晴れ。透明度低い。晴れ渡るのを期待して三脚と一式持ったフル装備でミュールーズへ。こじんまりしてちょっと雑駁。聖堂の正面にはドイツ語が彫ってある。さすが国境を行ったり来たりした土地らしい。
さらにストラスブール。ミュールーズ駅で片道の切符を買おうとしたら、係の女性が往復じゃないのかとしつこく訊いてきて、週末限定のアルザス一帯1日乗り放題の切符を買えと親切にも勧めてくれる。13.5ユーロ。なんだ最初からこれを買っておけばミュールーズまでの6フランを使わずにすんだ。スイスの鉄道は改札も特になく、道からそのまま自由に乗り込めるが、抜き打ちで検札があり有効な切符を持っていないと高額の罰金が科されるというドイツ式。フランスの駅には乗るところで改札機があり、切符を入れると乗車日時を印字される。検札は何度か来る。
ストラスブール駅舎は古い建物に透明の巨大なひさしをつけた、一見現代建築リノベーション型。旧市街は古い建物が多いがバーゼルのほうが統一感があるようだ。整序されているというべきか。こちらのほうがバーゼルより開放的に思えるのはそのせいか、それとも単に晴れているからか。旧市街の外には鉄コンが目立つ。旧市街中心部にはひときわ高くそびえるノートルダム大聖堂。尖塔は片側のみで西側正面から見ると左右非対称。高さ142mとのこと。赤くて重厚な建物で、いたるところ彫刻が施してある。日光東照宮が悪趣味だというならこれはさらに上を行くだろう。入り口のまわりにこれでもかとぞろぞろ居並ぶ天使像みたいなものは悪玉らしきものを踏んづけていて、仁王像とまったくいっしょ。しかもこれがとても目が届かない上のほうまで施されている様子。あの執念が宗教的熱情なのだろうか。ともあれこれを見ただけで行ったかいがあった。ステンドグラスも壮麗。中も見たかったのだが閉まっていた。
でも普通に撮影してみたところで陳腐にしかなりようので見るだけ。だいたいが、重い荷物を背負って歩き回りながら1枚も撮影しない、賽の河原でシジフォスが石となって小突き回されるがごとき果てのない徒労、「撮影日誌」を名乗りながら撮影なんてさっぱりしない看板に大偽りがこの日誌の身上であって、デジタルカメラの説明的写真で撮影したつもりになってるようじゃいかんのだ。
路面電車バーゼルと近い型だがあまり走っていない。土曜は運休なのか。こちらは信号が赤でも車が通ってなければ渡るひとが多い。子どもでも。自転車に乗った子どもに「おはようございます」と声をかけられたのでこちらも返した。夕方だったけど。週末のせいか若いひとが多い。やたら警察がうろうろしてると思ったらオバマが来ていたらしい。
帰路で雨が降った様子はなかったのだが短時間虹が出ていて、これが太くて色の分離も日本で見るよりはっきりしているような気がしたのだが気のせいか。