朝から特快晴。Brooklyn Museumへ。しかしほぼ北向き。やや東寄り。こりゃ無理だ。一周しようと右回りに歩いていくと植物園でずっと立ち入れず。さらに歩くとProspect Park。トイレあり。あちこちに古い建物。公園の西側は閑静な住宅街。たいへん穏やか。Brooklynもこういうところは高いのだろう。でかい犬を3匹散歩させているひとなど、裕福そう。
北の端にブランデンブルグ門に似た門。Memorial Archとあり、南北戦争従軍者の顕彰碑らしい。むろん北軍側の。しかしthe Statue of Libertyにくらべまったく知られていない。独立戦争と違って、南北戦争は国を挙げて騒ぐわけにもいかないのだろう。南軍諸州の人間にとっては勝利ではないわけで。でもそれをいったら先住民であるネイティヴアメリカン独立記念日なんて冷ややかに見てるだろうし。複雑な国である。日本人メジャーリーガーが試合前の米国旗掲揚で胸に手を当てているのもなんだか居心地悪そうである。
12時過ぎから撮影開始。X線ネガを昨日とあわせ一気に消化。もっとも、あるプリントのエキスパートの話ではほぼ問題ないとのことだが、モノクロでの話なのでカラーネガではセンシトメトリィ特性が異なり、感光波長域が広くてX線の影響を受けやすい、ということもないとはいえないのだが。念のため2倍の露光を与えておく。正面6枚、向かって左から2枚の8枚。充分か。
16時前にBrooklyn Museumに行ってみるがやはり無理。北向きでもやってみるか。今日は木曜日だと思っていたら金曜日だった。
今日は木曜日だと思っていたら金曜日だった。あわてて戻って荷物を置きMoMAへ。Pompidouでも三脚を預かってもらおうとして難儀したので、MoMAでも断られるとやっかいと考えて。16時から無料で入れるのだが着いたのは15時過ぎ。急いで5階のコレクションから見ていく。NYの抽象表現主義には、LAMOCA同様に同時代の写真が展示されている。アーロン・シスキンド、ハリー・キャラハン、ポール・カポニグロ、マイナー・ホワイトと、絵柄からすればまあ出るだろうなというあたりだが、NYの人が一人もいないのはおかしいんじゃないか。Photo by Womenというのは特にひねりのないタイトル通りの展示。対象が女性の写真も多くて、それにしぼればまだわかりやすかったのだがそういうわけでもなく、ずいぶんとまた大雑把な展示。アメリカ流なのかな。Photography Nowかなんかいうのはまったくどうでもいい。ここの写真部門は、30年前までは絶大な影響力を誇ったもんだが、今では……。
建築関係はとばす。急いで見て時間が余ったので、もう一回見たいのといえばやっぱり近代絵画。モネとゴッホとスーラはあるがマネやボナールは出ていない。ルノアールがないのはいいとして。当然一通り持ってはいるのだろうが、それがこの美術館の考える「Modern Art」ということなのだろう。もちろんセザンヌは出ている。ここでもゴッホピカソに人垣ができるのだが、それは人気があるというより、誰にでも名が知られているからなのだろう。特に、無料で入館できる金曜夕方に入ってきたような観光客は、特段美術が好きというわけでもなくて観光の一環で来てるだけだろうから。かくいう俺もそうか。
ルソーの代表的な2点と、キュビスム期のピカソとブラックが見られたのはよかった。やっぱり近代絵画が一番だなあ、といってるうちに閉館。黒人はほとんどいない。無料で混む日にわざわざ地元民は来ないのかもしれない。確かにフランス人が多い。でも学生とか安く見たいだろうに。通常料金を払ったMetでも黒人は少なかった。一方で監視員はみなガタイのでかい黒人。
ダークバッグの腕部分のつけねに穴が開いていた。黒パーマセルテープで両面から補修。力がかかる部分なので破けてもおかしくない。今回ずいぶん使ったしな。あわてて腕の出し入れもしたし、破けてもおかしくない。内袋部分なので影響はないと思うが。ダークバッグは命綱で、全部のネガをこれの中で交換しているので、これにもし不具合があったらすべてが台なしになる。実はみんなかぶってるんじゃないかと不安。やっぱりテスト現像はしておくべきだろうか。
カメラバッグは、三脚ケースを短く折ってDelta航空の預け入れに持つのサイズ制限に納めるために持ってきた面ファスナー、まあ自作フィルム乾燥ハンガーの素材の残りなんだが、こいつで巻いて応急措置。でも力がかかればぱっくり開く。混雑した地下鉄車内であわてて降りるときに他人の持ち物に引っかかったりしたら、荷物を全部ぶちまけてえらいことになりうる。
トラブルの種は尽きない。