今日も朝から曇。NYはこんなもんだろうなあ。1昨日撮影できなかったのが悔やまれる。
しかし、むしろ曇のほうが好都合な対象があったと思いついた。やってみるか。ところが昼前に雨。雨じゃなあ。条件によってはできなくもないのだが。
昼過ぎ雨も上がりフィルムを詰めて出発。中央郵便局からB&H。ユダヤ人からFujiUSAの160sの4x5を5箱と、35mmは何にするか迷ったが、せっかくなので最新のEktar100を3本。カーリーおさげのユダヤ人、注文を的確に聞いてくれた後、名前を聞いてくる。名前か。ここはすごいシステムで、各売場では会計も買った商品の受け渡しもない。商品は天井をベルトコンベアで送られて、会計後に伝票と引き替えに受け取る。サーヴィスの流れとして合理的であり、しかもセキュリティ上も万全。警備員もいるし、万引きとか甘っちょろい犯罪は無理。たいしたもんだわ。その引き取り時に名前で呼ぶのだろうか。でも電話番号も聞かれ、プリペイド携帯はあったけど持ってきてなかったので、旅行者だから電話はない、というと、郵便番号、居住市まで聞かれる。顧客管理だろうか。レシートにCUST. #と名前などの情報がある。クレーム対応上の必要からか。
ホステルに、B&Hで50ドル以上の買い物をするとボーナスをくれるという券があったので持ってった。会計は106.48ドル。そうすると緑でB&Hのロゴの入ったトートバッグか小さなバックパックを選べという。しばし迷ってバックパックにした。ちょっと出かけるときに小物を入れるバッグ類がなくて、いつもでかいカメラバッグを背負っていたから、小さなバッグの必要を感じていた。これはうれしい。どんどん買ってこれで持ち帰ってねということなのだろう。次はトートバッグももらおう。でも、こんなに荷物を増やして、帰りの空港での計量はどう通すのだろう。
と、しばらくはいい気分で歩いたのだが、ふとさっきのやりとりを思い出し、なんでフィルムを買うのにいちいち身元をあかさなきゃならんのだ、と不信感がもたげてくる。LAではそんなこといっさい聞かれず普通に買い物できたじゃないか。NY州ではフィルムを売るのに身元確認が必要なのか。薬品ならまだわからんでもないが。でも、法令上定められてるなら、アルコール類と同様にIDの提示を求めるはずだ。それはなかった。しかも、日本での電話番号やメールアドレスまで聞かれるってどういうこと? ポイント還元システムでもなかろう。前にネットで買ったから割り引きしてくれるとかそういうことでもない。カードならともかく、現金だって言ってるのだ。
その上すべての情報を端末に入力している。ブラックリスト照会じゃあるまいし。あんたら金融業者か? 国外からの旅行者は免税にしてくれるのかと思ったが、8.68ドルの税金は徴収されている。たかが小売り屋に何でそんなことまで答える必要があるのだ。次に買うときは聞いてみよう。
これは、客の個人情報を収集しているか、好ましくない相手とは取り引きしない、たとえばイスラエルと敵対する勢力には売らない、ための聞き取りと理解するくらいしかない。B&Hのバッグなんかもらって喜んでぶらさげて歩いていていいのだろうか、との疑念が消せなくなった。正直に答えてしまった自分が愚かに思えてきた。ネットではログイン制なのでそのからみかもしれないし、満足度調査をやっているせいもあるかもしれない。でもそれらも隠れ蓑と疑えば疑える。これらはあくまで推測でしかないのだけれど。
よかったら誰か調べて教えてください。
現在ネットへのアクセスを制限している。課金制での接続なので。2日で30分とか。なのでどうしても必要なことしか調べられない。
2日に1回はさすがに少ないが、ネット接続なんて1日30分もあれば必要なことはすませられる。1時間あれば充分。ネットに無駄な時間を吸い込まれないおかげで1日が豊かになった。この日誌は移動中やあいた時間にpomeraで打っている。pomeraをパソコンにつないでMS WORDで開いてコピーペーストするだけ。この日誌については、ネットに接続している時間は数秒。ネットであちこち見てる時間の大半は惰性であって無駄。そんなだらだらをやめれば精神安定上たいへんよろしい。
このホステルの宿泊客でも、Wi-Fiが入る食堂で昼間ずっとパソコンいじってる奴とかいる。あんた旅行で来てるんじゃないの? なんで宿泊費払ってまで部屋にこもってネットやらなきゃならんのだろう。ありゃ依存症だ。ここは外から自由に入れるので、近所の住人がネットやりに来ている、という可能性もなくはないが、かなりたくさんいる。
10年前につなぎ放題にするのにも、ネット漬けになるんじゃないかと長いこと踏みとどまって、ついに陥落という感じだった。案の定ネットに多大な時間を纂奪されるようになってしまった。ネット環境から強制的に遠ざけられていい案配なのを痛感してまた定額制に戻そうか、と考えている。
出て13時過ぎには晴れ出す。MOMAも四角四面の建物。このへんは建物が鮨詰めで、いきおい直方体にならざるを得ない。でも、入れ物に無駄に凝っても意味がない、という合理主義のほうが大きいと思う。MOMAが私立だと最近ようやく知って意外だった。
NY市立図書館は改装中。
5Stは観光客で混んでいる。Hollywoodほどではないけれど。陽射しがまぶしいので、露天販売のNYと入った帽子を5ドルで買ってしまう。プレーンのはないかと聞いたがなかった。去り際に店の老人に引き留められるが、そのまま帰される。値札がついてるのを切り忘れたと思ったが、ついてなかったとか。中古を買っちゃったか。どのみちまたすぐなくす。Pasadenaで買ったReebokの帽子はたぶん空港に忘れた。他で同じものを3ドルで売っていた。まんまと観光客相手の商売に引っかかった。
Chrysler Towerへ41StのLexington Aveより15mほど南から。雲があるが1枚だけやってみる。Portra160VC、20s。パスタ屋の前だが長いこと雲が去るのを待っていても店員からは何も言われず。
3Ave側南からはまったく見えない。
Empire State Buildingは6AveやBraodwayからでは無理。6Aveか33St、あるいは早朝に34Stからだがたぶん6 Aveだろう。
NYCの摩天楼の顔としてはEmpire State Building。建築として特徴的なのはChrysler Tower。さて。
17時半に日が陰り帰還。
このホステル、決して高くなかった。高いのはホテル税なのだ。宿泊費は34.25ドル、ネットで見る他の宿泊費とくらべてそんなに高くない。税が7.75、20%以上もかかる。Nevada州では10%くらいだった。つまりは観光客からふんだくろうということだろう。ジュリアーニあたりが考えそう。ネットのホステル予約サイトの宿泊費は税抜き表示だったのだ。アメリカの宿をとるときは、その金額に税金その他が含まれているかどうか確認したほうがいい。
ここは活気もあるし、修学旅行のようなフランスの若い団体客から、ドイツの引退した様子の老夫婦までいる。ドイツ人は炒め物やスープをつくって豊かな食事をしている。探したら鍋やフライパンもちゃんとあった。しまった持ってきたパスタをこれでゆでればよかった。Brooklynのひどさを考えれば、ここはなかなかいいホステルだ。同室者は選べないけれど。