雲40%程度。この地としては悪天候。でもいよいよ撮影へ。
Highland Av、Renaissance Hotelの向かい、この場所で。

なお電池はすぐ力つきた。今日は歩くつもりだったので入念に包帯を巻く。傷は痛痒い段階に入った。もうちょっとか。
露出も計ってないが20sベース。160sを6枚。11時くらいで、ほぼ真横から光が来る。ちょっと遅かったが、早ければこの車がいなかったろう。
テスト現像用に2枚だけ箱に移し、Hollywood/La BreaにあるLa Brea Centerという雑居ビル2FにPHOTOGRAPHYの看板が掲げてあるのでラボないし取次所ではないかと思い持っていったが、上がって見てみるとそういう雰囲気ではなかったし、念のため現像できるかと尋ねてみるが、やってないとのことだった。アメリカでもかなり現像所は減っているようだが、感材は製造されて売られているのだし、全米2位の都市であるこの地に現像を受け付ける店がないはずはない。調べれば見つかるだろう。
午後になっても雲が晴れない。あきらめていったん戻る。ネガを詰め替えようとして、写真器が1器足りないことに気づく。5号器。どこにもない。さっき撮影したところに忘れてきたとしか考えられない。もう3時間はたってるし、もっていかれたかゴミ回収業者に捨てられたか車に踏みつぶされたかして残っていないかもしれない、と思いながらもあわてて駆けつけてみると、あった! ブロック塀の上に立てたままだった。この強い日差しに3時間もさらしたままなので中のネガはかぶっていそうだが、写真器があっただけでありがたい。雲が消えだしたので戻って16時頃にCherokee AvとYucca Stの交差点、宿のすぐそばで撮影。さらに続行するつもりだったが、位置決めを長々やって電話を受けているうちに雲がまた出てきた。消えないかと待つが、こちらの雲は同じ場所に出たままで流れない。上空の風が弱いのだろうか。せっかくやる気になったらこの天気か。こんなに曇る土地柄じゃないらしいんだが。20年くらい前のLA大地震の前にも猛暑がきたらしいし、また地震があるとの噂もあながちデマでもないかも。
充電器、ついに充電済みのランプすら点灯しなくなった。この状態でも充電されているのを期待したがまったく働かない様子。こんな粗悪品を出回らせて何が楽しいのだろうか。わざわざプラスティックの型を起こしてまでつくるぐらいなら、回路ぐらいちゃんとさせればいいのに。Made in Chinaだからか。1 year warrantyとあるが、不良品の場合は送料と手数料の9.5ドルを添えて現品を送れとある。これこそ盗人に追い銭だ。こんなものをつかまされるほうが悪いということか。Maximal Power、最悪だ。
カメラバッグを手持ちの中では大型のフォトレック30ではなくフォトレックルーパスにしたのは正解だった。フォトレック30のほうがたくさん入って、現行器と旧型器の2セットも収納できるし、機材の出し入れもしやすく、フォトレックルーパスのほうはいちばん大きな出し入れ口のファスナーの片方が壊れていて閉まらないので使いづらい。デルタ航空の機内持ち込み荷物ではいちいちうるさいことはいわれないようなので、規格をはみだすフォトレック30でもたぶん通った。アメリカ国内線はわからないが、国際線と同じチケットの場合同じ扱いになって、国内線だけなら払わされる貨物料金も払わなくてすむし、同じデルタの国際線でOKだったのだからといえばたぶん通りそうな気がする。フォトレック30にしておけばよかった、とはじめは思った。
でもLAでしばらく移動してみて、小型のフォトレックルーパスでよかった、と感じた。MetroのBusにもRailにも網棚というものがなく、大型の荷物は(1)背負ったまま座る、(2)床に置く、(3)座席に座らせる、(4)膝の上に載せる、のいずれかで運ぶ必要がある。(1)は座りづらくて、1駅2駅ならともかく長距離では無理。(2)は鉄道なら可能だがバスだと難しい。席の位置も選ぶ必要がある。そこで(3)となるわけだが、他の席が空いているのにそこに座らせろと言ってくる乗客がときどきいて、こちらではマナー違反なのかもしれない。そういうわけで、混んでいると(4)にせざるをえなくなるが、でかいフォトレック30を膝の上に載せて乗車するのはかなり厳しい。フォトレックルーパスでも、今は左膝のやけどがほぼ治ったので乗せられるが、先週は右足だけで支えるしかないのでなかなかつらかった。今後は三脚も加わるのでさらなる難航が予想される。
こういった交通事情というものは、現地に来てみないとわからないものである。おそらく米国の他の都市でも網棚なんてものはなさそうだから、事情は一緒だろう。
スイスやドイツやフランスではどうだったのだろうか。あの時はルーパスとほぼ同じサイズのTamrac777で、あまりよく思い出せないのだが、荷物を網棚に載せたという記憶はない。長距離列車には荷物置き場があった。外国で頭上に荷物用スペースがあるのは航空機以外にあまり思いあたらない。網棚というのは日本の鉄道特有の設備なのだろうか。でも日本の路線バスに網棚ってあったっけ? 京都ではさんざん乗ったのにそれすら思い出せない。使わなかった、つまりなかったのだろうか。どこかにゴムベルトで荷物を保持する頭上の荷物置きがあった。あれはどこだったろうか……かくも生活習慣の細部についての記憶はあやふやである。