特快晴。

指はだいぶ固まってきた。赤いところは皮膚が完成途上で、このあたりは感染症の危険はなかろう。白っぽかったり黄色いところが死んだままの皮膚。このあたりがまだ痛む。やけど、に限らず外傷はみなそうだろうけど、これがしんどいのはその痛みだけでなく、変わりはてた自分の身体の無残なありさまを直視しなければならないということだろう。こんなひどいことになっちゃって、というのを見せつけられることでつらさがいや増す。こんなことは周知なのかもしれないが、これまで切り傷とか打ち傷とか爪がはがれるといった程度の怪我しかしていなかったのでようやく知った。切り傷より皮膚の損傷面積が大きい分感染の可能性も高いし、何しろはがれた皮膚のグロテスクさが、これが自分の足かと悲嘆にくれさせる。でも、2度のやけどならいつか必ず皮膚は再生して元通りに直るのだ、とみずからにいいきかせながら、毎日長い時間かけて手当している。包帯を巻くと、あわれな自分の体を隠せるのでほっとする。やけどして2週間がたったが、傷の写真を撮るようになったのは余裕が出てきたからで、しばらく前には直接撮影しようなどということは思いつきもしなかったし、消毒やら洗浄やらで精一杯だった。その程度にしか写真をやる気がないのだと言われれば、その通りだ。この、足の写真に関しては。

pomeraが出てこなくて1時間近く探しまわる。充電器はほとんど充電できていない気がする。どなりこんでやる、といきたいところだが、そこまでの英会話能力はない。
10時過ぎようやく出発。7th st/Metro ctrからMetro Silver Lineに乗換。信号待ちの間にちょうど便が出てしまう。ダウンタウンでは専用ラインではなく一般の車道を走り、バス停もMetro Busと一緒。Metro Passで乗ったらあと95cents払えという。Quarterを3枚入れたつもりが、表示は1.05。払いすぎたか。しかし釣り銭は戻らない。運転手はOKと言ってる。まえのひとの投入額に上乗せされたのか。わからない。Harbor Fwyを南下。フリーウェイの真ん中にバス停というか駅があり、跨線橋やBlue Lineにつながっている。Blue Lineは事故で止まっているらしかった。終点で246が待っていてすぐに接続。Avalon Blを南下。
妙な刈り込みの木。携帯のアンテナが偽装してとりつけられているのか。
San Pedroは荒廃した様子がなく平和な街というおもむき。LA Harborの先にはガントリークレーンが立ち並ぶ。港だ。Evergreenのコンテナが積んであるが、台場あたりにあるのより長い。海の先の空はくすんでいる。海の彼方の南の陸地もかすんで見える。海の近くの町並みはどこか明るい。突端で丘をぐるっと回って終点のPaseo del Marに昼過ぎ着。断崖の上に芝生の公園。ピクニックの家族たち。ライヴするバンド。特に写真に撮るべきものもないけれど、Santa Monicaよりのんびりしてていい場所。


ここで電池切れ。朝も充電器にかけたのに。くっそ絶対どなりこんでやる。岬の突端をぐるっと回って小高い丘に登る。先に瓦葺きの鐘楼らしきものが見えるが、ちょうど246のバスが来たので見送りあわてて戻って折り返しに乗る。Pacific Av/7th Stで247に乗換。LA港の東側を走るが246と大差なし。LA Maritime Museumなど。Long Beach Harbor車内アナウンスがあって、別の道を走るということだろうか、路線図ではHarry BridgesのはずがAnaheim Stを走っている。逆方向のLAX行き232に乗換、Pacific Coast Hwyを西。どのへんがハイウェイなのかよくわからない。Hawthorne Stで344に乗換。ひと山かふた山か越えてRancho Palos Verdes。丘陵がなだらかに海へつながる。海はこちらのほうが深そう。Monacoとか自称しててここも高級住宅地、あるいはリゾート地らしい。煉瓦色の屋根にクリームの壁の同じつくりの家が建ち並ぶ。Ralph'sやTrader Joe'sといった庶民的ストアがあるからそんなに高級でもないのかも。終点のSeacoveで降ろされ、とりたてて歩くほどでもないのでそのまま折り返して乗りたかったのだが、珍しい白人の運転手はすぐにターンして行ってしまった。16時半前。次が来ない。17:04やっと来た、と思ったら1駅で降ろされ、その先のバス停で待てという。南の陸地の手前に靄が立っている。17:30にそのバスが来た。Artesia/Prairieで210に乗換、行き先Hollywood/Vine。これが失敗。道が混んでて進まないし、貧民街を通っていくのでガラが悪くやかましい。黒人だけになる路線ははじめて見た。運転手も気が立っているのかクラクションをしょっちゅう鳴らす。乗車口すぐの対面席に座ってしまったため、やけどした足を踏まれやしないかと気が気じゃなかった。着いたのは20時過ぎ。Metro Silver Lineは追加料金とるだけあって速いし楽。遠回りだがだいぶ早く着いたと思う。ケチらないで帰りもこれにすればよかった。せめてRapidの710に乗り換えればよかった。
途中過度な福耳の白人の若い男2人。片方は直径4cmくらいの円盤を耳たぶに埋め込んでいる。ぶらさげてるのではなく、巨大な穴をあけて福耳化しているのだ。もう片方は6cmくらいのリングを入れている。耳たぶが輪になっている鎌倉の大仏のよう。あんなに人間の肉が伸びるとは知らなかった。鼻の左右の穴をつないでいるらしい金属版も覗く。まあ土人の風習にしか見えない。