。駅を出た時点で天守閣が見えるのがすばらしい。でも実はこの天守閣は不格好なんじゃないかと以前から思っていた。最上階が他の階に比して天井が高すぎて座りが悪いんじゃないか。再建とはいえ名古屋城大阪城のほうが形としては整っているように見える。しかも石垣が高くて階建が少ないので下層階の幅が狭く安定感に乏しい。画像で見てもここは評価されすぎなんじゃないかと思っていた。ただ、実際に見ると、天守閣はさほどでもないけどそれらをとりまく城塞とたくさんの城郭が残っていてこれはそこらの複製とは違うと思わせる。
入城料600円。もちろん払わない。寺よりは払うに値するとは思うけど。天守閣がこの箱に向いてないのはわかりきっている。じゃあ何ではるばる姫路まで行ったのか。やることがないから。
岡山や広島まで行こうかとも考えたのだが、京都からの倍近い距離がある。泊まりはどうにでもなるにしても、京都奈良が突然晴れたときに戻って来られない。厳島神社はいずれとは思っているのだが、思いつきでふらっと行ける場所でもない。調べて計画しないと。
帰りは阪神線。海寄り。西宮神社とか素通り。梅田で降りてメーカー系ギャラリーを覗き、御堂筋を歩いて心斎橋の大阪Nadarへ。東京は出店でこちらが発祥なんだとか。出展者のEさんから一心寺に行ったほうがいいとアドヴァイスされる。そうか、京阪の駅広告で気になっていたのだが、これは行かずばなるまいて。大阪おもしろいなあ。釜ヶ崎に泊まるべく心斎橋からまたもてくてく。街を知りたかったら歩くのがいちばん。地下鉄なんて乗ってたらもったいない。荷物が肩に食い込むけど。ところが道を大きく間違え大正駅に出てしまう。ここがまたおもしろそうな店が多くていい。ここからさらに歩くかと思ったが、橋が遠かったりでやめておき環状線。3駅。かなり距離がある。無理してつっぱらなくてよかった。新しい宿を開拓しようと思ったが、風呂がなかったりで結局前と同じウェストに投宿し、cocoroomでネット。このへんは本来は労働者の町だからたいていの店は早くにたたむ。