H-4.7F-2.8時間かけず急に下がった様子。富士がくっきり。
特快晴。新宿駅。駅のとっかかりとしては悪くなかろう。なんたって東京駅よりこっちのほうが利用頻度が高い。でも、これほど何度も行き来してきたはずの新宿駅でも、いざ撮影しようという目で見て歩いてはじめてわかることというのがたくさんある。下見で露出を測った時点でさえそういうふうには見きれてなかった。地下はつまらない、というのにやっと気づく。南口と東南口につながる上階のほうがいい。ありえたかもしれない撮影の可能性を、こういう調子で無数に見落としてきたんだろうなと思いいたる。京都でも大阪でもバーゼルでもベルリンでもパリでも。でも、また行けばいいじゃないか。撮影の可能性は無限にあるのだ、それこそ無限に。こうやって知らぬ間に押さえつけている可能性に気づいていくことなんだろう。やりつくしたという寂寞さにまみれる前に、目を覆っているものをとりはらえるようでありたい。小型カメラをぶらさげてスナップの対象を漁りながらうろうろする様子のおかしい同類。片やこっちの行動はそんなにあやしくないけど、重装備のなりが異様なのでうさんくささは一緒か。10時前から、といっても照明状態は年中たいして変わらんだろうけど。EV8.0前後、ISO400でEV9.3。むろん400NC。3段増感現像の予定だがそれでも基準露出20sに3段足りない。長めに3m。どこ向いてるかまるでわからん。まったくあてずっぽう。壁際に移動しEV9.3前後、ISO400でEV10.6。80s。これでも明るく感じる。現像しプリントしてみないことにはこれでいいのかわからないので2枚だけ。
駅を出て東口を歩く。12時前、新宿5丁目交叉点で野村證券へ。左に動いてもう1枚。こちらは160NSで20s。路上は誰に気を使う必要もなく気楽でいい。ストリートスナップはそうもいかないらしくて世知辛い世の中だが、公共の道路で三脚立てて文句いわれる筋合いはない。それからスタジオアルタ前の広場から正面へ。20s。どれほど陳腐な対象であっても写真にできる。むしろ陳腐なほどいい。
ビル街は日の低いこの時期には向かない。影がかかりすぎ。これも今日はじめて知った。この20年何をやってたんだか。それだけへんちくりんなことばっかりやってたわけだが。かといって日の高い夏至前後は天気が悪い。いつやりゃいいのか。難しい。セーラー服を着たおっさん1人が寄ってくるのと、セーラー服のおっさん10人が並んでやってくるのと、はたしてどっちが怖いか、ってのと同じくらい難しい問題だ。
西口ざっと回るが整備されててどうもひっかからない。猥雑なほうがおもしろい。なんという心境の変化。これもひとえに道具のおかげ。
ヨドバシカメラで注文してあったCD-4をようやく購入。実勢5,800円程度。50gで。高い。nncに電話で聞いたら、溶解前なら別に冷蔵の必要はないとのこと。ただ空気にはさらさないほうがいいらしい。ネガも薬品も揃った。あとははかりとpH計。
荷物が重い。4x5の2セットと三脚2本はさすがにこたえる。QLホルダとフィルムはなくていい。15時頃帰投。明日も早い。