あいかわらず天気がさえない。しかもどうにもやる気が起きない。こんな時は無理して動き回ろうとせず、黙々と手を動かしてものをこしらえるに限る。手業だけは袋小路で支えになってくれる。暗室作業でもいいのだが、焼くべきネガがないし、何しろこの時期に稼働できるような暗室ではない。
新型器を改良すべく、仮組テープを剥がしていざ本組、としばし考えるうち、これやっても無駄なんじゃないか、どーせまた無視されて終わりだろ、といつものネガティヴループが発動。やめたやめた。工作自体をおもしろがれないならその時点で見込はない。
そこでこの先の思いつきへ。カットフィルムホルダを掘りおこす。かつてある「写真家」からカメラを買ったおまけとしてゆずりうけた旧式のFidelity。5枚もらって、4x5の最初の撮影で使ってみたところ、すべてどちらかの面か両面かで光線引きが出た。10年やってて、ホルダが原因でかぶったのはこれだけ。目で見てその場で使えないとわかる品物ならまだしも、フィルムと現像にかかるコスト、さらには撮影の機会までも無駄にしてようやく光線引きが出ると判明するようなガラクタを、よくひとに押しつけられるものだ。でも、使えないのがはっきりしているおかげで、このホルダを遠慮なく切り刻むことができる。ドリルで穿孔。切っ先が滑ってなかなか削れない。アルミ板の平滑さのせいか。センターポンチと面取りドリルでアタリをつけて両面から貫通。4x5カットフィルムホルダの底板はこうなっていたのか。厚さ2mm程度のアルミ板。こんな薄い板きれ1枚きりだったとは。穴を開けなければわからなかった。丸ヤスリで削って穴を広げる。さて。