CN-16Lの標準現像工程では、発色現像浴と漂白浴の間に水洗が入っていない。ミニラボ機器なら液切りされて現像液が漂白液に持ちこまれる量が抑えられるので漂白液の劣化も少ないと思われるが、ハンガー現像では持ち込み量が無視できない。それより大きな問題として、水洗なしでいきなり漂白液に浸けるのが現像ムラの原因になっている可能性もある。しかし、勝手に水洗を挟んだらかえって現像ムラの誘因になるかもしれない。迷ったら供給元に聞くのがいちばん。現像ムラに関しては、水洗を挟んだことで悪化することはないだろうが、挟んだからといって改善するかどうかわからない、という。害にならないのであれば、漂白液を長持ちさせる点ではやったほうがいいに決まっているのだから、やっぱりここでも水洗することにする。都合水洗3回。モノクロ同様の酢酸による停止液はあまり意味がないんじゃないかとのこと。
 
いよいよカラーネガの増感現像だが、発色現像使用液と補充液以外はノーマル現像と変わらない。使用液は、通常と同じ条件で作成した上で、『暗室百科』等にて指示されている量のCD-4を添加するのが順当なのだろうが、スターターで現像主薬の能力を減殺しておきながら現像主薬を増量するのがどうにももったいない。1g115円もするのである。最高級の松阪牛並。そこでスターターも水も加えずにCD-4の添加量を極力減らす方向で考える。目安として増感時のCD-4添加量が4g/lとのことなので、1.8lで7.2g。一方、公開処方であるC-42では使用液のCD-4が4.75g/l、FC-1カラーネガ現像液のCD-4は5g/l。CN-16L-N1RおよびCNL-N1Rの使用液でも同等であると仮定する。そうするとCNL-N1R使用液1,800mlのCD-4含有量が9g。CNL-N1R A液900ml+CNL-N1R B液900mlによる補充液1,800mlのCD-4含有量は、水による希釈分から考えて、その1.33倍で12g。補充液のほうが使用液より3g多いので、推奨される添加量7.2gからその分を差し引いて4.2g。端折って4g。スターターの現像抑制剤の分は考慮していないが、とりあえずこれでやってみるか。スターターを入れないとカブリが出るというがそれがオーバー現像ということなのかもしれないし、とにかくテスト。
 
カラーネガフィルム増感現像のための薬品作成法と処理条件 第1版

  • 発色現像:CNL-N1R A液900ml+CNL-N1R B液900ml+CD-4 4g+水酸化ナトリウムをpH10.05±0.05になるよう適量添加 → 1,800ml

     ・11mから(30℃)、初期攪拌後、30sに1回攪拌

  • 水洗:水道水

     ・30s(室温)

  • 漂白:浄水器で濾過した水600ml+CNL-N2R1,200ml → 1,800ml

     ・1m30s(30℃)

  • 水洗:水道水

     ・2m10s(室温)

  • 第1定着:古い第2定着液

     ・2m(30℃)

  • 第2定着:浄水器で濾過した水1,800ml+エコジェット タイプJ1 N-3 15錠

     ・1m40s(30℃)

  • 水洗:水道水

     ・2m10s(18−42℃)

  • 安定:CNL-N4R 8L用原液が84ml、21mlに浄水器で濾過した水を加えて2L

     ・2m程度(室温)

  • 発色現像補充液:CNL-N1R A液4ml+CNL-N1R B液4ml+CD-4 0.05g → 8ml/4x5
  • 漂白補充液:CNL-N2R → 2ml/4x5

 
発色現像補充液のCD-4添加量は使用液の単純に1.3倍で出してみた。足りないかもしれない。
これを初期条件としてひとまずやってみて、結果から導かれる増感段数に合わせて撮影条件のほうを調整する。
しかしpH計が届くのは明日。明日暗室はできそうもない。しばらくおあずけ。