朝から曇。The BronxのYankee Stadiumへ。もっとヤンキーっぽいいかにもアメリカな豪放さを期待していたのだが、典雅な古典調に改装されていた。がっかり。Bronxだが日中は特に危険そうではない。
Park Ave120のWhitney別館に行ったら11時から。20 StからChelseaへ。こないだ見きれなかったギャラリーを回る。しかしとにかくたくさんあるのと飽きてくるのと疲れるのとつまらないのとで、外から見えるものはそのまま素通り。写真は少ない。新作ばかりではなく、回顧展みたいなものもよくある。それにしてもギャラリーでカメラを使っているひとが多いのには驚く。美術館と同じ感覚だろうか。でもあの調子では、美術館でも所蔵品と借りてきたタマの区別なんてしてないだろうし、特別展でも平気でぱちぱちやってると思うぞ。ギャラリー側も目くじらたてない。日本じゃ大目玉食らうだろう。宣伝になっていいくらいの調子なのだろうか。
こちらのギャラリーに入って最初に目につく受付というか窓口、まあ入っていってもパソコンを打っていて顔も上げないのだが、これは見た限りほぼすべて見栄えのいい若い白人女性。例外は東洋系、たぶん日本人、そしてきれい、が1人いただけ。そういえば美術館のチケット売場などでもほとんど白人女性、一部白人男性。そういう世界だということだ。LAはそうでもなかったが。
いったん帰って食事してカードを持ち、外貨預金口座から現金を引き出してB&Hでフィルム調達。FujiUSAのPro160Sはやっぱり生産終了だった……Freestyleごめん。言うこと信用して、見つけたときに買い占めておけばよかったよ。こっちで8箱買ったし、もうそうはなかったろうけど。
2月に大量に取り寄せたのがまだ10箱程度は残っていただろうが、それを使いきったら、Ektar100に切り替えだろう。今回Portra160VCと4箱ずつ買ってきたので、試してみて使えそうだったら。Pro160Sをなんで使ってたかというと安いからで、性能が他では代えられないということではない。短秒時用なので長時間適性はむしろ低いはず。なくなったら別のにするまで。
以前買った箱を眺めていたら「Made in Japan」とあるではないか。えっ……ということは国産富士のPro160NSと中身は同じということ? でも、かつてKodakが告発したダンピング訴訟で課せられるようになった米国輸入時の高税率の関税はどうなったんだ。国内製品と同じだとすると、3日に買ったときにはPro160Sが16.95ドルだったので、ヨドバシで国産Pro160NSが2,880円として実質2,592円、消費税分を除くと2468.57円、1ドル145.64円でようやく同等となる。不当廉売そのもの。これじゃダンピング呼ばわりされてもしょうがないだろう。それを「Made in Japan」と堂々と入れて売るとは……。ひょっとしてまたダンビング問題が蒸し返されて輸入できなくなったとか。
2月頃日本からとりよせて今回運んできた持ってきた箱にもMade in Japanと書いてあった。ということは、日本から持ってきたフィルムは日本とアメリカを2往復するということか。お疲れさまです。
あくまで想像だが、Kodakと富士の間で、Kodakはシート印画紙の市場から手を引くから、その分フィルムの市場をまわしてくれ、それですみわけようじゃないか、それぞれに生産を続けて競合するのは不毛な消耗戦であって互いにとって不利益だから、という裏取引があったんじゃなかろうか。それでどちらも生産を継続してくれるんならありがたいことだ。でも富士は米国内のフィルム市場から撤退したというだけで、日本ではつくり続けてほしい。なんたって富士「フイルム」なんだから。