暗室調度のためホームセンターめぐり。このあたりはホームセンターがたくさんあって自作者には便利。そういえば10年前に旧居に越してきて暗室構築をはじめたとき、遮光カーテンや何かを見つくろうため近隣のホームセンターを自転車で片っ端からまわったのだった。今回は徒歩。
CP31の排水ホース延長には内径10mmのホースが必要。ケーヨーデイツーにあるというので行ってみる。透明でCP31のキャップは難なくはまる。水漏れもなさそう。CP31付属の排水延長ホースの継ぎ手はホースに固定されているようなので別に継ぎ手を調達する必要があるが、直線とL字型とT字型が用意されている。買ってもよかったのだが、まだ暗室内の配置が確定しておらず、メインテーブルの左右いずれにプロセッサを置くかでホースに必要な長さが変わってくると気づいて見送り。ホース以外は、サブロクの合板もカット設備もなく、あまり使い道のない店。府中かどっかのケーヨーデイツーも、わざわざ行ったのに園芸用品ばかりでがっかりした記憶がある。
暗室内で薬品をこぼしても床が汚染されないようシートを敷く必要がある。旧居ではシートがあるのに拡げていなかったため、大全紙の現像作業で盛大に垂らした薬品のシミがあちこちについていた。はじめが肝心。什器を設置する前に敷いておかないと拡げられなくなってしまう。最初の暗室は畳敷きだったため、液をこぼさないようにブルーシートを敷いていたのだが、冬場にバットの下に置いたサーモスタットつきのオートヒーターをつけたまま寝てしまい、どれほどの期間そのまま放置したのか忘れたが、気がついたらブルーシートがヒーターの熱で溶けてヒーターの裏側にへばりつき、しかもあろうことか畳まで巻き添えにしていた。そのヒーターは捨ててくるはずだったのに、なぜか足許にある。裏側には泥と化したブルーシートがこびりついたまま。次の居室ではシートは敷かず、旧居では島忠で買った銀色のブルーシート、というのも語義矛盾だが、を一部に引いていた。これは薬品まみれだったので、引越後の清掃期間中に戸外の共同の流しで水につけておいたら、風で飛ばされたか捨てられたか知らないが、次に行ったときにはなくなっていた。で、新調することに。ブルーシートはよくない。色がだめ。とはいえ見てくれなんてのはどうでもいい話で、あんな強い色が床一面に広がっていると、プリントの色を適切に評価できなくなるからである。人間は色を相対的に知覚するので、同じ色であっても周囲の色次第で見えが変わる。同じ色なのに、とりまく色によって別の色に見えるという色の対比の錯視でも明らかなとおり。夕方の空が青く見えるのは、太陽光が赤から黄に転んで、それに照らされる建物や植物が黄色く見えるから心理的に空が青く見えるだけであって、計測上の空の色はさして変わっていない。田中一光には絶対色感があったなどといわれるが、常人より色の感覚が鋭かったのかもしれないけれど、絶対音感を有するひとのように色を知覚することなどできるはずがない。そういうわけで、床に限らず暗室や色を見る環境は無彩色がいい。パソコン上で色を扱うひとがデスクトップをグレーにするのと同じこと。でも銀はぎらぎらして目障り。ほかにあの手のシートにあるのは緑とか褐色とか。迷彩柄なんてのもあるが論外。
そこであちこち探して、ビバホームで白を見つけた。商品名は「イメージシート」。#3000番で厚手。一般的なブルーシート相当。やや透けるが白なのでしょうがない。試してみた限りでは水は漏れない。ちょうど部屋の広さに相当する6畳用があるが、実寸は6畳よりやや小さい。ところが、周囲を土手のように立ててタライ状にし、薬品がシートにこぼれても床に流れるのをせきとめるようにしたいので、部屋の広さより一回り大きい必要がある。ブルーシートなら8畳とか10畳があるのだが、白いやつでは6畳の上は12畳。だいぶ余りそうだがこれしかない。2,780円。ブルーシートより5割くらい高い。寸度の単位は畳と間だが中国製。ビバホーム赤羽店も木材は品揃えが薄く、サブロク板11.5mmの下地合板が880円で1カット30円と安い以外に見るべきはない。しかし厨房用品が充実しており、39cmもある中華鍋とか重たい厚底フライパンなんてのが置いてあって、プレス成形で上物ではないが明らかに業務用。飲み屋街が広がる土地柄に合わせた品揃えなのかと思ったが、ビバホームはどこでもああなのかもしれない。駅からも近く行きやすいので、ちょっと買い物するにはいい。次に行ったスーパーバリューにも鍋類はたくさんあった。でもここはDIY方面がまったくない。イオンモールの小さいみたいな、家具が置いてあるスーパーという程度。もう行く必要はない。ただレジが18レーンもずらっと並んでいて、そのすべてに客が行列しているさまは壮観だった。
そしてドイト。由来がDo itなだけあって、工具とか木材など、DIY関連はやっぱり充実している。日曜大工のDIYにはとどまらず、もはや本職向け。後楽園店や練馬もその路線だが、ここは広いだけあって品揃えが段違い。ここにも内径10mmのホースと継ぎ手があった。10cm8円だったか。イメージシートもあったが6畳まで、しかも2千円以上でビバホームより高い。しかし、防炎でより厚手でさらに大きな白のシートが4千円くらいであった。合板もここが一番。島忠中野店も上回る。ブロック類も豊富で安い。金属やプラ関係の素材の品揃えもハンズ並。
店の傾向だけ確認して、シートだけで充分重いので今日は帰る。全行程徒歩。さすがに疲れた。
浮間あたりの荒川はよかった。雲6割くらいでカメラを持ってこなかったことを後悔しない程度のちょうどいい天気。このあたりにも歩いていない道はまだまだたくさんある。