乾燥したように見えるコンクリレンガを荷造りひもで結わえる。4段も重ねると崩れそうで不安なので少しでもがっちりさせたい。

半自動梱包機とPPバンドできっちり結束してもらおうと、梱包機がある島忠やビバホームに問い合わせたのだが、コンクリレンガを扱っていない。やむなくドイトで買って手作業。ほとんど気休め。奥の脚は幅に余裕があるのでもっと堅固なコンクリブロックで。
コンクリブロックとレンガの土台の上に机を組み立てる。

ひと月かかってようやくここまでこぎつけた。まずまず安定している。震度3ならもちこたえるだろう。それ以上だとわからない。前方の脚の間隔は172cmを確保した。あと2cmくらい開けられなくもないが無理しないほうがいい。

そして引き伸ばし機を鎮座させる。Saundersの大全紙イーゼルを載せると、立ったまま肘を前方に直角に折った高さより2cmほど上にイーゼルの作業位置がくる。2cm厚のコンパネをかました分だけ上がった。コンパネを外して2cm下げてもいいが、この状態でも以前よりずっと作業がしやすそうな手応え満々。床から机の天板までは95cm、イーゼルの台板までは103cm。店舗の接客カウンターよりやや高い。座るとあごのすぐ下にイーゼルがある。ちょっと高いかもしれないが座っての作業はピント合わせくらいであまりない。高倍率になるとヘッドの昇降に手が届かない。いすに乗ってヘッドを動かす必要がある。でもそう頻繁に行う作業ではないし、机だけの高さの時でもいすなしでてっぺんまではとどかなかった。フォーカシングエクステンションがあるのでピント合わせでピントノブに手が届かなくても大全紙くらいまでは平気。引き伸ばしヘッドは天井に接触するまで上げられる。

机にはフィルム現像のトロ舟と大島工業のA2ロータリーカッターも並べる。テストピースを切ったり大きな印画紙から切り出すためにはさみや一般のカッターとカッティングマットをずっと使っていたが、暗室ではまっすぐ切れずテストピースが不揃いになり、小さすぎてプロセッサに詰まるトラブルもときどき発生した。それにホコリや指紋もつく。カッターはどうしても必要だとずっと考えていて、引越後にA4サイズくらいのギロチンカッターを買おうと物色したのだが、ロータリーカッターのほうが安全で使いやすいし、せっかくなので大きい紙も切れたほうがいいと考えこれにした。2008年の個展時に買った大全紙の残り2箱がもう展示に使うにはつらく、六切の印画紙の手持ちが底をつきかけているので、大全紙からテストプリント用の六切を切りだそうという腹もある。610mmまで切れるので大全紙の長辺が入る。60インチロールはさすがに入らないが、150cmものロータリーカッターがあっても置き場所に困るだけ。必要となったら一般のカッターで切るほうが現実的。さて注文し荷物が届いたら妙に軽い。LPLのロータリーカッターの台板は積層板でずっしり重く安定しているが、こちらは薄いステンレスの天板と仕上げの悪いプラ製。珍妙な配色はいいとしても全体に安手。紙のセットはLPLよりやりやすい。ロール紙でも楽に入れられそう。
ところが、切れないのだ。
厚手のボール紙なんてまったく切れない。RC印画紙でやっと。厚手バライタでも1回では切れないだろう。何往復かさせれば切れるかもしれない。LPLには刃圧切換機構があって1.5mmまで裁断できるという。アルミ製の印刷用刷版であるPS版をこれで切るという例もあったような。しかもLPLは自動研磨式で切れ味が持続するが、こちらは下にゴムのマットが敷いてあり、包丁がまな板にあたってなまっていくように、使うごとに切れ味が落ちる。替え刃と替えマットが用意されており、いずれも消耗品。下にぎゅっと押しつけながら切るのだが、軽く前後させるだけのLPLより使いづらい。これはいい買いものではなかった。あちこちにOEM供給されているようだが、みな同様だろう。LPLにはないミシン目の替え刃が用意されているが、そんなもの使わない。LPLはこれよりだいぶ高いが、価格差に見合う性能差がある。これからロータリーカッターを買う人は、長く使えるのだからLPLにしておいたほうがいい。日東あたりで中古を見つけたとき、1万数千円したので購入をためらっていたらすぐに売れたのだが、あのとき買っておけばよかった。ただ暗室での紙の挿入と保持はこちらのほうがやりやすそうなのでよしとしよう。
まだ大全紙すら焼けない。60インチロールへの道のりは遠い。