早朝曇だがまもなく特快晴に。ところが10時頃には雲が出はじめ、どんどん広がっていく。ホステルをチェックアウト。ルームシェアの部屋を借りることにし、その検分。
East Harlemで、数カ月前までNYCに住んでいた人によると、East110Stあたりは受刑者あがりがたくさん住んでいてやめたほうがいいという。確かに首筋になにやら記号のあるひとが時々いる。でもヒスパニッシュや白人もいるし、新しい高層住宅もあるし、中国人のやっているアメリカ風華僑料理屋も数店あるし、図書館もあって明るいいい場所だと思うんだが。実際に住んでいるルームシェアの仲介者は住みやすいという。NYCで日本人がいちばん多いとか。でも夜は警官があちこちに立っている。やはり剣呑か。
もうひとつの候補はHarlemのMalcolm X Blvd沿い。こっちのほうが怖そうな黒人が多くてどこか不穏な空気がある、ような気もする。でも仲介者によると治安は110Stと同程度、別に危険というほどではないと言う。こっちが月650ドルで100ドル安いので、部屋を見ず周囲と建物外観をみただけで決める。場所としてはE110Stのほうが好き。
そんなこんなで、East110Stのほうに荷物をほとんど置いて出たのだが、14時過ぎから晴れる。しまった。またやってしまった。20時まで戻れない。やむなく地下鉄2の急行の終点まで行ってみる。もっとも危険とされるBronxの果て。高架から見る限りは、さほど凶悪な場所とも思えない。前日朝にコーヒーを飲んでしまったために夜眠れず、車中で寝まくるが特に被害なし。車両もきれいで特に荒れている様子もない。
夕方になって仲介者と連絡とろうと思ったら、携帯が電池切れ。公衆電話からかけてもつながらない。公衆電話は着信拒否か。このごろ日本でもよくある奴。だったら電話なんかさせるな。仲介者と連絡とれなければ今夜の宿がない。パスポートも置いてきたのでそこらのホテルにも泊まれない。携帯の充電器も荷物の中。困り果て、携帯のショップで充電してもらおうと51Stあたりで探しまくったら、あった。ただで充電してくれた。
どうにか連絡とり、デポジットだと言って1,300も現金で払わされ、今日だけはE110Stの月750ドル+光熱費のほうに荷物と一緒に寝る。部屋は古いビル4階、4畳半あるかどうか。ダブルのベッドが半分以上を占め、簡単なテーブルとパイプハンガーがある程度。あとは冷暖房と天井の証明とコンセント、使えないがWi-Fi。共有スペースには冷蔵庫、電子レンジとガス水道、調理のできる環境。浴室は水がためられないようになっているらしくシャワーのみ。帰って寝るだけの、潤いのない部屋。他のルームメイトとは顔も会わせず、挨拶もせず。短期の旅行者が多いらしいのでそうなるのだろうか。日本人でまとめているらしい。仲介者もそれが仕事らしいし。ホステルと大差なく、どんどんひとが入れ替わっていってお互い干渉せず接触せず関心もなく、ということか。この街らしいといえばそうなのだが。
それと、数年前からManhattanでは南京虫が大量発生しているらしい。噛まれると500円玉以上に腫れ、仲介者は一度刺されて病院に行かずに耐えたというが、通常かゆくて病院に行くしかないのだとか。感染源は、公園の芝生に寝たり、ベンチで移ってきたり、上から降ってきたり。そんなもの防ぎようがないだろう。でも、借り手が部屋に持ち込んだら、復旧費は借り手の負担と契約条項に明記してある。異変に気づいて翌朝に対処すれば、10ドルの殺虫剤でほぼ退治できる。でも放置すればベッドのマットレスに繁殖して交換せざるを得なくなる。その場合マットレス代を負担。さらにひどくなると部屋全体が汚染され、木材部にに巣くったりするという。そうすると1,000ドル以上かかる。
この国では金を払うほど安全、ケチればリスクが高まる。Midtownに住んで車で移動すれば比較的安全だし、安いホステルに泊まればその分さまざまなリスクにさらされる。Brooklynの南のほうに400ドル前半のルームシェア物件があって、韓国人が多くて治安は悪くないということだったが、不安なので見送った。安いからにはなんらかの理由があるに違いないからだ。これも部屋の住人ではなく仲介者が入る物件なので、土地の相場を反映していると見ていい。かける寝具がなく、現時点で暖房が入ってないということもあったが。
でも南京虫なんて、多少金かけてても、普通に暮らしてたら防ぎようがないじゃないか。金持ちだってCentral Parkくらい行くだろう。毎日帰ってきたら燻蒸するくらいしかない。まったくこの国はどこもかしこも油断がならない。