曇。昨日よりは空が覗く。
11時前にMetro Red LineのNorth HollywoodからOrange Line。Metro Passでは追加料金がかかるらしいのだが、2両編成のバスで、駅で大勢が待っているときにはうしろのドアからも乗っているひとがいるので、それに続けば料金を払わずに乗車できる。専用道路だが、途中Tampaぐらいまでは何もない。canoga駅から先も最近できたという風情の街だが、専用道を通すまではできなかったらしく一般車道を走る。Warner Ctrは、どこも区別がつかないほど似通った、南の荒涼とした町並みより整備されていて、つくりものくさいが、探せば何かあるかもしれない。
戻ってMetro Red LineのUniversal City駅。何もなし。Universal Studiosは外から何か見えるのだろうか。敷地が広そうだしまず見えない気がする。いや撮影できるなら入場料払って入ったっていいんだが、三脚立てての撮影は、よほどの根回ししない限りはまず無理だろう。
Union Stationでトイレ。誰でも使える無料のトイレはなかなかないのだ。有料トイレすら珍しい。Pershing SquareとかNorth Hollywood駅で見た程度。25cents。Mのハンバーガー屋でもそのくらいとるらしい。こっちのひとは日頃外出時にどうしてるんだろうと考えたが、外で必要に迫られたらガススタンドに行けばただで使えるということらしい。ついでに給油もしてもらえるから店としてもうまみがあるし、自動車での移動が標準という社会なのでそれで充分ということだろう。
Pershing Sqaureで降りてダウンタウンを見て回る。日は射すが雲もある。ある程度は動けるし、明日晴れたら三脚持ち出して撮影しよう。きっとできるはず。


Broardwayで撮影して10カット程度で電池が干上がったところで、クレームつけに充電器を買った店を探す。しかし似たような店がたくさんあって、店員も似たような顔なのでどこだかわからない。しかしどこも店構えが記憶と一致せず、3回くらいうろうろするがどこも違うような気がする。5th Stで降りたという日誌の記述ともかみあわない。しょうがないので、1件ずつ電池を示して、充電器の在庫を確かめることにする。その店に入る前に2件は在庫がなかったので、在庫の有無で目星がつくはず。1件ではEOS-kiss X2のEP-1専用の充電器があって、薄型だし、つかまされた品は汎用で電圧もバラバラな各種電池に対応させているためにまともに動かない気がするのだが、これよりはまだましなような気がする。しかし買わされた個体だけの不良という可能性もあり、交換してもらえばちゃんと使えるかもしれないので、そこを確認せずにこれを買うのは早い。そこで断る口実を探して、How much?と聞くと25という。そこでNo, thank youと帰ろうとするとGive me 10 dollersという。そのまま出たが、10ドルなら買ってもよかったと後悔。
別の店では、Canon各期種のバッテリー併用だが、つかまされた品のようなユニット交換型ではない製品があった。カメラの専用電池の充電器はあちこちが出しているらしい。あんなもの回路は単純だし、プラ成型の型さえ調達すればどこでもつくれるだろう。しかしこれも所有してるのと同じ問題が起きそう。値段を聞くと29ドル、去ろうとすると27、26と下がっていった。この地では定価販売で、ふっかけも値切りもないなんてまるで嘘だろう。
別の店では、電池を出したとたんにないと言われる。でもあのおっさん見覚えがあるんだけど……欠陥商品と知っててつかませたのかも。ただ店構えが買った店と違うような気もする。1件休業の店があって、位置からしてもあそこだったのかもしれない。でも、もうめんどくさくなってきて、ちゃんと使えるのを買っちゃおうかと思い、さっきの10ドルの店に行ってみる。15ドルくらいにされるかもしれないがやむなし。ところが25ドルと言い張ってまったくゆずらないので出てくる。行きがかり上足元見られるのは当然だが、25からいきなり10に下がるのもおかしい。前にも、29ドルを20ドルに値切ったら、20ドル出せと言われて渡したとたん29ドルじゃなきゃ売らないと言われたこともあったので、こいつのGive me 10 dollersも、10ドルで売るとは言ってないわけで、10ドル渡したら25じゃないと裏いと言われたのかもしれない。いずれにせよ、こんなインチキな代物にまた25ドル追い銭投げてやるほど太っ腹じゃない。
今日閉まっていたあの店には後日行くだろうけど、あそこが買った店だとしても、おそらく事態が改善されることはないだろう。1日20カット以内におさめる、電池が切れたらそれまで、こういうのも現今のデジタル環境ではなかなか得難い条件下での撮影ではあるだろう。こういう制約をみずからに課して撮影してみるという実験もまた一興なんじゃないか。かなりやせがまんではあるんだが、こんな状況で何週間も撮影したというひともあんまりいないだろうから、たぶん珍しい経験のはず。包帯をとばさないで撮影するのがなかなか難しくて段階露光をしていたが、そんなのはなし。フィルムと同様の一発必中の態度で、限られたカット数でのデジタルカメラでの撮影に臨んでみる。それも試みとしておもしろいんじゃないか。現にここしばらくはそれでやっていたわけだし。
とはいえ遠からずやけどは治って、その後は足の写真はやめるだろう。本来の目的である写真器での撮影を本格化させたらデジタルなんてたぶんほったらかし。もし使うにしても半月後にはまともな製品を適正価格で買える。いずれにしても、いかがわしい店で粗悪品の充電器を新たに買う必要はまったくない、ということにしておく。
夕刻ぱらぱらと雨が降り、Hollywoodの空に虹がかかった。それも二重の虹。太くて、内側、緑から紫にかけてのスペクトルの間に溝があるように見える。この地で虹を見るとは思わなかった。来月15日までの間に95%の確率でマグニチュード7の大地震がくるんだそうな。ほんとかいな。