いよいよプリント。まず廃液処理業者からあずかっているポリタンクにフィルム用第1定着液を投棄。ポリタンクはたぶん10Lで白い。一見燃料用のポリタンクと変わらないが、キャップに内蓋があって密閉度が高い。保存中は水を揮発させるので使わないが、部屋の中を動かしたりするには安心。ポリタンクは1回切りの使い捨てとは考えられず、何度も使われているのだろうが、薬品の付着もなくきれい。洗浄されているにせよ、内壁にこびりつくまで貯めておくやつはそうそういないということだろう。気をつけよう。フィルム用発色現像液を保管用PETボトルに移す際にこぼれた分を受けたのも投棄。ポリタンクに直接字を書くのも憚られるので、定着液かその他か区別がつくようにしておく必要がある。

プロセッサCP31のオーバーフロー液を受けるために、2LのPETボトルが4本必要。PET入りの茶なんかを買って飲むという習慣がないので、ボトルを入手するためにわざわざ買うが、ばからしくなってゴミの回収日に拾ってくる。

プロセッサの第3槽、水洗槽の排水ホースに、買ってきた透明ホースを装着。ホースバンドは本体側の黒ゴムホースには細くて装着できず。左にトロ舟用のヒーターが見える。
純正の黒いゴム製の短い延長ホースが見あたらない。透明ホースを検分するためにあちこち持ち歩いてなくしたのだろうか。1、2槽にはつけてある。透明ホースによるホースの延長がうまくいけば黒いゴムの延長ホースはいらなくなるのだが、栓となるキャップがついたままだったので、これが見つからないと液を槽に貯めることができない。

さしあたりホースをプロセッサの液面より高く上げて、キャップなしでも排出されないようにしておく。
フィルム現像タンクを並べたトロ舟は片づけて、かわりにプロセッサから排出された印画紙を受けるバットを机に置いて水を張る。左下に見える白いのがそれ。

当然ながら槽の水位と同じ高さまで水がくるが、本体を作動させると水位が下がる。ポンプの圧がかかって吸いあげられるのだろう。

漂白定着用のB液に発生した謎の浮遊物を漏斗で濾しとる。液は古くなった沢庵のようなにおいがしたかも。原液ではなく、水で希釈したことがこういう事態を招いたのかもしれない。濾した浮遊物の処理法を迷うが、可燃ゴミに出すことにする。定着液成分が残っていても問題なし。A液と混合した漂白定着液のpHは4.55程度。
ロータリーカッターは下に押す力が弱いと切れ残る。ぎゅっと押しつければRC印画紙を2枚重ねても切れる。
入手した大伸ばし用のRodagon-G 150mm/5.6を通常のRodagon 150mm/5.6と比較。Rodagon-Gのほうがピントが合わせづらく、コントラストが低いような気がするが、倍率が使用範囲からかけはなれているからだろうか。六切なので倍率は1.7倍程度。Rodagon-G 150mmの使用倍率範囲は10倍から40倍、設計基準倍率は20倍。一方Rodagon 150mm/5.6の使用倍率範囲は2倍から10倍、設計基準倍率は6倍。Rodagon-Gのほうが焦点距離が短いのか、あと鏡胴が短いせいもあるのだろうが、小さい倍率まで焼けるようで、Rodagon-Gで設定した倍率では、Rodagonでは蛇腹の伸びが足りなくてピントが合わせられなかった。
そして露光しプロセッサへ。結果、色はちゃんと出るし銀も抜けている。カビが生えた漂白定着液だって使えるよ。
排出された印画紙が自然に落ちてバットの水につかるのを想定していたのだが、プロセッサが低いためにそうはならず、六切の短辺の長さ20cm程度だと先が水につかっただけになる。プロセッサのテーブルを机と同じ高さにすればいいのだが、そこまでするほどのことでもない。
この暗室は作業がたいへんやりやすい。自分の部屋なので、レンタル暗室より居心地がいいのは当然だが、旧居よりもずっと快適に作業できる。暗室として考えぬいて整備したからだが、特に作業位置を高くしたのが大きい。机の高さの70cmは暗室作業には低すぎる。腰をかがめて作業しなければならず負担がかかる。これまで使ったレンタル暗室、狛江と東新宿新宿御苑の3件のどこよりも使いやすい。部屋が広いせいもあるだろう。新宿御苑のカラー暗室以外のレンタル暗室は個室ブースが狭くて、大全紙を切ろうとすると床に置いてつっかえながらやらなければならない。使ったことはなく下見しただけだが、赤坂や高田馬場や関内の暗室も似たようなもの。しかも新宿御苑以外はどこも、大全紙を焼こうとすると共同使用のシンクやプロセッサで現像処理する必要があり、効率も悪いし何かとわずらわしい。ただ、ちゃんとしたカラーのレンタル暗室なら乾燥した状態で印画紙が出てくるので、そこだけは便利。
浴室までにカーテン2枚と引き戸とドアを開ける必要があるが、最終水洗と干すために頻繁に浴室に出入りするので、これはちょっと面倒。昼間のフィルム処理にはすべて必要だが、プリントならカーテン1枚と引き戸で充分ではないか。夜なら引き戸だけでもいい。
Nのプリント。思ったよりはうまくいっているようだ。