今日も午前中は空が白っぽいが、加えて雲も多い。ここ数日と違って午後になってもはっきりせず、駅まで行って迷ったが撮影は見送り。16時頃には雲がなくなったが判断は妥当だった。
昨日箱を完全に閉めないまましばらく放置した100TMXがかぶってしまったかもしれないので、その確認も兼ねてこれでテスト。手持ちのほとんどに本番撮影用フィルムを装填してしまったので、前部と本体でテストに使えるのが1組だけ。これを使いまわし、1器ずつテスト露光。16時20分から先を詰めた7号器、11.6、10m、これも詰めた5号器、EV10.8、20m。露光終了時にはEV8程度。日没後は室内で、今のところテストでは順調な4号器と先を刎ねて絞った3号器、EV8.6、30m。薬品はなおも使いまわし。23.5℃、25m。結果。3はOK。ところが昨日はOKだったはずの4号器はでっかくケラレている。まったく何を信じたらいいのか。3と順序を間違えた可能性もある。5もケラレ。7はひとまずはOK。フィルムのカブリは今のところなし。やっちゃったかな、と思っても結構平気なもの。
Kodak Hard Rubber TankとFilm and Plate Developing Hanger No. 4aでシートフィルム現像をしていると、タンクの周囲が液でびしょびしょになる。見えなくて手探りで作業しているのでどうしてもハンガーをタンクに命中させられず外にこぼしてしまうのだが、他のひとはもっと手際よく行えたのだろうか。あとタンクから貯蔵ボトルに液を戻す時も、角から直接注ぐとどうしても液が下に垂れる。
フィルム現像をやっていると、蓄光塗料が塗られた暗室時計が必須になる。蓄光塗料が発光している以上、そこはすでに完全な暗室ではないわけで、かといって光らなければ時計として機能せず、だから「暗室時計」というのは語義矛盾なのだが、自動現像機のたぐいでなく手作業で現像時間を管理する限り、蓄光塗料に頼らざるをえないだろう。こうしたものを使わずに、文字通りの完全暗室で手現像をやっているひとがいるのだろうか。メトロノームの音を数えるとか。
それはともかく、暗室に置いておくと蓄光塗料が光を放出しきって発光しなくなってしまう。なので、弱ってきたら文字盤を光にかざして光を蓄えさせる。これが、このテストで、充分光を回すために、写真器を光源の前で揺らしてまんべんなくフィルムを露光させる動作と似ていて、ああ、まさに蓄光だ、と思う。フィルムなど受光体の場合は光を溜め込むのではなく、別の状態へ変換するのだが、蓄光塗料は、まさしく光を蓄えて放出する。真の意味で光を蓄積するもの。そう考えると、なんだか写真加工工程のためのただの道具であるはずのこの時計が、写真よりずっとありがたいものに思えてくる。